モルヒネの副作用を押さえよう
看護師国家試験 第107回 午後 第20問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
モルヒネの副作用( 有害事象 )はどれか。
- 1.出血
- 2.便秘
- 3.高血圧
- 4.粘膜障害
対話形式の解説
博士
今日は医療用麻薬モルヒネの副作用について学ぶのじゃ
アユム
モルヒネはがん性疼痛で使う強オピオイドですよね
博士
その通り。μ受容体を介して鎮痛効果を発揮するのじゃ
アユム
副作用は便秘、悪心嘔吐、眠気の3つが有名です
博士
よく覚えておるな。その中で持続するのはどれじゃ
アユム
便秘です。耐性ができにくいと習いました
博士
その通りじゃ。だから緩下剤を予防的に併用するのじゃ
アユム
酸化マグネシウムやセンノシド、最近はナルデメジンですよね
博士
さよう、末梢性μ受容体拮抗薬じゃな
アユム
悪心嘔吐や眠気はどうですか
博士
数日から1週間で耐性ができ軽快するのじゃ
アユム
呼吸抑制が怖い副作用ですよね
博士
うむ、過量投与で生じ拮抗薬はナロキソンじゃ
アユム
選択肢の出血や高血圧、粘膜障害はモルヒネには該当しませんね
博士
その通り。出血は抗凝固薬、粘膜障害は抗がん薬の副作用じゃ
アユム
モルヒネはむしろ血管拡張で血圧が下がることがあるんですね
博士
さよう。がんの痛みには早期から適切に使うことで患者のQOL向上につながる
POINT
モルヒネの主要副作用は便秘・悪心嘔吐・眠気の三大症状で、本問の正解は便秘です。便秘は腸管μ受容体刺激で約80〜90%に生じ耐性ができにくいため、緩下剤を予防的に併用するのが標準管理です。悪心嘔吐と眠気は数日から1週間で耐性が形成され軽快します。呼吸抑制は過量時の重篤副作用で拮抗薬はナロキソンです。出血・粘膜障害・高血圧はモルヒネの副作用ではなく、他の薬剤(抗凝固薬・抗がん薬・ステロイド等)と区別しましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:モルヒネの副作用( 有害事象 )はどれか。
解説:正解は 2 です。モルヒネはオピオイドμ受容体を介して鎮痛作用を発揮しますが、消化管のμ受容体刺激により腸管運動が低下し、患者の約80〜90%に便秘を生じます。便秘は耐性ができにくく長期持続するため、投与開始時から緩下剤の予防投与が原則です。
選択肢考察
-
× 1. 出血
出血は抗血栓薬(アスピリン・ワルファリン・ヘパリン等)や血小板減少の代表的副作用で、モルヒネには凝固系への作用はありません。
-
○ 2. 便秘
オピオイドは腸管のμ受容体を刺激して蠕動を抑制し、約80〜90%に便秘を引き起こします。耐性ができにくいため緩下剤(酸化マグネシウム、センノシド、ナルデメジン等)を予防的に併用します。
-
× 3. 高血圧
モルヒネは血管拡張とヒスタミン遊離作用で、むしろ血圧低下を起こすことがあります。高血圧はステロイドやNSAIDs、抗コリン薬などの副作用として知られます。
-
× 4. 粘膜障害
口内炎や消化管粘膜障害は抗がん薬や放射線治療の代表的副作用で、モルヒネには見られません。
モルヒネの三大副作用は便秘・悪心嘔吐・眠気で、他に呼吸抑制・排尿障害・掻痒感・せん妄があります。悪心嘔吐と眠気は数日〜1週間で耐性ができ軽快しますが、便秘は持続するため緩下剤の併用が標準管理です。呼吸抑制への拮抗薬はナロキソンです。
モルヒネ副作用の代表は便秘。悪心嘔吐・眠気は耐性形成するが便秘は持続、緩下剤予防併用が原則。
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