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お腹を触ってここまで分かる!レオポルド触診法4段法のすべて

看護師国家試験 第114回 午後 第64問 / 母性看護学 / 妊娠期の看護

国試問題にチャレンジ

114回 午後 第64問

Leopold<レオポルド>触診法で分かるのはどれか。

  1. 1.胎向
  2. 2.胎児の筋緊張
  3. 3.胎盤付着部位
  4. 4.胎児の健康状態

対話形式の解説

博士 博士

今回は古典的だが今も妊婦健診で活躍するレオポルド触診法じゃ。何がわかって何がわからないかを整理するぞ。

アユム アユム

レオポルド触診法って、お腹を触って胎児の向きを見るんですよね?

博士 博士

その通り。19世紀末にドイツのレオポルドが体系化した方法で、4段階の手順を踏むのじゃ。

アユム アユム

4段階あるんですか!全部教えてください。

博士 博士

第1段法は両手で子宮底の高さを測り、底に触れる部分が頭か殿かを判別する。第2段法は子宮の左右側面を触れて、背中の側と四肢の側を区別し、胎向を判定する。第3段法は片手で恥骨上の先進部をつかみ、頭か殿か、可動性はあるかを確認する。第4段法は両手を骨盤入口に向けて滑らせ、先進部の進入度を評価するのじゃ。

アユム アユム

では問題の選択肢1「胎向」は第2段法でわかる、ということですね。

博士 博士

その通り。胎向とは胎児の背中が母体のどちら側を向いているかで、左を向いていれば第1胎向、右なら第2胎向じゃ。

アユム アユム

選択肢2の「胎児の筋緊張」はどうですか?

博士 博士

筋緊張は超音波で観察するバイオフィジカルプロファイル(BPS)の項目じゃな。腹壁越しの触診ではとても判別できん。

アユム アユム

選択肢3「胎盤付着部位」はどうでしょう?

博士 博士

胎盤がどこに付着しているか、特に前置胎盤かどうかは触診では絶対にわからん。経腹あるいは経腟超音波で確認するのが鉄則じゃ。

アユム アユム

選択肢4「胎児の健康状態」は?

博士 博士

胎児のwell-beingはNST、CST、BPS、臍帯動脈ドプラなどで評価する。触診法はあくまで「位置情報」を得るための手技で、健康状態の評価はできん。

アユム アユム

触診を行うときの注意点はありますか?

博士 博士

まず妊婦に排尿を済ませてもらい、仰臥位で両膝を軽く曲げて腹壁を緩めてもらう。看護師の手は温め、爪は短く整える。短時間で行い、子宮収縮を誘発しないよう優しく触れることが大切じゃ。

アユム アユム

禁忌はあるんでしょうか?

博士 博士

子宮収縮を誘発しうるため、切迫早産・切迫流産、前置胎盤、子宮収縮過剰、常位胎盤早期剥離が疑われる場面では行わない。これは大事なポイントじゃぞ。

アユム アユム

超音波がある時代でもレオポルドを学ぶ意義はあるんですね。

博士 博士

侵襲なくベッドサイドで素早く情報が得られる。停電や災害時にも使える。看護職の手の感覚を養う基本技術として今も生き続けておるのじゃ。

POINT

レオポルド触診法は妊婦の腹部を4段階に分けて触診し、胎位・胎向・胎勢・先進部・骨盤への進入度を評価する古典的な手技です。胎向は第2段法で子宮側面を触れて判定でき、本問の正解となります。一方、胎児の筋緊張・胎盤付着部位・胎児の健康状態は触診では評価できず、超音波検査や胎児心拍数モニタリングが必要です。実施前には排尿を済ませてもらい仰臥位で膝を屈曲させた体位とし、切迫早産や前置胎盤などでは禁忌となる点に注意します。妊婦健診では非侵襲的に多くの情報を得られる重要な看護技術として、現在も実践的価値を持ち続けています。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:Leopold<レオポルド>触診法で分かるのはどれか。

解説:正解は 1 です。レオポルド触診法は妊婦の腹部を4段階に分けて触診し、子宮内の胎児の位置・向き・先進部・骨盤への進入度を把握する手技である。第2段法で子宮側面を触診することで胎児の背中側がどちらにあるか、すなわち胎向(第1胎向=背中が母体左側/第2胎向=右側)が判定できる。

選択肢考察

  1. 1.  胎向

    第2段法で子宮の左右側面を触れ、平らで硬く広がる背側と凸凹した小部分(四肢)を区別することで胎向が判定できる。

  2. × 2.  胎児の筋緊張

    胎児の筋緊張は腹壁越しの触診では評価できず、超音波検査によるバイオフィジカルプロファイル(BPS)などで評価する。

  3. × 3.  胎盤付着部位

    胎盤の位置(前壁・後壁・低置・前置など)は触診ではわからず、経腹・経腟超音波検査で確認する。

  4. × 4.  胎児の健康状態

    胎児のwell-beingは胎児心拍数モニタリング(NST・CST)や超音波によるBPS、ドプラ血流評価などで判定する。

レオポルド触診法は第1段法で子宮底の高さと底に触れる部分(頭か殿か)、第2段法で胎向と腹壁の緊張、第3段法で胎児先進部とその可動性、第4段法で先進部の骨盤内進入度を評価する。実施前に妊婦に排尿を済ませてもらい、仰臥位で両膝を軽く屈曲させてリラックスした体勢で行う。子宮収縮を誘発するため、切迫早産や前置胎盤などでは禁忌となる。

レオポルド触診法で評価できる項目(胎位・胎向・胎勢・先進部・進入度)と、超音波検査で評価する項目との違いを理解しているかを問う問題である。