国保の保険者は誰?2018年改革で変わった医療保険制度
看護師国家試験 第114回 午後 第4問 / 必修問題 / 看護で活用する社会保障
国試問題にチャレンジ
国民健康保険の保険者に含まれるのはどれか。
- 1.後期高齢者医療広域連合
- 2.共済組合
- 3.都道府県
- 4.国
対話形式の解説
博士
今日は国民健康保険の保険者について学ぶぞ。保険者と被保険者の違いは大丈夫かな?
アユム
保険者は保険を運営する側で、被保険者は加入者ですよね。
博士
その通り。では国民健康保険の保険者は誰じゃ?
アユム
えーと…市町村ですか?昔そう習った気がします。
博士
惜しい。実は2018年(平成30年)4月に大きな制度改革があって、都道府県が新たに保険者に加わったのじゃ。
アユム
都道府県と市町村の両方ですか?
博士
そうじゃ。都道府県が財政運営の責任主体になり、市町村が保険料徴収や資格管理、保健事業を担う。役割分担して共同運営する形になったのじゃ。
アユム
どうしてそんな改革をしたんですか?
博士
市町村単位だと小規模自治体ほど財政が不安定じゃった。高齢者や低所得者が多い市町村では国保財政が苦しく、都道府県単位に広げて財政基盤を強化したのじゃ。
アユム
他の選択肢も整理しておきたいです。後期高齢者医療広域連合は?
博士
75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険者じゃ。都道府県単位で全市町村が加入する特別地方公共団体として運営される。
アユム
共済組合は?
博士
国家公務員、地方公務員、私立学校教職員などの被用者保険じゃ。国民健康保険とは別の制度。
アユム
国はなぜ保険者にならないんですか?
博士
国は制度設計や財政支援は行うが、保険を直接運営する主体にはならない。これは社会保険の基本構造じゃ。
アユム
日本の医療保険って種類が多くて混乱します。
博士
大きく3つに分けるとよい。被用者保険(会社員・公務員)、国民健康保険(自営業など)、後期高齢者医療制度(75歳以上)じゃ。
アユム
それぞれの保険者をセットで覚えるのが大事ですね。
博士
その通り。国試では制度名と保険者の組み合わせがよく問われる。表にまとめて暗記するとよいぞ。
アユム
看護師として患者さんの保険証を見るときも、こうした制度理解が役に立ちそうです。
POINT
国民健康保険の保険者は、2018年(平成30年)4月の制度改革により、都道府県と市町村が共同で担うことになりました。都道府県は財政運営の責任主体として国保財政の安定化を図り、市町村は資格管理・保険料徴収・保健事業など住民に身近な業務を担います。これは小規模市町村の財政不安定さを解消し、保険者機能を強化するための改革でした。後期高齢者医療制度の保険者は後期高齢者医療広域連合、共済組合は被用者保険であり、それぞれ別制度です。看護師は患者の医療保険制度を理解することで、医療費の自己負担や高額療養費制度などの説明に的確に対応できるようになります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:国民健康保険の保険者に含まれるのはどれか。
解説:正解は 3 です。国民健康保険(国保)は、自営業者、農林漁業従事者、無職者など被用者保険に加入していない人を対象とする公的医療保険です。2018年(平成30年)4月の国保制度改革により、それまで市町村単位で運営されていた国保の財政運営は都道府県に移管され、都道府県と市町村が共同で保険者となりました。都道府県が財政運営の責任主体、市町村が資格管理・保険料徴収・保健事業等を担う仕組みです。
選択肢考察
-
× 1. 後期高齢者医療広域連合
75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度の保険者であり、国民健康保険の保険者ではない。
-
× 2. 共済組合
国家公務員・地方公務員・私立学校教職員などを対象とする被用者保険(共済組合)の保険者。国保とは別制度。
-
○ 3. 都道府県
2018年の国保制度改革以降、都道府県が市町村とともに国民健康保険の保険者となっている。財政運営の責任主体は都道府県。
-
× 4. 国
国は保険制度の制度設計や財政支援を行うが、保険者にはならない。
日本の公的医療保険は大きく「被用者保険(健康保険・共済組合・船員保険など)」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3つに分けられる。それぞれの保険者を整理すると、健康保険:全国健康保険協会(協会けんぽ)または健康保険組合、共済組合:各共済組合、国民健康保険:都道府県+市町村(または国民健康保険組合)、後期高齢者医療制度:後期高齢者医療広域連合(都道府県単位)となる。2018年の都道府県単位化は国保制度のなかで非常に重要な改革で、国試でも頻出。
国民健康保険の保険者を問う問題。2018年の制度改革で都道府県が保険者に加わった点が出題のポイント。
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