クリニカルパスってなに?医療の標準化を支えるツール
看護師国家試験 第106回 午後 第59問 / 看護の統合と実践 / 看護におけるマネジメント
国試問題にチャレンジ
医療の標準化を目的に活用されているのはどれか。
- 1.コーピング
- 2.クリニカルパス
- 3.エンパワメント
- 4.コンサルテーション
対話形式の解説
博士
今回は看護管理の用語問題じゃ。「医療の標準化」と聞いて何を連想するかがポイントじゃ。
サクラ
標準化…すぐに思いつきません。
博士
選択肢の中で標準化に関係するのは「クリニカルパス」じゃな。他はみな別分野の概念じゃ。
サクラ
クリニカルパスって、入院時にもらう予定表みたいなやつですか?
博士
その通り!疾患・手術ごとに入院から退院までの治療・検査・看護・指導を時系列にまとめた標準診療計画表じゃ。
サクラ
誰が発明したんですか?
博士
1980年代に米国の看護師カレン・ザンダーが開発した。もともとは工業界の工程管理手法を医療に応用したものじゃ。
サクラ
日本にはいつ入ってきたんですか?
博士
1990年代後半じゃ。DPC制度(診断群分類別包括支払い)の普及とともに定着し、今や多くの病院で使われておる。
サクラ
クリニカルパスの目的は?
博士
主に4つ。①医療の標準化、②医療の質向上、③在院日数の短縮、④患者への情報提供じゃ。
サクラ
チーム医療にも役立つんですか?
博士
うむ。医師・看護師・薬剤師・リハビリ職・栄養士など多職種が同じ計画を共有するため、連携がスムーズになる。
サクラ
バリアンスって何ですか?
博士
クリニカルパスから逸脱した事例のことじゃ。合併症や回復遅延といった「負のバリアンス」と、早期回復のような「正のバリアンス」がある。
サクラ
バリアンスを分析することで、パスがより良くなるんですね。
博士
その通り。PDCAサイクルで継続的に改善していくのが肝じゃ。
サクラ
コーピングはどんな意味ですか?
博士
ラザルスが提唱したストレス対処の概念じゃ。問題焦点型(問題そのものに対処)と情動焦点型(感情を整える)に分かれる。
サクラ
エンパワメントは?
博士
個人や集団が本来持つ力を引き出し、主体的に問題解決する力を高めるプロセス。看護や地域保健、母子保健などで重視される概念じゃ。
サクラ
コンサルテーションは?
博士
他領域の専門家に相談・助言を求めること。専門看護師(CNS)の6つの役割の一つでもある。
サクラ
4つともよく出てくる用語なので、整理しておくと試験で迷わなくなりますね。
博士
その通りじゃ。用語の定義を正確に覚えることが看護管理分野で点を取るコツじゃよ。
POINT
クリニカルパスは特定の疾患や手術に対して入院から退院までの診療・看護計画を時系列に整理した標準診療計画表で、医療の標準化・質向上・在院日数短縮・患者への情報提供を目的として活用されます。計画からの逸脱は「バリアンス」として分析され、パスの改善と医療の質向上に生かされます。コーピング(ストレス対処)、エンパワメント(力を引き出す支援)、コンサルテーション(専門家への相談)はいずれも重要な看護概念ですが、医療の標準化ツールとは異なります。看護管理・看護の統合分野で頻出の用語であり、多職種連携の中で看護師が果たす役割を理解するうえで必須の基礎知識です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:医療の標準化を目的に活用されているのはどれか。
解説:正解は 2 です。クリニカルパス(クリティカルパス)は、特定の疾患や手術に対して、入院から退院までの治療・検査・看護・指導などを時系列に整理した標準的な診療計画表です。チーム医療における情報共有ツールであり、医療の標準化・質の向上・在院日数の短縮・患者への情報提供を目的に活用されています。計画から逸脱した事例は「バリアンス」として分析・改善に活用されます。
選択肢考察
-
× 1. コーピング
ラザルスが提唱したストレス対処の概念。問題焦点型(問題解決を試みる)と情動焦点型(感情を調整する)に分かれる。医療の標準化のツールではなく、心理学的な対処行動の概念。
-
○ 2. クリニカルパス
入院から退院までの治療・看護計画を時系列に示した標準診療計画書。多職種間の情報共有と医療の標準化・質向上・在院日数短縮を目的として活用される。
-
× 3. エンパワメント
個人や集団が本来持っている力を自ら発揮し、主体的に問題解決へと向かうプロセス・支援。看護や地域保健で重視される概念だが、医療の標準化ツールではない。
-
× 4. コンサルテーション
他領域の専門家に相談・助言を求めること。専門看護師(CNS)の役割の一つでもある。医療の標準化とは異なる。
クリニカルパスは1980年代に米国の看護師カレン・ザンダーが開発した。日本では1990年代後半から普及し、DPC制度(診断群分類別包括支払い制度)の普及とともに定着した。計画通りに進まない事例を「バリアンス」と呼び、負のバリアンス(合併症・遅延)と正のバリアンス(早期回復)に分類される。バリアンス分析はパスの改善・医療の質向上に不可欠。患者用パスを併用することでインフォームドコンセントの充実にも寄与する。
医療管理や看護管理領域の重要用語を問う問題。「標準化」というキーワードからクリニカルパスを即答できるかが勝負。コーピング・エンパワメント・コンサルテーションとの違いを整理する。
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