StudyNurse

思春期のホルモン、LHが第二次性徴の鍵を握る

看護師国家試験 第109回 午前 第5問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第5問

第二次性徴の発現に関与するホルモンはどれか。

  1. 1.抗利尿ホルモン〈 ADH 〉
  2. 2.黄体形成ホルモン〈 LH 〉
  3. 3.副甲状腺ホルモン〈 PTH 〉
  4. 4.甲状腺刺激ホルモン〈 TSH 〉

対話形式の解説

博士 博士

今日は第二次性徴に関わるホルモンを学ぶぞ。思春期の体の変化がどのように起こるか、内分泌学的に整理するテーマじゃ。

サクラ サクラ

第二次性徴って、男女で体つきが変わってきたり、声変わりしたりすることですよね。

博士 博士

その通りじゃ。これらの変化を司っているのが『HPG軸』と呼ばれる視床下部-下垂体-性腺のホルモン連鎖じゃ。

サクラ サクラ

HPG軸って初めて聞きました。

博士 博士

Hypothalamus-Pituitary-Gonad axisの略じゃ。まず視床下部からGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が拍動性に出る。

サクラ サクラ

それが下垂体に届くと?

博士 博士

下垂体前葉からLH(黄体形成ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)という2つのゴナドトロピンが分泌される。この2つが性腺を刺激するのじゃ。

サクラ サクラ

男子なら精巣、女子なら卵巣ですね。

博士 博士

その通り。精巣ではテストステロン、卵巣ではエストロゲンとプロゲステロンが作られる。これらが全身に作用して第二次性徴を引き起こすのじゃ。

サクラ サクラ

選択肢にあるLHが正解ですね。他のホルモンとの違いを整理したいです。

博士 博士

よい姿勢じゃ。ADHは下垂体後葉から出て腎臓で水を再吸収させるホルモン。血圧や体液量の調節が主な役割で、性徴とは無関係じゃ。

サクラ サクラ

PTHは?

博士 博士

副甲状腺ホルモンじゃな。骨や腎臓に作用して血中カルシウム濃度を上げる役割で、これも性徴とは関係ない。

サクラ サクラ

TSHは甲状腺刺激ホルモンで、甲状腺ホルモンを出させるんですよね。

博士 博士

その通り。基礎代謝には大きく影響するが第二次性徴そのものには関わらぬ。

サクラ サクラ

男女で第二次性徴の現れ方はどう違うんですか?

博士 博士

男子はまず精巣容積の増大から始まり、陰毛発生・変声・骨格筋の発達と続く。女子は乳房発育から始まり、陰毛発生・初経と進むのが一般的じゃ。

サクラ サクラ

タナー分類というのを聞いたことがあります。

博士 博士

よく知っておるな。タナー分類は第二次性徴の進行段階を1〜5段階で評価する国際的な指標じゃ。思春期早発症や遅発症の診断に使われるぞ。

サクラ サクラ

看護師として、小児や思春期の患者と関わるときに役立つ知識ですね。

博士 博士

その通り。体だけでなく心の発達にも寄り添う視点が大切じゃ。性徴の遅れや急変には精神的サポートも欠かせないぞ。

POINT

第二次性徴の発現は視床下部のGnRHが下垂体前葉からLHとFSHの分泌を促し、それらが性腺を刺激してテストステロンやエストロゲン・プロゲステロンを産生させる『HPG軸』によって制御されます。抗利尿ホルモン・副甲状腺ホルモン・甲状腺刺激ホルモンはそれぞれ水代謝・カルシウム代謝・基礎代謝を担うホルモンで、第二次性徴には関与しません。看護師はタナー分類などの客観的指標を理解し、思春期特有の身体・心理的変化に寄り添う姿勢が求められます。内分泌系の基本軸を理解することは、多彩な臨床場面で役立つ基盤知識です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:第二次性徴の発現に関与するホルモンはどれか。

解説:正解は 2 です。第二次性徴は視床下部-下垂体-性腺系(HPG軸)によって制御される。思春期になると視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が拍動性に分泌され、下垂体前葉から黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌される。これらが精巣や卵巣を刺激してテストステロンやエストロゲン・プロゲステロンを産生させ、第二次性徴を発現させる。

選択肢考察

  1. × 1.  抗利尿ホルモン〈 ADH 〉

    ADH(バソプレシン)は下垂体後葉から分泌され、腎集合管での水再吸収を促して体液量を調節するホルモン。第二次性徴には関与しない。

  2. 2.  黄体形成ホルモン〈 LH 〉

    LHは下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピンで、FSHとともに性腺を刺激して性ホルモン分泌を促し、第二次性徴を発現させる。

  3. × 3.  副甲状腺ホルモン〈 PTH 〉

    PTHは副甲状腺から分泌され、骨吸収促進や腎でのCa再吸収促進により血中カルシウム濃度を上昇させる。性徴には関与しない。

  4. × 4.  甲状腺刺激ホルモン〈 TSH 〉

    TSHは下垂体前葉から分泌され甲状腺ホルモンの分泌を促進する。基礎代謝には強く関与するが第二次性徴の発現には関与しない。

思春期の神経内分泌調節の中心はHPG軸(視床下部-下垂体-性腺軸)である。GnRHが拍動性に分泌されると下垂体からLHとFSHが放出され、男子では精巣のライディッヒ細胞でテストステロンが、女子では卵巣でエストロゲン・プロゲステロンが産生される。男子の第二次性徴は精巣の発育・陰毛発生・変声・骨格筋発達、女子では乳房発育・初経・体脂肪分布の変化として現れる。タナー分類は第二次性徴の進行度を評価する国際的指標であり、臨床で小児看護に関わる際に押さえておきたい。

第二次性徴の内分泌学的機序を問う基本問題。視床下部→下垂体→性腺(HPG軸)という調節経路の中で、下垂体前葉から出るLH・FSHが性腺刺激ホルモンとして中心的役割を果たすことを理解する。