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清拭の極意!皮膚に触れる40〜42℃の科学

看護師国家試験 第112回 午前 第19問 / 必修問題 / 日常生活援助技術

国試問題にチャレンジ

112回 午前 第19問

全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度で適切なのはどれか。

  1. 1.20〜22℃
  2. 2.30〜32℃
  3. 3.40〜42℃
  4. 4.50〜52℃

対話形式の解説

博士 博士

今日は全身清拭のタオル温度について学ぶぞ。皮膚に触れる時、何℃が適切かわかるかの?

サクラ サクラ

温かい方が気持ちいいから…50℃くらいですか?

博士 博士

それは熱すぎじゃ!熱傷の危険がある。正解は40〜42℃。入浴の適温と同じくらいじゃ。

サクラ サクラ

なぜ40〜42℃がベストなんですか?

博士 博士

この温度域は快適性と効果のバランスが最適なんじゃ。末梢血管が適度に拡張して血行促進、リラクゼーション、マッサージ効果が得られつつ、熱傷のリスクはない。

サクラ サクラ

準備するお湯は何℃にすればいいんですか?

博士 博士

50〜55℃じゃ。タオルに浸して絞って広げる間に温度が下がるから、その分を見越して高めに準備する。患者の皮膚に触れる頃に40〜42℃になる計算じゃ。

サクラ サクラ

室温も関係しますよね?

博士 博士

その通り。室温22〜26℃を保ち、露出部位をバスタオルで覆って保温する。窓や扉を閉めて気流も遮断するのじゃ。

サクラ サクラ

清拭の手順で気をつけることは?

博士 博士

一般に顔→上肢→胸腹部→下肢→背部→陰部・殿部の順じゃ。陰部・殿部を最後にするのは交差感染を防ぐため。タオルは部位ごとに拡げて素早く拭く。

サクラ サクラ

石鹸を使う時の注意は?

博士 博士

石鹸成分が残ると皮膚刺激や乾燥の原因になるから十分にすすぐことじゃ。皮膚が菲薄な高齢者では弱酸性の低刺激タイプを選ぶと良い。

サクラ サクラ

高齢者で特に注意することは?

博士 博士

皮膚が薄く温度感覚も鈍いから、やや低めの40℃前後から始めて患者の表情・反応を見ながら進める。熱傷の自覚が遅れるので看護師の観察が命綱じゃ。

サクラ サクラ

糖尿病患者さんも注意が必要ですか?

博士 博士

大注意じゃ。神経障害があると熱さを感じにくく低温熱傷のリスクがある。必ず看護師の前腕内側で温度確認してから皮膚に触れる習慣をつけるのじゃ。

サクラ サクラ

清拭は清潔を保つだけじゃなくて、観察の機会でもあるんですよね?

博士 博士

その通り!皮膚の発赤・褥瘡・皮下出血・浮腫・乾燥・発疹などを全身くまなく観察できるのが清拭の大きな価値じゃ。呼吸や会話の様子もチェックできる。

サクラ サクラ

ただ拭くだけじゃない、看護の醍醐味を感じます。

博士 博士

その視点こそ大切じゃ。数字(40〜42℃)は根拠、その上の観察と配慮が本当のケアじゃよ。

POINT

全身清拭で皮膚に触れるタオルの適温は40〜42℃で、これは入浴適温と同等の快適で安全な温度域です。末梢血管の拡張による血行促進・リラクゼーション効果が得られる一方、熱傷のリスクがない絶妙な温度設定です。準備する湯は冷却を見越して50〜55℃にし、絞って皮膚に触れる頃に適温になるよう調整します。高齢者・糖尿病性神経障害・熱傷既往患者では温度感覚が鈍く低温熱傷のリスクがあるため、看護師自身の前腕で確認する習慣が重要です。清拭は清潔ケアであると同時に全身観察・リラクゼーション・コミュニケーションの機会でもあり、数字の根拠と患者観察を両立させる看護の基本技術です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 の40〜42℃である。全身清拭は入浴に代わる清潔ケアで、皮膚に触れる際のタオル表面温度は入浴の適温に近い40〜42℃が快適で安全とされる。この温度は末梢血管を拡張させてリラクゼーション効果・血行促進・マッサージ効果をもたらしつつ、熱傷のリスクがない温度域である。準備する湯の温度はタオルを絞って拡げる際に温度が低下することを見越して、50〜55℃程度に設定するのが一般的である。

選択肢考察

  1. × 1.  20〜22℃

    皮膚温よりはるかに低く、体温を奪い不快感を与える。高齢者や術後患者では低体温のリスクもある。

  2. × 2.  30〜32℃

    体温よりやや低く冷たく感じる。汚れも落ちにくく、清拭の効果が十分得られない。

  3. 3.  40〜42℃

    皮膚に直接触れる適温。入浴温度と同等で、快適性・血行促進・清潔効果のバランスが取れる。

  4. × 4.  50〜52℃

    熱傷のリスクがある高温。この温度は清拭用湯の準備温度の上限近くで、皮膚に直接触れるには高すぎる。

全身清拭では湯温管理以外にも、①室温を22〜26℃程度に保ち保温に配慮する、②部位ごとにタオルを拡げてから素早く拭く、③石鹸使用時は十分にすすぎ石鹸成分を残さない、④バスタオルや掛け物で露出部位を最小限にする、⑤陰部・殿部は最後に拭き交差感染を防ぐ、⑥患者の表情・皮膚色・呼吸状態を観察する、などが基本となる。高齢者は皮膚が菲薄で温度感覚も鈍いため、やや低めの40℃前後から始め、不快感がないか確認しながら進める。乳児では40℃程度、熱傷患者や糖尿病性神経障害のある患者では特に慎重な温度確認が必要で、看護師自身の前腕内側で温度を確認してから皮膚に触れる習慣を持つことが安全確保につながる。

清拭時に皮膚に触れるタオルの適温(40〜42℃)と、準備する湯の温度(50〜55℃)を区別して覚える問題。