飲食店は食品衛生法! 生活環境と法律のペア整理
看護師国家試験 第106回 午後 第65問 / 健康支援と社会保障制度 / 健康と公衆衛生
国試問題にチャレンジ
健康に影響を及ぼす生活環境とそれを規定している法律の組合せで正しいのはどれか。
- 1.上水道 --------------- 水質汚濁防止法
- 2.飲食店 --------------- 食品衛生法
- 3.家庭ごみ ------------- 悪臭防止法
- 4.学校環境 ------------- 教育基本法
- 5.住宅用の建築材料 ----- 環境基本法
対話形式の解説
博士
今回は生活環境と法律の組合せ問題じゃ。国試ではこの手の『正しい組合せ』問題が頻出じゃぞ。
サクラ
法律の名前が似ていて、どれがどれだかいつも混乱します。
博士
まず基本法と個別法を区別するのが大事じゃ。教育基本法、環境基本法のように『基本法』は理念を定めるだけで、具体的な基準は個別法にある。
サクラ
なるほど、『基本法』とついたら理念法なんですね。
博士
選択肢を見てみよう。まず上水道。これを規定するのは?
サクラ
水質汚濁防止法…じゃないんですね。
博士
引っかけじゃな。上水道は『水道法』が規定する。水質汚濁防止法は工場排水や生活排水による公共用水域の汚染防止、つまり出ていく水の話じゃ。
サクラ
入ってくる水が水道法、出ていく水が水質汚濁防止法か。わかりやすい。
博士
次に飲食店はどうじゃ?
サクラ
食品衛生法ですよね?聞いたことあります。
博士
正解。飲食店の開業には食品衛生法に基づく保健所の許可が必要で、施設基準、衛生管理、食中毒対策などが定められておる。近年はHACCP義務化も食品衛生法じゃ。
サクラ
HACCPって聞いたことあります。衛生管理の国際基準ですよね?
博士
そうじゃ。2021年6月から全食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されておる。
サクラ
じゃあ家庭ごみは?悪臭防止法?
博士
違うぞ。家庭ごみは一般廃棄物で、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』、通称廃棄物処理法が規定する。悪臭防止法は工場や事業場の悪臭規制じゃ。
サクラ
ごみは臭いから悪臭防止法かと思ってました…。
博士
名前に引きずられるとハマるパターンじゃな。次に学校環境は?
サクラ
学校だから教育基本法…あっ、基本法は理念だから違うのか。
博士
素晴らしい気づきじゃ。学校環境衛生や健康診断は『学校保健安全法』が規定する。学校保健・学校安全・学校給食の3本柱が中心じゃ。
サクラ
最後の住宅用建築材料は環境基本法?
博士
これも基本法じゃから違う。正解は『建築基準法』じゃ。シックハウス対策としてホルムアルデヒド放散等級が定められておる。
サクラ
『基本法』とついてたら疑えというパターンですね。
博士
その通り。他によく出るペアを整理すると、大気汚染→大気汚染防止法、騒音→騒音規制法、特定建築物→建築物衛生法じゃ。
サクラ
保健所って食品衛生以外に何をするんですか?
博士
保健所は地域保健法に基づき、感染症対策、母子保健、精神保健、食品衛生、環境衛生など幅広く担う公衆衛生の拠点じゃ。
サクラ
なるほど。法律が地域の看護活動とも密接に関わっているんですね。
POINT
生活環境と規定法の対応関係を問う本問では、飲食店と食品衛生法の組合せが正解となります。食品衛生法は飲食に起因する衛生上の危害防止を目的とし、営業許可・食中毒対策・HACCP義務化などを規定しています。混同しやすいポイントは、上水道は水道法(水質汚濁防止法ではない)、家庭ごみは廃棄物処理法(悪臭防止法ではない)、学校環境は学校保健安全法(教育基本法ではない)、建築材料は建築基準法(環境基本法ではない)という点です。『基本法』は理念を定めるもので個別基準は個別法にある、という原則を覚えておくと解きやすくなります。公衆衛生看護の土台となる法制度知識として確実に押さえましょう。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:健康に影響を及ぼす生活環境とそれを規定している法律の組合せで正しいのはどれか。
解説:正解は 2 です。食品衛生法は『飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ること』を目的とする法律(第1条)で、飲食店の営業許可、食品・添加物の規格基準、食中毒対策などを定めている。飲食店を開業する際には食品衛生法に基づき保健所の許可を得る必要があり、飲食店と食品衛生法の組合せは正しい。
選択肢考察
-
× 1. 上水道 --------------- 水質汚濁防止法
上水道(飲用可能な水の供給)は『水道法』が規定する。水質汚濁防止法は工場排水や生活排水による公共用水域の水質汚濁防止を目的とする、下水・環境側の法律。
-
○ 2. 飲食店 --------------- 食品衛生法
正しい。飲食店の営業は食品衛生法に基づく保健所の許可制で、施設基準や衛生管理基準が定められている。HACCPの導入も食品衛生法で義務化されている。
-
× 3. 家庭ごみ ------------- 悪臭防止法
家庭ごみ(一般廃棄物)の処理は『廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)』が規定。悪臭防止法は工場・事業場からの悪臭を規制する法律で、家庭ごみそのものの処理は対象外。
-
× 4. 学校環境 ------------- 教育基本法
学校の環境衛生(換気・採光・水質など)や健康診断は『学校保健安全法』が規定する。教育基本法は教育の基本理念を定める法律で、環境衛生基準は含まれない。
-
× 5. 住宅用の建築材料 ----- 環境基本法
住宅用の建築材料(シックハウス対策を含む)は『建築基準法』が規定。環境基本法は環境保全の基本理念を定める総則的法律で、個別の建築材料基準は含まれない。
生活環境と法律のペアで頻出なもの:上水道→水道法、下水道→下水道法、一般廃棄物→廃棄物処理法、食品・飲食店→食品衛生法、学校→学校保健安全法、建築物→建築基準法・建築物衛生法(特定建築物)、大気汚染→大気汚染防止法、水質汚濁→水質汚濁防止法、騒音→騒音規制法、悪臭→悪臭防止法。環境基本法は個別法の上位に位置する基本法である。
生活環境に関する個別法の正確な対応関係を問う暗記問題。基本法(環境基本法・教育基本法)と個別法の違いを押さえることがカギ。
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