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国民生活基礎調査から読む介護者の姿

看護師国家試験 第108回 午前 第69問 / 老年看護学 / 高齢者の家族への支援

国試問題にチャレンジ

108回 午前 第69問

平成28年(2016年)の国民生活基礎調査において、要介護者等のいる世帯に同居している主な介護者全数の特徴で正しいのはどれか。

  1. 1.性別は女性が多い。
  2. 2.続柄は子が最も多い。
  3. 3.年齢は70〜79歳が最も多い。
  4. 4.介護時間は「ほとんど終日」が最も多い。

対話形式の解説

博士 博士

今日は平成28年国民生活基礎調査における要介護者等のいる世帯の同居介護者について学ぶぞ。国試頻出の統計問題じゃ。

サクラ サクラ

博士、介護者にはどんな特徴があるんですか?

博士 博士

この問題の正解は1番「性別は女性が多い」じゃ。女性が66.0%、男性が34.0%で、女性が約2/3を占めているんじゃ。

サクラ サクラ

なぜ女性が多いんですか?

博士 博士

歴史的に家庭内ケアの役割が女性に偏ってきたこと、妻が夫を介護する、娘が親を介護する、息子の妻が義理の親を介護するといった構造が背景にあるんじゃ。

サクラ サクラ

選択肢2の「続柄は子が最も多い」は?

博士 博士

これは誤りじゃ。続柄の最多は「配偶者」で25.2%、次いで「子」21.8%、「子の配偶者」9.7%の順じゃ。配偶者同士の老老介護が最多なんじゃ。

サクラ サクラ

老老介護とは何ですか?

博士 博士

65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者を介護する状態じゃ。近年は約6割を超え、認認介護(認知症の高齢者が認知症の配偶者を介護する)も増加しておる深刻な問題じゃ。

サクラ サクラ

選択肢3の「年齢は70〜79歳が最多」は?

博士 博士

これも誤り。男女とも「60〜69歳」が最多で、男性28.5%、女性33.1%じゃ。ただし70歳以上の介護者も増加傾向にあり、今後さらに高齢化することが見込まれるぞ。

サクラ サクラ

選択肢4の「介護時間は『ほとんど終日』が最多」は?

博士 博士

介護者全数でみると「必要なときに手をかす程度」が最多なんじゃ。ただし要介護度別にみると、要介護3以上では「ほとんど終日」が最多になるので注意じゃ。

サクラ サクラ

要介護度で介護時間が大きく違うんですね。

博士 博士

その通り。要支援1から要介護2までは軽介助、要介護3以上では終日介護という傾向が明確じゃ。看護師は在宅ケアプランを立てる際に介護者の負担も考慮する必要があるぞ。

サクラ サクラ

介護者の負担軽減にはどんな制度がありますか?

博士 博士

レスパイトケアといって、ショートステイやデイサービスなどで介護者の休息を確保する仕組みがある。介護保険のサービスを組み合わせて負担軽減を図るんじゃ。

サクラ サクラ

最近は男性介護者も増えているんですよね?

博士 博士

そうじゃ。男性介護者の増加、仕事と介護を両立する「ビジネスケアラー」、独居高齢者、外国人介護人材の活用など、介護を取り巻く環境は急速に変化しておる。

サクラ サクラ

統計の数字だけでなく社会背景も理解することが大切なんですね。

博士 博士

まさにその通り。看護師は家族介護者の実態と課題を知り、継続的な支援を考えることが重要じゃぞ。

サクラ サクラ

ヤングケアラーという問題も聞きますが?

博士 博士

18歳未満の子どもが家族の介護を担う問題じゃ。学業や発達への影響が懸念されておる。地域包括ケアの一環として対策が進められているぞ。

POINT

平成28年国民生活基礎調査では同居介護者の66%が女性、続柄は配偶者が最多、年齢は男女とも60〜69歳が最多、介護時間は全体では「必要なときに手をかす程度」が最多ですが要介護3以上では「ほとんど終日」となります。老老介護・認認介護・ヤングケアラー・ビジネスケアラーなど介護を取り巻く課題は多様化しており、看護師は統計と社会背景をあわせて理解し家族支援を行うことが求められます。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:平成28年(2016年)の国民生活基礎調査において、要介護者等のいる世帯に同居している主な介護者全数の特徴で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。平成28年国民生活基礎調査では、同居している主な介護者の性別は女性が66.0%、男性が34.0%で女性が多く、続柄は配偶者25.2%・子21.8%・子の配偶者9.7%の順、年齢は男女とも60〜69歳が最多、介護時間は要介護度全体では「必要なときに手をかす程度」が最多となっており、介護の主な担い手は高齢女性であることがわかります。

選択肢考察

  1. 1.  性別は女性が多い。

    同居している主な介護者の性別は女性66.0%、男性34.0%で女性が多く、女性による介護負担の偏りがあることを示しています。「老老介護」に加え女性への偏在が課題です。

  2. × 2.  続柄は子が最も多い。

    続柄の最多は「配偶者」(25.2%)で、次いで「子」(21.8%)、「子の配偶者」(9.7%)の順です。配偶者同士の「老老介護」が介護の中心となっています。

  3. × 3.  年齢は70〜79歳が最も多い。

    介護者の年齢階級は男女とも「60〜69歳」が最多(男性28.5%、女性33.1%)です。高齢化の進行で70歳以上の介護者も増加傾向ですが、最多は60代です。

  4. × 4.  介護時間は「ほとんど終日」が最も多い。

    介護者全数でみると「必要なときに手をかす程度」が最多です。要介護3以上では「ほとんど終日」が最多となりますが、全体の要介護度別分布を加味すると軽介助が多数です。

国民生活基礎調査の介護項目は国試頻出です。要点として①介護者の7割弱が女性、②配偶者による老老介護が最多、③60歳以上同士の老老介護が約7割、④要介護度が重くなるほど「ほとんど終日」介護が増える、という傾向を押さえましょう。近年は男性介護者の増加や仕事と介護の両立(ビジネスケアラー)が新たな課題となっています。

国民生活基礎調査における介護者の実態(性別・続柄・年齢・介護時間)を正確に把握できているかを問う問題です。