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保健所と市町村保健センター 役割の違いを押さえよう

看護師国家試験 第103回 午前 第8問 / 必修問題 / 看護の対象と活動の場

国試問題にチャレンジ

103回 午前 第8問

市町村保健センターの業務はどれか。

  1. 1.廃棄物の処理
  2. 2.人口動態統計調査
  3. 3.看護師免許申請の受理
  4. 4.地域住民の健康づくり

対話形式の解説

博士 博士

今日は地域保健の問題じゃ。保健所と市町村保健センター、混同しやすいから違いをはっきり整理しておこう。

アユム アユム

博士、市町村保健センターと保健所って何が違うんですか?

博士 博士

まず根拠法は同じく「地域保健法」じゃが、設置主体と役割が違うんじゃ。保健所は都道府県・指定都市・中核市・特別区が設置し、市町村保健センターは市町村が設置するんじゃよ。

アユム アユム

それぞれの役割の違いは?

博士 博士

保健所は広域的・専門的な保健行政機関じゃ。感染症対策、医療施設の許認可、食品衛生、廃棄物処理の許可、衛生統計、看護師等の免許申請受理などを担う。

アユム アユム

市町村保健センターはもっと住民に近い役割なんですね。

博士 博士

そのとおり。住民にとって最も身近な対人保健サービスの拠点で、健康相談、保健指導、健康診査、健康教育、予防接種、母子保健事業などを行う。だからこの問題の正解は4の地域住民の健康づくりじゃな。

アユム アユム

他の選択肢を確認させてください。1の廃棄物処理は?

博士 博士

産業廃棄物の許認可や監視は保健所や都道府県の環境部門の所管じゃ。一般廃棄物の収集は市町村の環境部門が担当する。いずれも保健センターの業務ではない。

アユム アユム

2の人口動態統計調査は?

博士 博士

人口動態統計は出生・死亡・婚姻・離婚・死産の届出を市町村が受け付け、保健所が取りまとめて都道府県経由で厚生労働省へ送られて公表される。保健センター単独の業務ではないな。

アユム アユム

3の看護師免許申請の受理は?

博士 博士

看護師免許の申請は保健所を経由して厚生労働大臣に提出される仕組みじゃ。これも保健所の業務じゃよ。

アユム アユム

保健所と市町村保健センター、全国にどれくらいあるんですか?

博士 博士

保健所は全国に約470か所、市町村保健センターは約2,400か所じゃ。住民に身近な拠点だから、保健センターの方がずっと多いんじゃよ。

アユム アユム

市町村保健センターでは具体的にどんな事業があるんですか?

博士 博士

母子保健(乳幼児健診、妊婦相談)、成人保健(特定健診後の保健指導、生活習慣病予防)、高齢者保健(介護予防、認知症予防)、感染症予防(予防接種、結核検診)、健康教育、健康相談などじゃな。

アユム アユム

保健師さんもどちらにもいるんですよね?

博士 博士

そう、両方に保健師が配置されておる。市町村保健センターの保健師は地区担当制で、住民の生活に密着した活動をするのが特徴じゃ。家庭訪問なども行うぞ。

アユム アユム

保健所長と保健センター長の違いはありますか?

博士 博士

保健所長は原則として医師(公衆衛生分野の経験者)が就く。保健センター長には特別な要件はなく、保健師等が務めることもある。これも組織の性格の違いを反映しておるな。

アユム アユム

地域保健の構造、すっきり整理できました!

POINT

市町村保健センターは地域保健法第18条に基づき市町村が設置する施設で、地域住民への健康相談・保健指導・健康診査・予防接種・健康教育などの対人保健サービスを総合的に提供する拠点です。本問の正解は4の地域住民の健康づくりです。一方、廃棄物処理の許認可、人口動態統計の取りまとめ、看護師免許申請の受理などは保健所(地域保健法第5条、都道府県等が設置)の業務です。保健所は広域的・専門的・行政的サービス、市町村保健センターは住民身近な対人保健サービス、という役割分担を整理して覚えましょう。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:市町村保健センターの業務はどれか。

解説:正解は 4 です。市町村保健センターは地域保健法(第18条)に基づき市町村が設置できる施設で、地域住民に対する健康相談、保健指導、健康診査などの「対人保健サービス」を総合的に行う拠点です。住民にとって最も身近な保健サービスを提供する場として、母子保健事業(乳幼児健診、妊婦相談)、成人保健事業(特定健診後の保健指導、生活習慣病予防)、高齢者保健事業(介護予防、認知症予防)、感染症予防事業(予防接種、結核検診)、健康教育、健康相談など、幅広い業務を担います。一方、保健所は地域保健法(第5条)に基づき都道府県・指定都市・中核市・特別区などが設置する広域的・専門的な保健行政機関で、人口動態統計の分析、感染症対策(届出受理、疫学調査)、食品衛生・環境衛生、医療施設や薬局の許可監督、廃棄物処理の許可、看護師等医療職の免許申請受理など、より専門的・広域的な業務を担います。本問の選択肢では、1の廃棄物の処理(保健所所管)、2の人口動態統計調査(厚生労働省・市町村→保健所)、3の看護師免許申請の受理(保健所)はいずれも保健所などの業務であり、4の地域住民の健康づくりが市町村保健センターの本来業務となります。

選択肢考察

  1. × 1.  廃棄物の処理

    誤りです。廃棄物(特に産業廃棄物)の許認可や監視指導は保健所や都道府県の環境部門の所管であり、市町村保健センターの業務ではありません。一般廃棄物の収集処理は市町村の環境部門が担当します。

  2. × 2.  人口動態統計調査

    誤りです。人口動態統計(出生・死亡・婚姻・離婚・死産)は市町村が届出を受け付け、保健所が取りまとめて都道府県を経由し厚生労働省が公表する仕組みです。保健センター単独の業務ではありません。

  3. × 3.  看護師免許申請の受理

    誤りです。看護師免許の申請書類は保健所を経由して厚生労働大臣に提出されます。市町村保健センターは免許関連業務を行いません。

  4. 4.  地域住民の健康づくり

    正しい選択肢です。市町村保健センターは住民にとって身近な対人保健サービスを総合的に提供する拠点であり、健康相談・保健指導・健康診査・健康教育・予防接種など、地域住民の健康づくりが本来業務です。

保健所と市町村保健センターの違いを整理しましょう。保健所は地域保健法第5条に基づき、都道府県・指定都市・中核市・政令市・特別区が設置(全国に約470か所)。所長は原則医師。広域的・専門的・行政的サービスを担い、感染症対策、医療監視、衛生統計などを行います。一方、市町村保健センターは地域保健法第18条に基づき市町村が設置(全国に約2,400か所)。住民に身近な対人保健サービスを担い、母子保健、成人保健、健康教育などを行います。保健師は両方に配置されますが、市町村保健センターの保健師は地区担当制で住民との関わりが深いのが特徴です。

市町村保健センターは住民身近な対人保健サービス(健康相談・指導・健診)を担う拠点である。