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40歳から使える介護保険?16の特定疾病を覚えるコツ

看護師国家試験 第114回 午後 第86問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会保障制度の基本

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第86問

介護保険法で定める特定疾病はどれか。2つ選べ。

  1. 1.ウイルス肝炎(viral hepatitis)
  2. 2.脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)
  3. 3.閉塞性動脈硬化症<ASO>(arteriosclerosis obliterans)
  4. 4.メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)
  5. 5.後天性免疫不全症候群<AIDS>(acquired immunodeficiency syndrome)

対話形式の解説

博士 博士

今回は介護保険法の特定疾病じゃ。介護制度の仕組みと一緒に整理しようかの。

アユム アユム

介護保険って65歳からじゃないんですか?

博士 博士

原則は65歳以上の第1号被保険者が対象じゃ。じゃが40〜64歳の医療保険加入者も第2号被保険者として加入しておる。

アユム アユム

じゃあ第2号被保険者も介護サービスを使えるんですか?

博士 博士

使えるが条件付きじゃ。「特定疾病」と呼ばれる16の疾病に該当して要介護・要支援認定を受けた場合に限られるのじゃ。

アユム アユム

どうして特定疾病だけなんですか?

博士 博士

特定疾病は「加齢に伴って生じやすい疾患」という基準で選ばれておる。若くても加齢的な障害が出ているなら介護が必要、という考え方じゃ。

アユム アユム

今回の選択肢の中で特定疾病はどれですか?

博士 博士

脊髄小脳変性症と閉塞性動脈硬化症の2つじゃな。

アユム アユム

脊髄小脳変性症ってどんな病気ですか?

博士 博士

小脳や脊髄が進行性に変性して、ふらつきや構音障害、嚥下障害などが出る難病じゃ。徐々に歩行が困難になる。

アユム アユム

閉塞性動脈硬化症は?

博士 博士

下肢の動脈に動脈硬化が起こって狭窄・閉塞する病気じゃ。歩くと足が痛くなって休むと治る「間欠性跛行」が特徴で、進行すると潰瘍や壊疽になる。

アユム アユム

ウイルス肝炎やAIDSは含まれないんですね。

博士 博士

これらは感染症じゃから加齢との関連が薄く、特定疾病ではない。メタボリックシンドロームも疾患というより「状態」なので含まれん。

アユム アユム

他に特定疾病って何があるんですか?

博士 博士

末期がん、関節リウマチ、ALS、認知症、パーキンソン病関連疾患、糖尿病性合併症、脳血管疾患、COPD、変形性関節症など16疾病じゃ。

アユム アユム

全部覚えるのは大変ですね…。

博士 博士

試験では「加齢に関係する慢性疾患か?」を基準に考えると見分けがつきやすい。感染症やメタボなどは外して、神経変性・骨関節・血管・代謝合併症のグループで覚えるとよいぞ。

POINT

介護保険法における特定疾病とは、40〜64歳の第2号被保険者が要介護・要支援認定を受ける対象となる、加齢に起因する16の疾病を指します。脊髄小脳変性症は小脳・脊髄の進行性変性、閉塞性動脈硬化症は下肢動脈の動脈硬化による末梢動脈疾患であり、いずれも特定疾病に含まれます。一方、ウイルス肝炎やAIDSは感染症、メタボリックシンドロームは病態の集合であり、加齢との関連性が薄いため特定疾病に該当しません。看護師は若年でも介護保険を利用できるケースがあることを理解し、対象患者へ制度を案内できることが求められます。

解答・解説

正解は 2 3 です

問題文:介護保険法で定める特定疾病はどれか。2つ選べ。

解説:正解は 2 の「脊髄小脳変性症」と 3 の「閉塞性動脈硬化症<ASO>」です。介護保険法における特定疾病とは、40〜64歳の第2号被保険者が要介護・要支援認定を受ける際に対象となる、加齢に起因する16の疾病を指します。脊髄小脳変性症は小脳や脊髄が進行性に変性して歩行失調や構音障害を起こす神経変性疾患、閉塞性動脈硬化症は下肢動脈の動脈硬化により間欠性跛行や潰瘍を生じる末梢動脈疾患であり、いずれも法定の特定疾病に含まれています。

選択肢考察

  1. × 1.  ウイルス肝炎(viral hepatitis)

    ウイルス肝炎は感染症であり、加齢に伴う心身の障害という特定疾病の選定基準に該当しないため、含まれない。

  2. 2.  脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)

    小脳や脊髄が進行性に変性する神経疾患で、運動失調などにより日常生活動作に支障をきたす。介護保険法の特定疾病に明示されている。

  3. 3.  閉塞性動脈硬化症<ASO>(arteriosclerosis obliterans)

    下肢動脈の動脈硬化により狭窄・閉塞が起こり、間欠性跛行や安静時痛、潰瘍などをきたす疾患で、加齢が背景にある。特定疾病に該当する。

  4. × 4.  メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)

    内臓脂肪型肥満を中心に高血圧・高血糖・脂質異常を併発した「状態」を指す概念で、独立した疾患名ではないため特定疾病には含まれない。

  5. × 5.  後天性免疫不全症候群<AIDS>(acquired immunodeficiency syndrome)

    HIV感染による免疫不全症で、加齢に起因する疾患ではないため特定疾病には含まれない。

介護保険法で定められる16の特定疾病は次の通り:(1)末期がん、(2)関節リウマチ、(3)筋萎縮性側索硬化症、(4)後縦靭帯骨化症、(5)骨折を伴う骨粗鬆症、(6)初老期における認知症、(7)パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病)、(8)脊髄小脳変性症、(9)脊柱管狭窄症、(10)早老症、(11)多系統萎縮症、(12)糖尿病性神経障害・腎症・網膜症、(13)脳血管疾患、(14)閉塞性動脈硬化症、(15)慢性閉塞性肺疾患、(16)両側膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症。これに該当する場合、40〜64歳の医療保険加入者(第2号被保険者)も介護保険サービスを利用できる。

介護保険における第2号被保険者の対象疾患である「特定疾病」を識別できるかを問う問題。加齢との関連性が選定基準のカギとなる。