過換気で体に何が起こる?
看護師国家試験 第107回 午後 第72問 / 人体の構造・機能 / 呼吸器系
国試問題にチャレンジ
過換気でみられるのはどれか。
- 1.骨格筋の弛緩
- 2.血中酸素分圧の低下
- 3.体循環系の血管の収縮
- 4.代謝性アルカローシス
- 5.血中二酸化炭素分圧の上昇
対話形式の解説
博士
今日は過換気の問題じゃ。ハァハァと息をしすぎるとどうなるか分かるかの?
アユム
はい、酸素を取り込みすぎてしまう…気がします。
博士
実はの、酸素よりも二酸化炭素が出ていき過ぎることの方が重要なんじゃ。
アユム
二酸化炭素が減ると体はどう変化するのですか?
博士
血液がアルカリ性に傾くんじゃよ。これを呼吸性アルカローシスと呼ぶのじゃ。
アユム
アルカリに傾くと、血管や筋肉にはどんな影響が?
博士
末梢血管や脳血管がぎゅっと収縮する。そしてカルシウムが細胞に取り込まれて低Ca状態になるんじゃ。
アユム
だから手足のしびれやテタニーが出るんですね。
博士
そうじゃ。選択肢3の「体循環系の血管の収縮」が正解になるわけじゃな。
アユム
では代謝性アルカローシスは違うのですか?
博士
代謝性は嘔吐や利尿薬過剰など呼吸以外の原因で起こる。過換気は呼吸が原因だから呼吸性なんじゃ。
アユム
なるほど、原因で呼吸性か代謝性かが決まるんですね。
博士
臨床では患者さんに安心感を与え、ゆっくり呼吸してもらう関わりが第一じゃよ。
POINT
過換気では二酸化炭素分圧が低下し、血液がアルカリ性に傾くことで末梢血管・脳血管の収縮が起こります。同時に血中Caイオンが機能的に低下するため、手足のしびれやテタニーといった症状が出現します。正解は3の体循環系の血管の収縮です。代謝性と呼吸性の違いは原因臓器の違いで区別し、過換気=呼吸性アルカローシスと押さえておきましょう。看護では不安軽減と呼吸パターンの誘導がケアのポイントになります。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:過換気でみられるのはどれか。
解説:正解は3です。過換気では二酸化炭素が過剰に排出されることで血液がアルカリ性に傾き、その結果として体循環の血管が収縮します。末梢血管収縮に伴い手指のしびれやテタニー様症状が出現するのが特徴です。
選択肢考察
-
× 1. 骨格筋の弛緩
アルカローシス状態では血中カルシウムが低下することで神経筋興奮性が高まり、筋攣縮やテタニーが生じます。弛緩ではなく収縮傾向となるため誤りです。
-
× 2. 血中酸素分圧の低下
換気量増大に伴い肺胞内の酸素分圧は高まり、動脈血酸素分圧はむしろ正常〜上昇します。低下するのは二酸化炭素分圧の方です。
-
○ 3. 体循環系の血管の収縮
呼吸性アルカローシスでは末梢血管や脳血管の収縮が起こります。脳血管収縮によりめまいや意識狭窄が、末梢収縮により手足の冷感や痺れが出現します。
-
× 4. 代謝性アルカローシス
過換気で起こるのは呼吸由来の「呼吸性アルカローシス」です。代謝性アルカローシスは嘔吐や利尿薬過剰など代謝過程でH+が失われる病態を指します。
-
× 5. 血中二酸化炭素分圧の上昇
過換気では二酸化炭素が吐き出され続けるためPaCO2は低下します。上昇するのは肺胞低換気など換気不全の病態です。
過換気症候群の発作時はペーパーバッグ法より、まず呼吸をゆっくり整える指導と安心感を与える関わりが推奨されています。口すぼめ呼吸や腹式呼吸を促すことで換気量を調整します。トルソー徴候やシュボステック徴候といった低Ca症状の確認も観察ポイントです。
過換気=CO2低下=呼吸性アルカローシス=血管収縮+低Ca様症状の連鎖で覚えましょう。
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