グリセリン浣腸は『40℃』!温度を間違えるとなぜ危険?
看護師国家試験 第112回 午後 第18問 / 必修問題 / 日常生活援助技術
国試問題にチャレンジ
グリセリン浣腸を準備する際の浣腸液の温度で適切なのはどれか。
- 1.20℃
- 2.30℃
- 3.40℃
- 4.50℃
対話形式の解説
博士
今日はグリセリン浣腸の温度について学ぶぞい。看護技術の試験で何度も出る頻出テーマじゃ。
アユム
浣腸液の温度って、体温と同じくらいなんですか?
博士
近いがちょっと違う。目安は40℃、つまり直腸温(約37〜38℃)より少し高めじゃ。
アユム
なぜ少し高めがいいんですか?
博士
直腸粘膜に適度な温熱刺激を与えて蠕動運動を促すためじゃ。体温と同じでは刺激にならず、逆に冷たいと血管が収縮してしまう。
アユム
低温だと何が問題なんですか?
博士
20℃や30℃のような低温では、腸壁の毛細血管が収縮して血圧が上がったり、寒気や腸の攣縮を起こしたりする。患者さんには苦痛になる。
アユム
じゃあ熱いほうがいいのかな?
博士
それも危険じゃ。43℃を超えると腸粘膜に炎症や熱傷を起こすリスクがある。50℃などもってのほかじゃ。
アユム
なるほど、40℃がちょうどいいスイートスポットなんですね。
博士
その通り。準備時は湯煎で温め、必ず手首の内側や温度計で確認してから使う。ストッパーの位置も調整して挿入しすぎを防ぐのじゃ。
アユム
体位は左側臥位でしたよね?
博士
よく覚えておる。S状結腸と直腸の解剖学的な走行に沿うため左側臥位が適切じゃ。
アユム
立位ではダメですか?
博士
絶対ダメじゃ!立位では直腸前壁にチューブ先端が当たりやすく、直腸穿孔を起こす重大事故につながる。過去には医療事故報告もある。
アユム
挿入の深さは?
博士
成人で6〜10cm、小児はさらに浅く。無理な抵抗を感じたら中止するのが鉄則じゃ。
アユム
注入時に気をつけることは?
博士
50mL程度を10〜15秒以上かけてゆっくり注入する。一気に入れると腹痛や排便反射が強く起こりすぎるからの。
アユム
実施後の観察ポイントは?
博士
排便の有無、便の性状、量、腹痛の有無、血圧・脈拍の変化じゃ。特に迷走神経反射で徐脈や血圧低下、失神を起こすことがあるから注意する。
アユム
温度40℃、左側臥位、挿入6〜10cm、立位禁忌。しっかり覚えます!
POINT
グリセリン浣腸は直腸粘膜への温熱刺激と浸透圧刺激によって蠕動を促し排便を誘導する処置で、浣腸液の至適温度は直腸温よりやや高い『40℃前後』です。20〜30℃の低温では血管収縮による血圧上昇や腸攣縮・寒気を招き、43℃を超える高温では腸粘膜の熱傷・炎症リスクが高まるため範囲を厳守します。実施の基本として、体位は左側臥位(S状結腸の走行に沿う)、成人の挿入長は6〜10cm、注入は10〜15秒以上かけてゆっくり行い、立位での実施は直腸穿孔リスクがあるため禁忌です。実施中・後は迷走神経反射による徐脈・血圧低下・失神の有無、排便の状況、腹痛などを観察することが必須で、医療事故防止の観点から基本手技を確実に身につけることが看護師に求められます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:グリセリン浣腸を準備する際の浣腸液の温度で適切なのはどれか。
解説:正解は 3 です。グリセリン浣腸は直腸粘膜に対する温熱刺激と浸透圧刺激で蠕動運動を誘発し、排便を促す処置です。浣腸液の温度は直腸温(約37〜38℃)より少し高い『40℃前後』が至適温度で、腸管を適度に刺激しつつ粘膜損傷や循環動態への悪影響を避けられます。
選択肢考察
-
× 1. 20℃
体温より大幅に低く、腸粘膜の毛細血管が収縮して血圧上昇や腸攣縮、寒気を招く可能性がある。
-
× 2. 30℃
直腸温より低く、十分な温熱刺激が得られにくい。血圧上昇や不快感の原因にもなる。
-
○ 3. 40℃
直腸温(約37〜38℃)よりわずかに高く、粘膜を傷つけずに適度な温熱刺激を与えて蠕動を促進できる至適温度。
-
× 4. 50℃
43℃を超えると腸粘膜に熱傷・炎症を起こすリスクがある。50℃は明らかに高すぎ危険。
グリセリン浣腸実施時の留意点は多い。(1)体位は左側臥位(S状結腸・直腸の解剖に沿う)、(2)挿入長は成人で6〜10cm、小児はさらに浅く、(3)立位実施は直腸穿孔のリスクがあり禁忌、(4)注入は50mL程度でも10〜15秒以上かけてゆっくり、(5)迷走神経反射による徐脈・血圧低下・失神に注意、(6)痔核・直腸粘膜損傷既往者では慎重投与、(7)実施後は排便の有無と便性状を観察。体位不良や強い圧で行うと直腸穿孔事故につながる。
グリセリン浣腸液の至適温度(40℃)を問う定番問題。体温との差と粘膜損傷リスクの観点から覚える。
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