抗癌薬による骨髄抑制を整理しよう
看護師国家試験 第104回 午後 第16問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
抗癌薬の副作用(有害事象)である骨髄抑制を示しているのはどれか。
- 1.嘔吐
- 2.下痢
- 3.神経障害
- 4.白血球減少
対話形式の解説
博士
抗癌薬の骨髄抑制とは何を指すかのう。
アユム
血球がつくられにくくなる状態ですよね。
博士
その通り。赤血球・白血球・血小板すべてが減少するのじゃ。
アユム
選択肢の中ではどれですか。
博士
白血球減少が骨髄抑制の代表症状じゃ。
アユム
嘔吐や下痢は違うのですか。
博士
あれは消化管粘膜への直接障害による消化器症状じゃ。
アユム
神経障害もありますね。
博士
ビンクリスチンやパクリタキセルで起こる末梢神経障害じゃ。
アユム
白血球減少で何が問題ですか。
博士
易感染性じゃ。発熱性好中球減少症は緊急事態じゃのう。
アユム
nadirはいつごろですか。
博士
投与後7〜14日が多いぞ。退院後の観察も重要じゃ。
アユム
血小板減少と赤血球減少も起こりますね。
博士
出血傾向と貧血じゃ。皮下出血や歯肉出血、息切れに注意じゃ。
アユム
看護のポイントは何ですか。
博士
手洗い・うがい、感染兆候の観察、出血予防の生活指導じゃよ。
POINT
骨髄抑制は造血機能低下による白血球・赤血球・血小板の減少で、抗癌薬の代表的有害事象です。中でも白血球減少(好中球減少)は易感染性を招き、発熱性好中球減少症は緊急対応が必要です。嘔吐・下痢・神経障害は別系統の有害事象であり、看護師は症状の出現時期と機序を理解して観察と患者教育を行うことが重要です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:抗癌薬の副作用(有害事象)である骨髄抑制を示しているのはどれか。
解説:正解は 4 です。骨髄は赤血球・白血球・血小板を産生する造血の場であり、抗癌薬がその機能を抑制すると白血球減少を中心とした血球減少症状が出現します。
選択肢考察
-
× 1. 嘔吐
嘔吐は化学受容器引金帯(CTZ)刺激や消化管粘膜障害により起こる消化器症状で、骨髄抑制ではありません。
-
× 2. 下痢
下痢は腸管粘膜上皮の障害による消化器症状であり、骨髄機能の低下とは区別されます。
-
× 3. 神経障害
末梢神経障害は手足のしびれや感覚鈍麻として現れますが、神経系への直接作用であり骨髄抑制とは別の有害事象です。
-
○ 4. 白血球減少
骨髄抑制では好中球を中心とする白血球が早期に減少し、易感染性が問題となります。続いて血小板減少(出血傾向)、赤血球減少(貧血)が出現します。
白血球は寿命が短いため最も早く減少し、投与後7〜14日でnadir(最低値)となります。発熱性好中球減少症(FN)は緊急対応が必要で、好中球500/μL未満かつ38℃以上で広域抗菌薬を開始します。
抗癌薬の有害事象を分類し、骨髄抑制=血球減少の意味を理解する問題です。
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