抗癌薬と骨髄抑制
看護師国家試験 第108回 午前 第15問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理
国試問題にチャレンジ
骨髄抑制が出現するのはどれか。
- 1.麻薬
- 2.利尿薬
- 3.抗癌薬
- 4.強心薬
対話形式の解説
博士
今日は骨髄抑制を起こす薬を見極める問題じゃ。がん看護に直結するテーマじゃぞ。
サクラ
骨髄抑制とはどういう状態ですか。
博士
骨髄で造血が妨げられ、白血球・赤血球・血小板が減る状態のことじゃ。それぞれ感染、貧血、出血というリスクにつながる。
サクラ
なぜ抗癌薬で起こるんですか。
博士
化学療法は細胞分裂の盛んな細胞を狙うため、癌細胞だけでなく骨髄の造血幹細胞や前駆細胞もダメージを受ける。細胞回転が速い毛根や消化管粘膜もやられやすいので、脱毛や口内炎が出るのも同じ理由じゃ。
サクラ
だから正解は3の抗癌薬ですね。
博士
そうじゃ。典型的には投与から7〜14日でNadir(最低値)を迎える。白血球は特に好中球減少に注意が必要で、500/μL未満だと重症感染の危険性が跳ね上がる。
サクラ
他の選択肢との違いを整理したいです。
博士
1の医療用麻薬は便秘・悪心・眠気・呼吸抑制が代表。骨髄抑制は主作用ではないぞ。
サクラ
2の利尿薬はどうですか。
博士
脱水や電解質異常、低カリウム血症、聴覚障害などが主で骨髄抑制は通常来たさない。
サクラ
4の強心薬は。
博士
ジギタリスなら不整脈、視覚異常、消化器症状、カテコラミンなら頻脈や血圧変動が中心で、骨髄には直接作用しないのじゃ。
サクラ
化学療法中の看護で特に注意することは何ですか。
博士
まず感染対策じゃ。手指衛生、マスク、生野菜や生肉を避ける食事、口腔ケアを徹底する。発熱性好中球減少症が疑われたら緊急で抗菌薬投与とG-CSFの検討じゃ。
サクラ
血小板減少のときは。
博士
5万/μL未満で出血傾向、1〜2万/μLで自発性出血のリスクがあるので輸血を考慮する。看護では軟毛歯ブラシ、電気シェーバー、ぶつけない環境整備、便秘予防が重要じゃ。
サクラ
貧血症状への援助はどうすれば。
博士
7g/dL未満で輸血が一般的。倦怠感や動悸に配慮し、転倒防止と休息の確保が大事じゃ。患者・家族への副作用説明も忘れずにな。
サクラ
骨髄抑制の把握は化学療法看護の基本ですね。
博士
そのとおり。血球の推移を理解して先回りのケアをすることが、安全ながん看護につながるのじゃ。
POINT
骨髄抑制は造血機能低下により白血球・赤血球・血小板が減少する状態で、細胞分裂の速い骨髄細胞を障害する抗癌薬で高頻度に出現します。投与後7〜14日のNadirに向け感染・出血・貧血に注意し、発熱性好中球減少症や血小板減少時の輸血基準を理解することが重要です。麻薬・利尿薬・強心薬は副作用プロファイルが異なるため、薬理ごとの主要副作用とあわせて整理しましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:骨髄抑制が出現するのはどれか。
解説:正解は 3 です。骨髄抑制は骨髄での造血機能が低下し、白血球・赤血球・血小板が減少する状態を指します。抗癌薬(化学療法薬)は細胞分裂の盛んな細胞を標的とするため、癌細胞とともに骨髄の造血幹細胞・前駆細胞もダメージを受け、投与後7〜14日でNadir(最低値)を迎えるのが典型です。結果として好中球減少による感染、血小板減少による出血、赤血球減少による貧血が出現します。
選択肢考察
-
× 1. 麻薬
医療用麻薬(オピオイド)の主な副作用は便秘・悪心・眠気・呼吸抑制で、骨髄抑制は主作用ではありません。
-
× 2. 利尿薬
利尿薬は電解質異常・脱水・低血圧が代表的副作用で、骨髄抑制は通常起こしません。
-
○ 3. 抗癌薬
細胞分裂の速い骨髄細胞を障害するため、化学療法では高頻度で骨髄抑制が生じます。
-
× 4. 強心薬
強心薬(ジギタリス・カテコラミンなど)の副作用は不整脈や消化器症状が中心で、骨髄抑制は起こしません。
抗癌薬による骨髄抑制では好中球500/μL未満で重症感染リスクが急上昇し、発熱性好中球減少症として抗菌薬の即時投与とG-CSF製剤を考慮します。血小板は5万/μL未満で出血リスクが増し、1〜2万/μLで自発性出血のリスクとなるため血小板輸血を検討します。赤血球は7g/dL未満で輸血適応が一般的です。看護では感染対策(手洗い・マスク・生もの制限)、出血予防(歯ブラシ軟毛・剃刀禁止)、倦怠感への援助がポイントです。
抗癌薬の代表的副作用である骨髄抑制を識別する問題で、他の薬剤の主な副作用との区別が問われます。
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