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2021年制定の最新法律はどれだ?医療的ケア児支援法を読み解く

看護師国家試験 第114回 午前 第61問 / 健康支援と社会保障制度 / 社会福祉の基本

国試問題にチャレンジ

114回 午前 第61問

最も新しく制定された法律はどれか。

  1. 1.母子保健法
  2. 2.児童虐待の防止等に関する法律
  3. 3.子どもの貧困対策の推進に関する法律
  4. 4.医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律

対話形式の解説

博士 博士

今回は子どもや家庭に関する法律の制定年を比較する問題じゃ。法律は時代背景とセットで覚えると忘れにくいぞ。

サクラ サクラ

法律の年号って数字だけ覚えても混ざってしまいます…。

博士 博士

そうじゃろう。だからな、その法律が「なぜ」その時代に必要とされたかを押さえるのが近道なのじゃ。

サクラ サクラ

たとえば母子保健法はどんな背景で作られたんですか?

博士 博士

母子保健法は1965年制定。戦後、乳児死亡率を下げるために母子健康手帳の制度や乳幼児健診を整える必要があった時代の産物じゃな。選択肢の中では最も古い。

サクラ サクラ

児童虐待防止法はもっと新しいですよね。

博士 博士

2000年制定じゃ。社会的に虐待事件が表面化し、通告義務や立入調査の根拠を整える必要があったのじゃ。

サクラ サクラ

子どもの貧困対策の法律もありましたね。

博士 博士

2013年制定じゃ。子どもの相対的貧困率の高さが社会問題化し、教育・生活・就労・経済の4本柱で支援するために作られた。

サクラ サクラ

では2021年に作られた医療的ケア児支援法はどんな背景なんでしょう。

博士 博士

NICUを退院しても人工呼吸器や経管栄養が必要な子が増え、保育所や学校で受け入れにくい現状があった。家族、特に母親が仕事を辞めざるを得ない状況を改善する目的で制定されたのじゃ。

サクラ サクラ

地域で安心して暮らせる仕組みを作る法律なんですね。

博士 博士

そう。各都道府県には医療的ケア児支援センターが設置され、相談・情報提供・人材育成を担っておる。看護師は保育所や学校に配置されることもあるぞ。

サクラ サクラ

制定・公布・施行の違いも気になります。

博士 博士

制定は国会で成立した時点、公布は官報で広く知らせる時点、施行は実際に効力が生じる時点じゃ。問題文を読み違えないよう注意するのじゃ。

サクラ サクラ

最新法律はニュースで追うのも大事ですね。

博士 博士

その通り。こども基本法(2022年)やこども家庭庁発足(2023年)も併せて押さえておくのじゃ。

POINT

本問は子ども・家庭関連法の制定年を比較する典型問題で、正解は2021年制定の「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」です。母子保健法(1965年)、児童虐待防止法(2000年)、子どもの貧困対策推進法(2013年)と比較すると最も新しく、医療技術の進歩により在宅で医療的ケアを必要とする子どもが増加した社会背景を反映しています。法律は「制定・公布・施行」の段階に分かれるため設問が問う段階を見極める姿勢も重要です。看護師は地域包括ケアや学校・保育所連携の場面でこの法を理解しておく必要があり、こども基本法やこども家庭庁の動向と併せて学ぶことで、最新の社会情勢に基づく看護を提供する視点が養われます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:最も新しく制定された法律はどれか。

解説:正解は 4 です。「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」は2021年(令和3年)6月に公布、同年9月に施行された比較的新しい法律で、選択肢の4つのうち最も新しく成立したものです。医療技術の進歩により人工呼吸器管理や経管栄養、喀痰吸引など日常的な医療的ケアを必要としながら自宅で生活する小児が増えてきた一方で、保育や教育の場における受け入れ体制や家族の負担軽減が大きな課題となっていた状況を背景に制定されました。国・地方公共団体・保育所・学校等の責務を明文化し、医療的ケア児支援センターの設置などを通じて子どもと家族が地域で安心して暮らせるよう支援することを目的としています。

選択肢考察

  1. × 1.  母子保健法

    1965年(昭和40年)に制定された法律で、選択肢の中では最古。母性ならびに乳幼児の健康保持・増進を図ることを目的とし、母子健康手帳の交付、妊産婦・乳幼児の健康診査、保健指導等の根拠法となっている。

  2. × 2.  児童虐待の防止等に関する法律

    2000年(平成12年)に制定。児童虐待を身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の4類型に整理し、早期発見・通告義務・保護者への支援等を定めている。後年の改正で体罰禁止が明文化されたが、4選択肢中では最新ではない。

  3. × 3.  子どもの貧困対策の推進に関する法律

    2013年(平成25年)に制定。生まれ育った環境によって子どもの将来が左右されないよう、教育支援・生活支援・保護者の就労支援・経済的支援を柱に施策を進めるための法律。2021年成立の医療的ケア児支援法より古い。

  4. 4.  医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律

    2021年(令和3年)に制定された最新の法律。医療的ケア児が居住地域に関わらず適切な支援を受けられるようにすること、家族の離職防止と負担軽減を目的とし、保育所・学校等の設置者に必要な措置を講じる責務を課している。

法律には「制定(成立)」「公布」「施行」の段階があり、それぞれ時期が異なる場合があるため設問の問い方に注意が必要である。子ども・家族関連法では他に、児童福祉法(1947年)、母体保護法(1948年に旧優生保護法として制定、1996年に改称)、次世代育成支援対策推進法(2003年)、子ども・子育て支援法(2012年)、こども基本法(2022年)なども押さえておきたい。とくに2022年制定のこども基本法と、こども家庭庁の発足(2023年)は最新動向としてセットで覚えるとよい。

子ども・家庭関連法の制定年を比較し、最も新しいものを選ぶ問題。「医療的ケア児支援法(2021年)」が比較的新しい法律として注目されていることを把握しているかが鍵となる。