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破水はいつ起こる?「適時」を中心に4タイプを整理しよう

看護師国家試験 第114回 午後 第65問 / 母性看護学 / 分娩期・産褥期の看護

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第65問

子宮口全開大のときに破水した。この破水はどれか。

  1. 1.前期破水
  2. 2.早期破水
  3. 3.遅滞破水
  4. 4.適時破水

対話形式の解説

博士 博士

今日は破水の分類を整理するぞ。一見ややこしいが、整理の軸は「陣痛」と「子宮口全開」の2つだけじゃ。

サクラ サクラ

破水って卵膜が破れて羊水が出ることですよね。

博士 博士

その通り。胎児を包む卵膜が破れて、羊水が流出する現象を破水と呼ぶ。タイミングによって4つに分類されるのじゃ。

サクラ サクラ

4種類もあるんですか。順番に教えてください。

博士 博士

まず①前期破水(PROM)。陣痛が始まる前に破水するもの。次に②早期破水。陣痛は始まっているが、子宮口がまだ全開大していない段階での破水。③適時破水は子宮口が全開大した頃に破水するもの。そして④遅滞破水は全開大後も卵膜が破れず、先進部が骨盤に進入しても破水しないものじゃ。

サクラ サクラ

なるほど、軸は「陣痛が始まったか」と「子宮口が全開か」の2つですね。

博士 博士

その通りじゃ。問題では「子宮口全開大のときに破水した」とあるから、これは適時破水になる。

サクラ サクラ

適時破水は正常な経過なんですか?

博士 博士

そう、生理的な分娩経過の一部じゃ。子宮口全開大は分娩第1期の終わり、ここから第2期(娩出期)に移行するタイミングと重なる。

サクラ サクラ

逆に前期破水だとどんなリスクがあるんですか?

博士 博士

羊水が漏れ続けることで臍帯脱出、上行性感染による絨毛膜羊膜炎、胎児感染、そして37週未満なら早産のリスクじゃ。

サクラ サクラ

看護でのケアは?

博士 博士

破水後は感染予防が最優先で、入浴やシャワー浴を控え、清潔なナプキンを使用、体温やCRPを定期的にチェック、羊水の色や臭いも観察するのじゃ。緑色や黄色なら胎便混濁の疑いで、胎児機能不全のサインじゃぞ。

サクラ サクラ

臍帯脱出ってどんな状態ですか?

博士 博士

破水時に臍帯が先進部より先に出てしまう状態じゃ。臍帯が圧迫されて胎児への血流が途絶え、緊急帝王切開の適応となる。だから破水確認時は胎児心拍と内診で先進部の固定を必ず確認するのじゃ。

サクラ サクラ

遅滞破水は人工的に破る、と聞きましたが…?

博士 博士

全開大しても破れないと分娩が進みにくいから、医師や助産師が人工破膜(AROM)を行うことがある。長い破鉤で卵膜を破る処置じゃ。

サクラ サクラ

破水か尿失禁か区別がつかないこともありそうです。

博士 博士

鋭い視点じゃ。BTB試験紙でアルカリ性反応をみたり、羊水中のIGFBP-1やPAMG-1を検出する迅速キットを使う。羊水は弱アルカリ性、尿は酸性じゃから区別できるのじゃ。

POINT

破水は卵膜が破れて羊水が流出する現象で、起こるタイミングによって前期破水、早期破水、適時破水、遅滞破水の4つに分類されます。子宮口全開大時に起こる適時破水が分娩経過における理想的なタイミングで、本問の正解です。前期破水では感染や臍帯脱出のリスクが高まり、特に37週未満では早産につながるため、感染予防と胎児監視が看護のポイントとなります。羊水と尿の鑑別にはpH試験やIGFBP-1検出キットなどが用いられ、破水後は羊水の色調や臭気、胎児心拍の変化を継続的に観察します。分娩期の母性看護では「正常な経過」と「異常の早期発見」を区別する力が問われる代表的なテーマといえます。

解答・解説

正解は 4 です

問題文:子宮口全開大のときに破水した。この破水はどれか。

解説:正解は 4 です。破水は卵膜が破れて羊水が流出する現象であり、起こったタイミングによって名称が異なる。子宮口が全開大(10cm)に達した時点で破水するのが「適時破水」で、分娩経過における正常な経過とされる。陣痛発来前なら前期破水、陣痛開始後で全開大前なら早期破水、全開大後も卵膜が破れない場合は遅滞破水と呼ぶ。

選択肢考察

  1. × 1.  前期破水

    陣痛発来前に破水するもの。羊水量減少や上行性感染、臍帯脱出などのリスクが高まり、特に37週未満では早産の原因となる。

  2. × 2.  早期破水

    陣痛開始後、子宮口が全開大に達する前に起こる破水で、分娩進行中ではあるが理想的なタイミングよりは早い。

  3. × 3.  遅滞破水

    子宮口全開大後さらに先進部が骨盤内に進入しても卵膜が破れない状態で、必要に応じて医師・助産師が人工破膜を行う。

  4. 4.  適時破水

    子宮口がほぼ全開大に達した時点で起こる破水で、分娩第1期の終わりから第2期への移行に重なる正常な破水である。

前期破水(PROM)では感染予防のため抗菌薬投与、入浴やシャワー浴の制限、体温・CRP・羊水混濁・胎児心拍モニタリングなどが必要となる。臍帯脱出のリスク評価のため、破水確認時は内診と先進部の固定状況の確認を行う。羊水か尿かの鑑別にはBTBテストや羊水迅速診断キット(pHテスト・IGFBP-1・PAMG-1など)が用いられる。

破水のタイミングによる分類(前期・早期・適時・遅滞)を整理して理解しているかを問う基本問題である。