高齢者の不眠を招く生活習慣
看護師国家試験 第113回 午後 第51問 / 老年看護学 / 高齢者の生活を支える看護
国試問題にチャレンジ
高齢者の不眠の要因はどれか。
- 1.午前中に日光浴をする。
- 2.昼食後に30分程度の午睡をする。
- 3.就寝直前に42℃以上の風呂に入る。
- 4.就寝前に100mL程度のホットミルクを飲む。
対話形式の解説
博士
今日は高齢者の不眠の原因を考えてみよう。
サクラ
眠りが浅くなる方が多いですよね。
博士
そうじゃ。加齢で睡眠は浅く短くなる傾向があるのじゃ。
サクラ
朝日を浴びるのは良いのですか?
博士
うむ、メラトニンリズムを整えるから推奨されるぞ。
サクラ
昼寝はどうでしょう。
博士
午後3時までに30分以内であれば問題ない。むしろリフレッシュになる。
サクラ
長時間や夕方の昼寝は逆効果ですね。
博士
その通りじゃ。では入浴はどう考える?
サクラ
熱いお風呂で体をしっかり温めると眠れる気がします。
博士
実は逆じゃ。42℃以上の高温入浴は交感神経を刺激し、深部体温の下降を妨げるのじゃ。
サクラ
入眠には体温が下がる必要があるのですね。
博士
そうじゃ。40℃前後で就寝1〜2時間前に入るのが理想じゃ。
サクラ
ホットミルクは?
博士
少量ならリラックス効果があって良いぞ。量が多いと夜間頻尿になるから注意じゃ。
サクラ
生活リズム全体を整える視点が大事ですね。
POINT
高齢者の不眠対策では、朝の光曝露・短時間の午睡・ぬるめの入浴・就寝前の少量の温飲など、睡眠衛生の基本を押さえることが重要です。逆に42℃以上の高温入浴を就寝直前に行うと深部体温の下降が妨げられ、入眠困難を招きます。薬物療法の前に生活習慣を見直す視点を大切にしましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:高齢者の不眠の要因はどれか。
解説:正解は3の「就寝直前に42℃以上の風呂に入る」です。高温入浴は交感神経を刺激して深部体温を急上昇させ、その後の体温下降を遅らせるため、入眠に必要な体温低下のカーブを妨げます。就寝1〜2時間前に40℃前後のぬるめの湯で入浴するのが、入眠と深睡眠の確保に望ましいとされています。
選択肢考察
-
× 1. 午前中に日光浴をする。
朝の光はメラトニンリズムをリセットし、夜間の自然な眠気を誘導します。高齢者の睡眠改善にはむしろ推奨される生活習慣です。
-
× 2. 昼食後に30分程度の午睡をする。
午後3時までの30分以内の短い昼寝は覚醒度を高め、夜間睡眠に悪影響を与えにくいとされます。長時間・夕方の昼寝は避ける必要があります。
-
○ 3. 就寝直前に42℃以上の風呂に入る。
高温入浴は交感神経を刺激し深部体温を上昇させるため、入眠のための体温低下過程を阻害します。結果として寝つきが悪くなり不眠の原因となります。
-
× 4. 就寝前に100mL程度のホットミルクを飲む。
少量の温かい飲み物はリラックス効果があり、入眠を助けます。多量の水分は夜間頻尿を招くため量に配慮すれば不眠の要因にはなりません。
高齢者の不眠対策では、就寝前のカフェイン・喫煙・強い光を避け、規則正しい起床時刻、適度な日中活動、寝室の温度・光環境調整を行うことが基本です。睡眠薬に頼る前に、まず睡眠衛生指導を優先します。
高齢者に推奨される睡眠衛生と、不眠を招く生活習慣を識別できるかを問う問題です。
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