増える高齢者、減る現役世代 ─ 人口ピラミッドの現在地
看護師国家試験 第109回 午後 第9問 / 必修問題 / 看護の対象と活動の場
国試問題にチャレンジ
平成 29 年( 2017 年)の日本の人口推計で 10 年前より増加しているのはどれか。
- 1.総人口
- 2.年少人口
- 3.老年人口
- 4.生産年齢人口
対話形式の解説
博士
今日は日本の人口動態について学ぶぞ。平成29年時点で、10年前と比べて増えていたのはどれか、わかるかな?
サクラ
総人口は減っているってニュースで聞きます。
博士
その通り。日本の総人口は2008年、平成20年にピーク約1億2808万人に達したあと減少に転じておる。
サクラ
年少人口と生産年齢人口はどうですか?
博士
年少人口は1975年以降、生産年齢人口は1992年のピーク以降、いずれも減少し続けておる。
サクラ
じゃあ増えているのは老年人口だけですね。
博士
そう。1950年以降ずっと増加で、平成29年は約3515万人、高齢化率は27.7%に達しておる。
サクラ
高齢化率の区分ってどうでしたっけ?
博士
WHOなどの分類で、7%超で高齢化社会、14%超で高齢社会、21%超で超高齢社会じゃ。日本は2007年に21%を超え超高齢社会入りした。
サクラ
世界的に見てどのくらいのスピードですか?
博士
高齢化社会から高齢社会への到達が24年と、フランス115年、スウェーデン85年に比べて非常に速い。これが日本の特徴じゃ。
サクラ
2025年問題って聞きますが、これは?
博士
団塊世代(1947〜49年生まれ)が全員75歳以上の後期高齢者となる年じゃ。医療・介護需要が急増する。
サクラ
後期高齢者が増えると何が問題ですか?
博士
要介護リスクが上がり、認知症や複数疾患の併存が増える。医療・介護費の増大と担い手不足が同時に起こるのじゃ。
サクラ
看護師としてはどう関わればいいですか?
博士
地域包括ケアの中で、退院支援、訪問看護、多職種連携の役割がますます大きくなる。フレイル予防や自立支援の視点も欠かせん。
サクラ
統計を覚えるだけでなく、その先の医療体制まで考える必要があるんですね。
博士
その通り。数字の裏にある社会構造と看護の役割を結び付けて考えるのが国試の真髄じゃ。
POINT
平成29年の日本の人口推計では、総人口・年少人口・生産年齢人口はいずれも10年前より減少している一方、老年人口のみが約2746万人から約3515万人へ大きく増加し、高齢化率は27.7%に達しました。日本は2007年に超高齢社会(高齢化率21%超)入りし、団塊世代が全員75歳以上となる2025年問題を控えて医療・介護体制の再編が急務となっています。少子高齢化と総人口減少の同時進行という人口構造の特徴は、看護師が働く現場の需要と役割を大きく規定しており、地域包括ケア、フレイル予防、認知症ケアなど新しい看護実践の重要な背景となります。統計値は毎年更新されるため、厚労省や総務省のデータで最新値を確認する習慣が試験・実務の両面で役立ちます。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:平成 29 年( 2017 年)の日本の人口推計で 10 年前より増加しているのはどれか。
解説:正解は 3 の「老年人口」です。総務省統計局の人口推計によれば、平成29年の日本の総人口は約1億2670万人で、平成23年以降継続的に減少しています。年齢3区分別にみると、年少人口(0〜14歳)は1975年以降一貫して減少、生産年齢人口(15〜64歳)は1992年のピーク以降減少しています。これに対し老年人口(65歳以上)は1950年以降一貫して増加し続けており、平成29年は約3515万人、高齢化率27.7%と過去最高を更新しました。少子高齢化と人口減少が同時進行していることを示すデータです。
選択肢考察
-
× 1. 総人口
総人口は2008年(平成20年)をピークに減少に転じ、平成29年は10年前より約70万人減少している。
-
× 2. 年少人口
年少人口(0〜14歳)は1975年以降減少が続いており、平成29年も10年前比で大きく減少している。
-
○ 3. 老年人口
65歳以上人口は一貫して増加。平成29年は約3515万人で、10年前(2007年)の約2746万人から大きく増加した。
-
× 4. 生産年齢人口
生産年齢人口(15〜64歳)は1992年ピーク後減少が続き、平成29年は10年前より約800万人減少している。
人口の年齢3区分は『年少(0〜14歳)・生産年齢(15〜64歳)・老年(65歳以上)』。高齢化率(老年人口割合)は7%で高齢化社会、14%で高齢社会、21%で超高齢社会と分類され、日本は2007年に21%を超え超高齢社会入り。老年人口はさらに75歳以上の後期高齢者人口の増加が顕著で、2025年には団塊世代が全員75歳以上となる『2025年問題』が医療・介護体制の課題となっている。
日本の人口3区分の推移を把握しているかを問う問題。少子高齢化のもと、増加しているのは老年人口のみという基本構図を押さえる。
「看護の対象と活動の場」の関連記事
-
地域包括支援センターの4つの仕事—地域包括ケアの司令塔
地域包括支援センターの中核業務を問う問題。「総合相談・権利擁護・包括的ケアマネ支援・介護予防ケアマネ」の4本柱…
114回
-
特定機能病院とは何か—医療法が定める病院類型を完全整理
医療法上の病院類型の機能と承認者を問う問題。「特定機能病院=高度医療+研修+厚労大臣承認」の組み合わせを核に…
114回
-
令和元年の平均世帯人員を押さえよう
少子高齢化と単独世帯増加を背景とする日本の平均世帯人員のおおよその水準を問う問題です。
113回
-
日本人はどこで最期を迎えるか
病院中心の医療提供体制を反映した死亡場所の分布と、その最多割合を問う問題です。
113回
-
核家族の定義を整理しよう
核家族の定義と具体的構成を正しく選別できるかを問う基本問題です。
113回