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セリエのストレス学説 〜理論家と理論のセット暗記〜

看護師国家試験 第108回 午前 第3問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第3問

セリエ, H.(Selye,H.)が提唱した理論はどれか。

  1. 1.危機モデル
  2. 2.ケアリング
  3. 3.セルフケア
  4. 4.ストレス反応

対話形式の解説

博士 博士

今日は看護の主要理論家について勉強するぞ。国試では「○○が提唱した理論は?」という問題が毎年出題される定番じゃ。

サクラ サクラ

はい!理論家と理論の組み合わせ、なかなか覚えにくくて…

博士 博士

大丈夫じゃ。1人ずつ整理していこう。まずセリエ、Hは誰じゃ?

サクラ サクラ

えっと、ストレスの人ですよね?

博士 博士

正解!ハンス・セリエはカナダの生理学者で、1936年にストレス学説を提唱した。彼は生体に加わる刺激を「ストレッサー」、それに対する生体反応を「ストレス反応」と名付けたんじゃ。

サクラ サクラ

ストレッサーとストレス反応、違いがあるんですね。

博士 博士

そうじゃ。そしてセリエは持続するストレッサーへの適応過程を「汎適応症候群(GAS)」として3段階で説明した。警告反応期・抵抗期・疲憊期じゃ。

サクラ サクラ

詳しく教えてください!

博士 博士

警告反応期はストレッサーに出会った直後で、さらにショック相と反ショック相に分かれる。最初は一時的に生体機能が低下するが、副腎皮質ホルモンの分泌が高まり防御反応が出てくる。

サクラ サクラ

抵抗期は?

博士 博士

抵抗期はストレッサーに適応し、恒常性(ホメオスタシス)が保たれる時期。しかし長期化すると適応力が破綻して疲憊期に入り、胃潰瘍、免疫低下、うつ状態などの心身の破綻をきたす。

サクラ サクラ

なるほど、3段階で進行するんですね。選択肢を見ると正解は4のストレス反応ですね。

博士 博士

その通り!では他の選択肢も確認しよう。1の危機モデルは誰じゃ?

サクラ サクラ

フィンクですよね?脊髄損傷患者の研究から作った理論で…

博士 博士

正解!フィンクの危機モデルは衝撃・防衛的退行・承認・適応の4段階。他にアギュララやションツ、コーンなども危機理論を提唱しておる。

サクラ サクラ

2のケアリングは?

博士 博士

ケアリングはメイヤロフが代表的で、「他者の成長を助けること」と定義した。看護領域ではワトソンのヒューマンケアリング、レイニンガーの文化ケアも有名じゃ。

サクラ サクラ

3のセルフケアは?

博士 博士

セルフケア理論はオレム。患者のセルフケア能力に応じて、全代償システム・一部代償システム・支持教育的システムの3つで援助するという枠組みじゃ。

サクラ サクラ

他に覚えておくべき理論家はいますか?

博士 博士

ナイチンゲール=環境理論、ヘンダーソン=基本的看護の14項目、ロイ=適応モデル、ペプロウ=人間関係の看護論、キューブラー・ロス=死の受容5段階、エリクソン=発達課題、マズロー=欲求階層。このあたりは必修じゃ。

サクラ サクラ

理論家とセットで「誰が何を提唱したか」を暗記するのがポイントですね。

博士 博士

その通り。セリエ=ストレス、フィンク=危機、オレム=セルフケア、メイヤロフ=ケアリング、この4セットは最頻出じゃから必ず覚えておくんじゃ。

サクラ サクラ

今日もありがとうございました!

POINT

ハンス・セリエは1936年にストレス学説を提唱し、ストレッサーに対する生体の非特異的反応を体系化した生理学者です。汎適応症候群として警告反応期・抵抗期・疲憊期の3段階を示し、現代のストレス研究の基礎を築きました。看護の国試では理論家と理論のペアを問う問題が頻出し、フィンク=危機モデル、オレム=セルフケア、メイヤロフ=ケアリングなどとセットで暗記することが重要です。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:セリエ, H.(Selye,H.)が提唱した理論はどれか。

解説:正解は4です。ハンス・セリエ(Hans Selye, 1907-1982)はカナダの生理学者で、1936年にストレス学説を提唱しました。彼は外部から加わる刺激を「ストレッサー」、それに対する生体の非特異的反応を「ストレス反応」と定義し、さらに持続するストレッサーへの適応過程を「汎適応症候群(General Adaptation Syndrome; GAS)」として、警告反応期・抵抗期・疲憊期の3段階で説明しました。警告反応期はさらにショック相と反ショック相に分かれ、最初は生体機能が一時的に低下(ショック相)しますが、副腎皮質ホルモン分泌が高まり防御反応が起こります(反ショック相)。抵抗期ではストレッサーに適応して恒常性を保ちますが、長期化すると疲憊期に入り適応力が破綻し、最終的に心身の破綻(胃潰瘍、免疫低下など)をきたします。この概念は現代の心身医学、看護学のストレス・コーピング理論の基礎となっています。

選択肢考察

  1. × 1.  危機モデル

    危機モデルはフィンク(Fink)が代表的提唱者で、衝撃・防衛的退行・承認・適応の4段階で示されます。他にアギュララ、ションツなども危機理論を提唱しています。

  2. × 2.  ケアリング

    ケアリング理論はメイヤロフ(Mayeroff)やワトソン(Watson)、レイニンガー(Leininger)らが提唱した、ケアする人とされる人の相互関係を重視する看護哲学です。

  3. × 3.  セルフケア

    セルフケア理論はオレム(Orem)が提唱した看護理論で、患者のセルフケア能力に応じて看護師が全代償・一部代償・支持教育的システムで援助するという枠組みです。

  4. 4.  ストレス反応

    ハンス・セリエはストレス学説の提唱者で、汎適応症候群(警告反応期・抵抗期・疲憊期)としてストレス反応の3段階を体系化しました。

主要な看護・心理学理論と提唱者のセット:セリエ=ストレス学説、フィンク=危機モデル、オレム=セルフケア、ロイ=適応モデル、ヘンダーソン=基本的看護、ナイチンゲール=環境理論、メイヤロフ=ケアリング、ペプロウ=人間関係看護論、キューブラー・ロス=死の受容5段階、エリクソン=発達課題、マズロー=欲求階層。セリエのストレス学説はラザルスの認知的評価モデルへと発展していく点も押さえておきましょう。

主要な看護・心理学理論とその提唱者を対応させる基本知識を問うており、特にセリエ=ストレスのペアは必修の定番です。