StudyNurse

ステロイドの作用と副作用を整理しよう

看護師国家試験 第108回 午前 第24問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第24問

副腎皮質ステロイドの作用はどれか。

  1. 1.体重の減少
  2. 2.血糖の低下
  3. 3.血圧の低下
  4. 4.免疫の促進
  5. 5.炎症の抑制

対話形式の解説

博士 博士

今日は副腎皮質ステロイドの話じゃ。多くの疾患に使われる重要な薬じゃが、作用と副作用をきちんと区別できるかの?

アユム アユム

抗炎症作用が有名ですよね。リウマチとか喘息の治療で使うと聞きました。

博士 博士

そうじゃ。正解は5の炎症の抑制じゃな。ステロイドはホスホリパーゼA2を阻害してアラキドン酸代謝経路を抑え、プロスタグランジンやロイコトリエンの産生を減らす。さらに炎症性サイトカインも抑えるんじゃ。

アユム アユム

強力そうですね。

博士 博士

そうなんじゃが、その強さゆえに副作用も多いんじゃよ。

アユム アユム

1の体重減少はむしろ逆ですよね?

博士 博士

そう、食欲亢進と中心性肥満、水分貯留で体重は増加する。満月様顔貌や水牛様肩も典型的じゃ。

アユム アユム

2の血糖低下は?

博士 博士

肝臓での糖新生を促進し、末梢でインスリン抵抗性を高めるため血糖は上昇する。ステロイド糖尿病と呼ばれるんじゃ。

アユム アユム

3の血圧低下は?

博士 博士

ミネラルコルチコイド様作用でナトリウムと水を貯留し、血管のカテコラミン感受性も上がるため血圧は上昇する。

アユム アユム

4の免疫促進は?

博士 博士

リンパ球の機能を抑え、アポトーシスも誘導するから免疫は抑制される。だから膠原病や移植後管理に使えるが、易感染性という副作用も伴うんじゃよ。

アユム アユム

副作用の覚え方はありますか?

博士 博士

満月様顔貌、中心性肥満、高血糖、高血圧、骨粗鬆症、易感染性、消化性潰瘍、精神症状、白内障緑内障…と語呂で覚えるのもよいじゃろう。

アユム アユム

長期使用時の注意点は?

博士 博士

突然中止すると副腎不全を起こすので必ず漸減する。骨粗鬆症予防にビスホスホネート、易感染対策にワクチンなども考慮するんじゃ。

アユム アユム

適応疾患も幅広いですね。

博士 博士

自己免疫疾患、アレルギー、悪性リンパ腫、ネフローゼ症候群、移植後拒絶反応予防など多岐にわたる。用量や投与期間に応じた副作用モニタリングが看護の重要ポイントじゃ。

POINT

副腎皮質ステロイドはホスホリパーゼA2阻害と炎症性サイトカイン抑制により強力な抗炎症・免疫抑制作用を示し、膠原病・アレルギー・移植後管理などに用いられます。副作用として中心性肥満、高血糖、高血圧、骨粗鬆症、易感染性、消化性潰瘍、精神症状、白内障緑内障、副腎不全などが生じ、体重増加・血糖上昇・血圧上昇・免疫抑制が特徴です。長期投与後は漸減が必須で、骨粗鬆症・感染予防対策も重要です。治療効果と副作用を同じ薬理作用の両面として理解することが鍵です。

解答・解説

正解は 5 です

問題文:副腎皮質ステロイドの作用はどれか。

解説:正解は 5 です。副腎皮質ステロイド(グルココルチコイド)は、炎症性サイトカインの産生抑制、ホスホリパーゼA2阻害によるプロスタグランジン・ロイコトリエン産生抑制、血管透過性の低下、好中球・リンパ球・マクロファージの機能抑制など、多彩な機序で強力な抗炎症作用を発揮します。自己免疫疾患、アレルギー疾患、悪性リンパ腫、移植後拒絶反応予防など広範囲に用いられる一方、副作用も多く慎重な管理が必要です。

選択肢考察

  1. × 1.  体重の減少

    食欲亢進、中心性肥満、水分貯留により体重は増加します。満月様顔貌(ムーンフェイス)や水牛様肩も典型的な所見です。

  2. × 2.  血糖の低下

    肝臓での糖新生促進と末梢組織でのインスリン抵抗性増大により血糖は上昇します。ステロイド糖尿病を誘発することがあります。

  3. × 3.  血圧の低下

    ミネラルコルチコイド様作用によるナトリウム・水分貯留、カテコラミン感受性亢進により血圧は上昇します。

  4. × 4.  免疫の促進

    リンパ球の機能抑制・アポトーシス誘導により免疫は抑制されます。この作用を利用して自己免疫疾患や移植後管理に用いますが、易感染性という副作用にもつながります。

  5. 5.  炎症の抑制

    ステロイドはホスホリパーゼA2阻害によるアラキドン酸代謝経路の抑制や炎症性サイトカイン抑制などを介して強力な抗炎症作用を発揮し、これが主治療効果となります。

主な副作用は易感染性、糖尿病、骨粗鬆症、消化性潰瘍、高血圧、電解質異常、精神症状、白内障・緑内障、中心性肥満、副腎不全(長期使用後の突然中止は危険)、成長障害(小児)などです。長期投与後は徐々に漸減し副腎機能を回復させる必要があります。骨粗鬆症予防のためビスホスホネートの併用、易感染対策として肺炎球菌ワクチンなども考慮します。

副腎皮質ステロイドの主な薬理作用と副作用パターンを問う必修問題で、治療効果と副作用の区別が問われます。