サイコロジカルファーストエイドの基本
看護師国家試験 第113回 午後 第72問 / 看護の統合と実践 / 災害と看護
国試問題にチャレンジ
サイコロジカルファーストエイド<Psychological First Aid:PFA>について正しいのはどれか。
- 1.活動の原則は、見る、聞く、つなぐである。
- 2.災害発生から1週間経過してから活動する。
- 3.被災都道府県からの派遣要請に基づき活動する。
- 4.苦痛の原因となった出来事を詳細に話すことを促す。
対話形式の解説
博士
博士じゃ。災害看護でPFAは必須知識じゃぞ。
アユム
身体のファーストエイドに対して、心のファーストエイドという位置付けですね。
博士
その通りじゃ。活動原則の3つを覚えておるかのう。
アユム
『見る・聞く・つなぐ』ですね。Look・Listen・Linkの3Lです。
博士
ようできた。『見る』とは何を見るのじゃ?
アユム
安全の確認と、緊急に支援が必要な人がいないかを観察することですね。
博士
うむ。『聞く』は尋問ではないぞ。
アユム
はい、関わりを持ち、落ち着けるよう傾聴する姿勢です。
博士
『つなぐ』は社会資源や家族、情報へのアクセスを支援することじゃな。
アユム
選択肢2の1週間後から活動は遅すぎますね。
博士
そうじゃ。できる限り早期介入がPTSD予防につながるのじゃ。
アユム
選択肢3の派遣要請に基づき活動、は誤りですね。誰でも学んで使える手法だと聞きました。
博士
その通り。資格不要で被災地の隣人同士でも実践できるのじゃ。
アユム
選択肢4の詳細に話させるのはデブリーフィングに近くて、むしろ再外傷化のリスクがあります。
博士
鋭いのう。PFAとデブリーフィングの違いは要注意じゃ。
アユム
支援者自身のセルフケアも大切なんですよね。
博士
うむ、それも忘れてはならぬ視点じゃ。
POINT
本問はPFAの基本原則を問う問題です。WHOが提唱するPFAは『見る・聞く・つなぐ』の3Lを中心に、早期介入・無理強いしない傾聴・社会資源への橋渡しを行う心理的応急処置です。資格や派遣要請は不要で、誰でも学んで実践できる点が特徴です。デブリーフィングとは異なり、強制的に体験を語らせることは避け、本人のペースで寄り添う姿勢が重要です。災害看護では必ず押さえておきたい知識です。
解答・解説
正解は 1 です
問題文:サイコロジカルファーストエイド<Psychological First Aid:PFA>について正しいのはどれか。
解説:正解は1「活動の原則は、見る、聞く、つなぐである。」です。PFAはWHOが提唱する被災者・被害者への心理的応急処置であり、『Look(見る)・Listen(聞く)・Link(つなぐ)』の3原則に沿って活動します。
選択肢考察
-
○ 1. 活動の原則は、見る、聞く、つなぐである。
『見る』は安全と緊急のニーズ把握、『聞く』は関わりを持ち落ち着かせて話を傾聴する姿勢、『つなぐ』は生活・情報・社会資源につなげる活動です。この3ステップがPFAの核心です。
-
× 2. 災害発生から1週間経過してから活動する。
PFAは危機的出来事の直後から早期介入することが推奨されます。1週間待つ根拠はなく、むしろ早期の支援がPTSD予防に寄与します。
-
× 3. 被災都道府県からの派遣要請に基づき活動する。
PFAは特別な資格や派遣要請を要さず、支援者や一般市民も含め誰でも学んで実践できる心理的応急処置です。DMATなどの派遣制度とは別概念です。
-
× 4. 苦痛の原因となった出来事を詳細に話すことを促す。
詳細な体験の聴取は心的外傷を再燃させる恐れがあります。PFAでは本人が話したい場合にのみ傾聴し、無理に語らせないのが原則です。
PFAはデブリーフィング(強制的な体験想起)とは明確に異なり、WHO版・米国版(NCTSN)などが広く使われています。子ども・高齢者・障害者など特に注意が必要な層への配慮、支援者自身のセルフケアも重要項目です。
災害・危機後の心理的支援であるPFAの活動原則と基本姿勢を問う問題です。
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