母子保健事業の実施主体を整理しよう
看護師国家試験 第103回 午後 第81問 / 健康支援と社会保障制度 / 保健活動の基盤と制度
国試問題にチャレンジ
市町村の業務でないのはどれか。
- 1.妊娠届の受理
- 2.母子健康手帳の交付
- 3.乳児家庭全戸訪問事業
- 4.3歳児健康診査
- 5.小児慢性特定疾患公費負担医療給付
対話形式の解説
博士
今日は母子保健サービスの担当機関について確認するぞ。妊婦さんが妊娠届を出してから子どもが大きくなるまで、誰が関わるかわかるかな。
サクラ
妊娠届や母子健康手帳って、市役所に行きますよね。
博士
その通り。母子保健法第15条と第16条で、妊娠届の受理と母子健康手帳の交付は市町村の業務と定められているんじゃ。
サクラ
では、この問題で市町村の業務でないのはどれですか。
博士
正解は5の小児慢性特定疾患公費負担医療給付じゃ。これは児童福祉法に基づく医療費助成で、実施主体は都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市なんじゃよ。
サクラ
選択肢3の乳児家庭全戸訪問事業はどうですか。
博士
生後4か月までのすべての乳児家庭を訪問する事業で、こんにちは赤ちゃん事業とも呼ばれ、市町村が実施するんじゃ。
サクラ
3歳児健康診査も市町村なんですね。
博士
そうじゃ。1歳6か月児健診と3歳児健診は母子保健法で市町村に実施が義務付けられておる。
サクラ
つまり、医療費助成のような専門性の高いものは都道府県、身近なサービスは市町村というイメージですか。
博士
その通り。費用負担が大きく専門的な判定が必要なものは都道府県等が担うのが原則じゃ。
サクラ
覚え方のコツがつかめました。
博士
では最後にまとめじゃ。市町村は住民に身近な母子保健サービスの第一線、都道府県等は医療費助成や専門機関を担うと整理しておくとよい。
POINT
本問は母子保健事業の実施主体を問う問題です。妊娠届受理・母子健康手帳交付・乳児家庭全戸訪問事業・3歳児健康診査はいずれも市町村が実施主体ですが、小児慢性特定疾病医療費助成は児童福祉法に基づき都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市が実施します。身近なサービスは市町村、医療費助成は都道府県等という役割分担を理解しておきましょう。
解答・解説
正解は 5 です
問題文:市町村の業務でないのはどれか。
解説:正解は 5 です。母子保健法および児童福祉法において、母子保健に関する身近なサービス(妊娠届の受理、母子健康手帳の交付、乳児家庭全戸訪問事業、3歳児健康診査)は市町村が実施主体となります。一方、小児慢性特定疾病医療費助成は児童福祉法に基づく制度で、実施主体は都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市であり、市町村の業務ではありません。
選択肢考察
-
× 1. 妊娠届の受理
母子保健法第15条により、妊娠した者は速やかに市町村長に妊娠の届出を行うこととされており、受理は市町村の業務です。
-
× 2. 母子健康手帳の交付
母子保健法第16条により、市町村は妊娠の届出をした者に対し母子健康手帳を交付することが義務付けられています。
-
× 3. 乳児家庭全戸訪問事業
原則生後4か月までの乳児がいるすべての家庭を訪問する事業で、児童福祉法に基づき市町村が実施主体となります。
-
× 4. 3歳児健康診査
母子保健法第12条により、市町村は1歳6か月児・3歳児に対する健康診査を行うことが義務付けられています。
-
○ 5. 小児慢性特定疾患公費負担医療給付
児童福祉法に基づき、実施主体は都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市であるため、市町村の業務ではありません。
母子保健事業の実施主体を整理する際は『身近で日常的なサービス=市町村』『専門性・財源負担の大きい医療費助成=都道府県等』とイメージすると覚えやすいです。なお令和2年度以降、児童相談所設置市にも実施主体が拡大されました。
母子保健分野の各事業について、市町村と都道府県(指定都市等)の役割分担を理解しているかを問う問題です。
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