StudyNurse

ハヴィガーストの発達課題—成人期のキーワードは『経済的自立』

看護師国家試験 第112回 午前 第8問 / 必修問題 / 人間の特性とライフサイクル

国試問題にチャレンジ

112回 午前 第8問

ハヴィガースト, R. J.(Havighust, R. J.)が提唱する成人期の発達課題はどれか。

  1. 1.経済的に自立する。
  2. 2.身体的衰退を自覚する。
  3. 3.正、不正の区別がつく。
  4. 4.読み、書き、計算ができる。

対話形式の解説

博士 博士

今回はハヴィガーストの発達課題論から成人期を選ぶ問題じゃ。発達理論は複数あるので、人名と段階を結びつけて覚えることが肝要じゃ。

アユム アユム

ハヴィガーストって、どんな人ですか?

博士 博士

アメリカの教育学者で、生涯を発達段階に分け、各段階で達成すべき『発達課題』を示した先駆者じゃ。1953年に『Human Development and Education』で体系化した。

アユム アユム

何段階に分けたんですか?

博士 博士

6段階じゃ。①乳幼児期(0〜5歳)、②児童期(6〜12歳)、③青年期(13〜18歳)、④成人初期/壮年期(19〜30歳)、⑤中年期(30〜60歳)、⑥老年期(60歳〜)。

アユム アユム

成人期の課題はどんなものがありますか?

博士 博士

配偶者の選択、結婚生活への適応、子育て、職業への適応、経済的自立、家庭の管理、市民的責任、社会集団の選択などじゃ。

アユム アユム

『経済的に自立する』が正解ですね。

博士 博士

その通り。選択肢4つを照らすと、これだけが成人期。他は別の段階の課題じゃ。

アユム アユム

『身体的衰退を自覚する』は?

博士 博士

老年期じゃ。退職と収入減少への適応、配偶者の死への適応、同年代との親密な関係構築、死の受容と並ぶ老年期の中心課題じゃ。

アユム アユム

『正、不正の区別がつく』『読み、書き、計算ができる』は?

博士 博士

前者は乳幼児期、後者は児童期じゃ。選択肢を発達段階に割り振ると綺麗に並ぶ。

アユム アユム

エリクソンの発達段階と混同しそうです。

博士 博士

よく問われる対比じゃ。エリクソンは心理社会的発達を8段階で示し、成人期の課題は『親密性 vs 孤立』、壮年期は『生殖性(世代性) vs 停滞』、老年期は『統合 vs 絶望』じゃ。

アユム アユム

ピアジェは?

博士 博士

ピアジェは認知発達論で、感覚運動期・前操作期・具体的操作期・形式的操作期の4段階。誰が何を提唱したかの混同を狙った問題が多いので要注意じゃ。

アユム アユム

試験でのコツは?

博士 博士

『課題の内容』ではなく『キーワード』で紐付けるとよい。経済的自立=成人、アイデンティティ=青年(エリクソン)、身体的衰退の受容=老年、といった具合に。

アユム アユム

看護実践での意義は?

博士 博士

患者がどの発達段階にいて、どんな課題に取り組んでいるかを理解すると、疾病が生活・人生に与える影響を多面的にアセスメントできる。例えば壮年期の患者には『役割喪失』『家族への影響』の視点が欠かせん。

アユム アユム

発達課題の達成・未達成は次の段階に影響しますか?

博士 博士

ハヴィガーストは達成すれば幸福感と次段階への円滑な移行をもたらし、未達成は次の課題達成を困難にすると考えた。ライフサイクル全体を連続で捉える視点が重要じゃ。

POINT

ハヴィガーストは人生を6段階に分け、それぞれの段階で達成すべき発達課題を示しました。成人期(壮年期〜中年期)の中核課題は『経済的に自立する』『配偶者の選択と結婚生活への適応』『子育て』『職業への適応』『市民的責任』などで、このうち経済的自立は家庭と社会参加の基盤として重要な意味を持ちます。他の選択肢は『身体的衰退の自覚=老年期』『善悪の区別=乳幼児期』『読み書き計算=児童期』とそれぞれ別段階の課題であり、エリクソンやピアジェの理論とあわせて、人名・段階・キーワードの3点セットで整理することが得点力につながります。看護実践では、患者がどの発達段階にあり何の課題に直面しているかを踏まえ、疾病が人生全体に及ぼす影響を多面的にアセスメントする視点が欠かせません。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:ハヴィガースト, R. J.(Havighust, R. J.)が提唱する成人期の発達課題はどれか。

解説:正解は 1 の『経済的に自立する』です。ハヴィガースト(Havighurst, R. J.)は人間の生涯を①乳幼児期、②児童期、③青年期、④成人初期(壮年期)、⑤中年期、⑥老年期の6段階に分け、それぞれに達成すべき発達課題を提示しました。成人期(青年期後期〜壮年期・中年期)には『配偶者の選択・結婚生活への適応』『子どもを育てること』『職業に就き経済的に自立すること』『市民としての責任を果たすこと』『適した社会集団を見出すこと』などが挙げられており、経済的自立はその中核を成します。

選択肢考察

  1. 1.  経済的に自立する。

    成人期(壮年期〜中年期)の発達課題として明示的に挙げられている。職業に就き一定の経済水準を確立・維持することは、家庭や社会参加の基盤となる。

  2. × 2.  身体的衰退を自覚する。

    老年期の発達課題。加齢に伴う身体的衰退や退職、配偶者との死別に適応することが老年期の中心課題として位置付けられる。

  3. × 3.  正、不正の区別がつく。

    乳幼児期の発達課題。善悪の区別を学び良心を発達させることは、道徳性の基礎形成として乳幼児期に位置付けられている。

  4. × 4.  読み、書き、計算ができる。

    児童期の発達課題。基礎学力の獲得は児童期に学校教育を通じて達成される。

発達段階の主要理論は3つ押さえたい。①エリクソン(心理社会的発達):8段階で『乳児期=基本的信頼 vs 不信』『青年期=アイデンティティ vs 役割拡散』『成人期=親密性 vs 孤立』『壮年期=生殖性 vs 停滞』『老年期=統合 vs 絶望』。②ピアジェ(認知発達):感覚運動期・前操作期・具体的操作期・形式的操作期。③ハヴィガースト(発達課題):上記6段階。試験では『誰が提唱した何期の課題か』をクロスで問われるため、人名と段階をセットで覚える。

ハヴィガーストの発達課題論の中で成人期の中核課題を選ぶ問題。エリクソンと混同しやすいので整理が重要。