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新生児の生理的体重減少—3〜5日目の底を理解する

看護師国家試験 第112回 午後 第7問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第7問

正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。

  1. 1.生後 3〜 5日
  2. 2.生後 8〜10日
  3. 3.生後13〜15日
  4. 4.生後18〜20日

対話形式の解説

博士 博士

今日は新生児の生理的体重減少について学ぶぞ。お母さんが一番心配する話題のひとつじゃ。

サクラ サクラ

生まれたばかりの赤ちゃんは体重が減るんですか?

博士 博士

うむ、これは『生理的体重減少』といって正常な現象じゃ。出生時体重の3〜10%程度減り、生後3〜5日目に最低値に達する。

サクラ サクラ

なぜ減るんですか?

博士 博士

主な原因は3つ。1つは哺乳量が少ない(生後数日は母乳分泌も少なく、赤ちゃんの胃も小さい)、2つ目は不感蒸泄・胎便・尿などで水分が失われる、3つ目は細胞外液の生理的減少じゃ。

サクラ サクラ

水分出納がマイナスになるんですね。

博士 博士

そうじゃ。その後、母乳分泌が増え、赤ちゃんの哺乳力もついてくると、生後7〜10日頃には出生時体重に戻るのが通常経過じゃ。

サクラ サクラ

お母さんは『母乳が足りないのでは』と心配になりそうです。

博士 博士

よくある相談じゃ。正常な範囲であることを説明し、焦らず授乳を続けるよう支援するのが助産師・看護師の役割じゃ。

サクラ サクラ

何%まで減ると異常ですか?

博士 博士

10%を超える減少は病的と判断する。その場合、母乳不足、尿崩症、副腎皮質機能不全、消化器疾患などを疑い、ミルク補足や精査を検討する。

サクラ サクラ

10日以上経っても戻らなかったら?

博士 博士

それも哺乳不足や疾患のサインじゃ。体重だけでなく、尿回数1日6回以上、排便があるか、皮膚の弾性、活気、哺乳意欲なども併せて総合評価する。

サクラ サクラ

同じ時期に生理的黄疸も出ますよね。

博士 博士

ちょうど重なるのじゃ。生理的黄疸は生後2〜5日でピーク、1〜2週間で軽快する。病的黄疸(生後24時間以内発症、急激な進行、遷延)と区別が重要じゃ。

サクラ サクラ

新生児期は生理的変化が多くて覚えるのが大変です。

博士 博士

時系列で整理するとよいぞ。生後1〜2日:胎便排泄、生後2〜5日:生理的黄疸ピーク、生後3〜5日:体重最低、生後7〜10日:出生時体重回復、生後2週間〜1か月:順調な体重増加、とな。

サクラ サクラ

ビタミンKの投与もこの時期ですよね。

博士 博士

うむ、新生児メレナ・頭蓋内出血を防ぐためビタミンK2シロップを出生時・生後1週・1か月健診の3回投与するのが現行推奨じゃ。以前は2回だったが2019年に3回法に改定された。

サクラ サクラ

新生児ケアは覚えることが多いですが、時期ごとに整理すると見通しが立ちますね。

POINT

正期産の新生児は出生後に生理的体重減少を呈し、出生時体重の3〜10%が減少して生後3〜5日目に最低値に達します。原因は哺乳量不足、不感蒸泄・胎便・尿による水分喪失、細胞外液の生理的減少で、通常は生後7〜10日頃に出生時体重へ復帰します。10%を超える減少や10日を過ぎても体重が戻らない場合は母乳不足や疾患を疑い精査します。同時期に生理的黄疸(生後2〜5日ピーク)も出現し、新生児の生理的変化は時系列で整理すると理解しやすくなります。看護師・助産師は体重・尿回数・排便・活気を総合評価し、保護者に正常経過を説明して授乳支援を行うことが基本的役割です。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。

解説:正解は 1 の生後3〜5日です。生理的体重減少は新生児が出生後に経験する正常な体重変化で、出生時体重の3〜10%程度減少し、通常は生後3〜5日目に最低値に達します。その後、哺乳量の増加に伴って徐々に回復し、生後7〜10日頃(遅くとも2週間以内)に出生時体重に戻るのが通常の経過です。原因は、哺乳による摂取水分量より、不感蒸泄・胎便・尿などによる水分排出量が多いことや、細胞外液量の生理的減少によるものです。

選択肢考察

  1. 1.  生後 3〜 5日

    生理的体重減少の最低値に達する標準的な時期。出生時体重の3〜10%減少がこの時期に起こる。10%を超える減少は病的と判断される。

  2. × 2.  生後 8〜10日

    この時期は出生時体重に戻りつつある、もしくは戻った頃に相当する。最低体重ではない。

  3. × 3.  生後13〜15日

    出生時体重を超えて体重増加期に入っている時期。この時期にまだ出生時体重に戻らない場合は哺乳不足や疾患を疑う。

  4. × 4.  生後18〜20日

    体重は順調に増加しているべき時期で、生理的体重減少とは無関係。

生理的黄疸も同時期(生後2〜5日でピーク、1〜2週間で軽快)に見られ、新生児の生理的変化は時期的に重なる。体重減少が10%を超える、生後10日を過ぎても出生時体重に戻らない場合は、母乳不足、尿崩症、副腎皮質機能不全、消化器疾患などの病的原因を精査する。体重管理は哺乳量(母乳なら授乳回数と時間、ミルクなら量)、尿回数(1日6回以上)、排便回数、皮膚弾性、活気などと併せて評価する。ビタミンK2欠乏による新生児出血症予防のためビタミンK2シロップを出生時・生後1週・1か月健診で3回投与することも重要知識。

新生児の生理的体重減少の最低値到達時期(生後3〜5日)を問う必修問題。出生時体重への復帰時期(1〜2週間)と併せて覚える。