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初回通過効果ってどこで起こる?

看護師国家試験 第110回 午後 第17問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理

国試問題にチャレンジ

110回 午後 第17問

経口投与後の薬物が初回通過効果を受ける場所はどれか。

  1. 1.
  2. 2.肝臓
  3. 3.小腸
  4. 4.腎臓

対話形式の解説

博士 博士

今日は薬物動態じゃ。初回通過効果が起こる場所はどこか知っておるか?

サクラ サクラ

肝臓ですね。

博士 博士

正解じゃ。経口薬は消化管から吸収されて門脈を通り、まず肝臓で代謝を受けるからじゃ。

サクラ サクラ

肝臓のどんな酵素が関わるのですか。

博士 博士

シトクロムP450、特にCYP3A4が代表じゃ。薬物代謝酵素の中核を担っておる。

サクラ サクラ

初回通過効果で血中濃度はどう変わるのでしょう。

博士 博士

有効成分の多くが分解されるから、全身に到達する量はかなり減るのじゃ。

サクラ サクラ

バイオアベイラビリティが下がるということですね。

博士 博士

そうじゃ。だから経口と静注で投与量が違う薬もあるのじゃ。

サクラ サクラ

初回通過効果を避ける投与法はありますか。

博士 博士

舌下錠、坐薬、貼付剤、注射などじゃ。ニトログリセリンの舌下錠は有名じゃな。

サクラ サクラ

腎臓は排泄の臓器で代謝とは違いますね。

博士 博士

そうじゃ。肝臓は代謝、腎臓は排泄と覚えておこう。

サクラ サクラ

小腸でも少し代謝されると聞きました。

博士 博士

小腸粘膜にもCYP3A4があり、近年注目されておる。グレープフルーツジュースでの薬物相互作用の舞台じゃ。

サクラ サクラ

薬の飲み合わせにも関わるんですね。

POINT

経口薬は小腸から吸収され門脈を経由して肝臓で初回通過効果を受けます。シトクロムP450による代謝で血中濃度が低下し、経口投与量が多くなる要因となります。舌下・経皮・坐薬・注射はこの効果を回避できます。薬物動態を理解することで投与経路選択や相互作用の予測に役立ちます。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:経口投与後の薬物が初回通過効果を受ける場所はどれか。

解説:正解は2の肝臓です。初回通過効果とは、経口薬が消化管から吸収されて全身循環に入る前に門脈を経由して肝臓で代謝を受ける現象を指します。

選択肢考察

  1. × 1.  胃

    胃では薬物は崩壊・溶解されますが、主な代謝部位ではありません。酸に弱い薬物は腸溶性コーティングで胃酸による分解を避けます。

  2. 2.  肝臓

    小腸から吸収された薬物は門脈を経て肝臓に運ばれ、シトクロムP450などの酵素で代謝されます。これにより全身に到達する有効成分量が減少することを初回通過効果と呼びます。

  3. × 3.  小腸

    小腸は薬物吸収の主要部位です。近年は小腸粘膜のCYP3A4による代謝も認識されていますが、伝統的に初回通過効果は肝臓での代謝を指します。

  4. × 4.  腎臓

    腎臓は薬物と代謝産物の排泄に関与する臓器で、初回通過効果の場所ではありません。腎機能低下時は投与量調整が必要です。

初回通過効果が大きい薬物ではバイオアベイラビリティが低くなり、経口投与量が静注に比べて多くなります。舌下投与(ニトログリセリン)、経皮投与、坐薬、注射などは初回通過効果を回避できるため、効率的な血中濃度上昇が期待できます。

経口薬の吸収・代謝経路を理解し、初回通過効果の概念が臨床に及ぼす影響を問う問題です。