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モルヒネの副作用、最重要は『便秘』!緩和ケアで必ず押さえる知識

看護師国家試験 第112回 午後 第16問 / 必修問題 / 薬物の作用と管理

国試問題にチャレンジ

112回 午後 第16問

モルヒネの副作用(有害事象)はどれか。

  1. 1.出血
  2. 2.難聴
  3. 3.便秘
  4. 4.骨髄抑制

対話形式の解説

博士 博士

今日はモルヒネの副作用を学ぶぞい。がん疼痛緩和の主役薬じゃから、副作用対策は看護の必須知識じゃ。

アユム アユム

モルヒネってオピオイドの代表ですよね。

博士 博士

そうじゃ。μ受容体を介して強力に痛みを抑える。適切に使えば依存は起こりにくいから、がん患者の苦痛緩和に積極的に使われる。

アユム アユム

副作用はどんなものがありますか?

博士 博士

主要なのは『便秘・悪心嘔吐・眠気・呼吸抑制・せん妄・排尿障害・掻痒感・口渇』じゃ。この中で最も頻度が高く、かつ耐性がつきにくいのは?

アユム アユム

うーん、便秘?

博士 博士

大正解!便秘はほぼ100%出現し、しかも使い続けても慣れてくれない。だから開始と同時に緩下薬を併用するのが鉄則じゃ。

アユム アユム

酸化マグネシウムとかですか?

博士 博士

そう、酸化マグネシウムやセンノシドが定番。最近はオピオイド誘発性便秘症に特化したナルデメジン(スインプロイク)も使われる。末梢性μ受容体拮抗薬で鎮痛効果を損なわずに便秘を改善できる優れものじゃ。

アユム アユム

悪心や眠気は?

博士 博士

投与開始数日〜1週間で耐性ができて軽減することが多い。それまでは制吐薬(プロクロルペラジンなど)を併用する。眠気は休息の機会と捉えつつ、患者のQOLに応じて対応する。

アユム アユム

呼吸抑制が一番怖そうですが。

博士 博士

その通り。過量投与で呼吸回数が低下し、最悪の場合呼吸停止に至る。そのときは拮抗薬のナロキソンを使う。ただし適切な用量調整下では頻度は低い。

アユム アユム

骨髄抑制や難聴は?

博士 博士

どちらもモルヒネでは起こらない。骨髄抑制は抗がん薬や放射線治療で、難聴はアミノグリコシド系抗菌薬やシスプラチンで起こる。混同しないように。

アユム アユム

出血もモルヒネでは起こらないんですね。

博士 博士

そう、出血傾向はワルファリンやアスピリンなどの抗血栓薬の副作用じゃ。

アユム アユム

緩和ケアで看護師が気をつけることは?

博士 博士

痛みの評価(NRSやSTAS-J)、副作用モニタリング、レスキュー薬の適切な使用、患者・家族への心理社会的支援じゃな。特に『痛みを我慢させない』という姿勢が大切じゃ。

アユム アユム

モルヒネ=便秘、しっかり覚えて予防対策できるようにします!

POINT

モルヒネはμオピオイド受容体を介して強力な鎮痛効果を発揮する医療用麻薬で、がん疼痛緩和の主要薬剤としてWHO方式3段階除痛ラダーの第3段階に位置づけられています。代表的な副作用は便秘・悪心嘔吐・眠気・呼吸抑制・せん妄・排尿障害・掻痒感などで、中でも便秘は耐性がほとんどつかないため投与開始と同時に酸化マグネシウムやナルデメジンなどで予防的対策が必須です。悪心嘔吐や眠気は数日〜1週間で耐性が形成されて軽減する一方、呼吸抑制は過量投与時に致命的となり得るため拮抗薬ナロキソンの存在も押さえておきます。選択肢にある出血は抗血栓薬、難聴はアミノグリコシド系抗菌薬・白金製剤、骨髄抑制は抗がん薬の副作用であり、薬剤ごとの有害事象プロファイルを区別して記憶しておくことが看護業務上も国家試験対策としても重要です。

解答・解説

正解は 3 です

問題文:モルヒネの副作用(有害事象)はどれか。

解説:正解は 3 です。モルヒネはオピオイド受容体(主にμ受容体)に作用する強力な鎮痛薬で、中枢神経抑制と消化管運動抑制を主な副作用としてもたらします。特に便秘はほぼ必発で耐性もつきにくいため、モルヒネ開始と同時に緩下薬を予防的に併用するのが緩和ケアの標準対応です。

選択肢考察

  1. × 1.  出血

    モルヒネに出血を起こす作用はない。出血傾向はアスピリンなどの抗血小板薬、ワルファリン・ヘパリン・DOACなどの抗凝固薬の副作用として現れる。

  2. × 2.  難聴

    モルヒネでは起こらない。薬剤性難聴の代表はアミノグリコシド系抗菌薬(ストレプトマイシンなど)、白金製剤(シスプラチン)、ループ利尿薬(フロセミド)、アスピリン大量投与など。

  3. 3.  便秘

    モルヒネはμ受容体を介して腸管蠕動を抑制し、分泌を減らし水分吸収を促進するためほぼ必発。耐性形成もほとんどないため、投与開始と同時に酸化マグネシウムやナルデメジンなどで予防する。

  4. × 4.  骨髄抑制

    モルヒネの副作用ではない。骨髄抑制は抗がん薬や放射線治療、一部の抗菌薬(クロラムフェニコール)などで生じる代表的有害事象。

モルヒネの代表的副作用は『便秘・悪心嘔吐・眠気・呼吸抑制・せん妄・排尿障害・掻痒感・口渇』。便秘と掻痒感はほぼ耐性がつかず継続対策が必要、悪心嘔吐と眠気は数日〜1週間で軽減する耐性形成がある。呼吸抑制は過量投与時に致死的になり得るため、拮抗薬ナロキソンを使う。がん疼痛ではWHO方式3段階除痛ラダーに沿って投与し、NRSやSTAS-Jで鎮痛効果を評価する。

オピオイドの主要副作用、特に『便秘は必発』を確実に押さえる。抗がん薬・抗菌薬などの副作用と混同しない。