基礎体温グラフから排卵日を読む
看護師国家試験 第110回 午後 第75問 / 人体の構造・機能 / 生殖器系
国試問題にチャレンジ
正常な性周期である健常女性の10週間の基礎体温を図に示す。直近の排卵日はどれか。
- 1.①
- 2.②
- 3.③
- 4.④
- 5.⑤
対話形式の解説
博士
今日は基礎体温の読み方じゃ。正常な性周期ではどんなパターンになる?
サクラ
低温相と高温相の二相性ですね。
博士
排卵はいつ起こる?
サクラ
低温相から高温相に移行する直前です。
博士
なぜ高温相になるんじゃ?
サクラ
排卵後に黄体からプロゲステロンが分泌され、体温中枢に作用して体温を上げるからです。
博士
どれくらい体温が上がる?
サクラ
約0.3〜0.6℃ですね。
博士
高温相は何日続く?
サクラ
約14日間持続します。
博士
妊娠が成立しなかったらどうなる?
サクラ
黄体が退縮して体温が下がり、月経が始まります。
博士
今回の図で直近の排卵日は何番じゃ?
サクラ
最も新しい低温相から高温相への移行点なので④ですね。
博士
⑤は?
サクラ
もう高温相に入った後なので排卵後、黄体期ですね。
博士
排卵直前にLHサージが起こるが、これは何のホルモンじゃ?
サクラ
黄体形成ホルモンで、排卵を誘発します。
POINT
基礎体温は低温相と高温相の二相性を示し、排卵は低温相から高温相への移行直前に起こります。排卵後の黄体から分泌されるプロゲステロンが体温を0.3〜0.6℃上昇させるため、この上昇点の直前が排卵日の目安となります。直近の排卵日を問われたら最も新しい移行ポイントを選びます。基礎体温は不妊相談や家族計画で活用される基本的指標です。
解答・解説
正解は 4 です
問題文:正常な性周期である健常女性の10週間の基礎体温を図に示す。直近の排卵日はどれか。
解説:正解は 4 です。正常な性周期では基礎体温が低温相と高温相の二相性を示し、低温相から高温相へ移行する直前に排卵が起こります。排卵後に黄体から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が視床下部の体温中枢に作用して体温を0.3〜0.6℃上昇させるためです。図で最も新しい(直近の)低温相から高温相への移行点が排卵日に該当します。
選択肢考察
-
× 1. ①
①は図中でも最も過去の時点に位置し、直近の排卵日の条件を満たしません。直近という条件に合わないため不適切です。
-
× 2. ②
②も過去の周期の体温変化点であり、最新の排卵に該当しません。
-
× 3. ③
③は直近より前の周期の体温変化に該当し、質問の「直近の排卵日」ではありません。
-
○ 4. ④
④は最も新しい周期において低温相から高温相へ移行する直前に位置しており、直近の排卵日として最も適切です。
-
× 5. ⑤
⑤は高温相の途中あるいはその後にあたり、すでに排卵が終わった黄体期の地点と考えられるため、排卵日そのものではありません。
排卵はLHサージの直後に起こり、その後に形成された黄体からプロゲステロンが分泌されて高温相となります。高温相は通常約14日間持続し、妊娠が成立しなければ黄体が退縮して体温が低下し月経が始まります。排卵日を推定するには、低温相の最終日付近、あるいは体温がガクッと下がった日(排卵日前後)を目安にします。
基礎体温の二相性とホルモン動態を理解し、低温相から高温相への移行が排卵のサインであることを読み取れるかを問う問題です。
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