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幼児のCPR:乳児と何が違うのか、きっちり押さえる

看護師国家試験 第109回 午前 第58問 / 小児看護学 / 急性期・特別な状況下の看護

国試問題にチャレンジ

109回 午前 第58問

幼児の心肺蘇生における胸骨圧迫の方法で正しいのはどれか。

  1. 1.胸骨中央下部を圧迫する。
  2. 2.実施者の示指と中指とで行う。
  3. 3.1 分間に 60 回を目安に行う。
  4. 4.1 回の人工呼吸につき 3 回行う。

対話形式の解説

博士 博士

今回は幼児の心肺蘇生、特に胸骨圧迫を学ぶぞ。国試でも臨床でも超頻出じゃ。

アユム アユム

子どものCPRって、大人と違うんですよね。

博士 博士

うむ、年齢区分で手技が変わる。乳児(1歳未満)、幼児(1歳〜思春期前)、成人で圧迫方法が違うのじゃ。

アユム アユム

乳児はどうするんですか。

博士 博士

乳児は示指と中指の二指圧迫法、あるいは救助者2人以上なら両母指圧迫法。乳頭線の少し下、胸骨の下半分を圧迫する。

アユム アユム

幼児は?

博士 博士

幼児は片手または両手の手掌基部で胸骨下半分を圧迫。体格が小さければ片手でもよい。深さは胸の厚さの約3分の1、およそ5cmじゃ。

アユム アユム

選択肢2の示指と中指は乳児の方法なんですね。

博士 博士

その通り、幼児には該当しない。

アユム アユム

テンポはどうですか?選択肢3の60回/分は?

博士 博士

成人も小児も乳児も圧迫テンポは100〜120回/分で共通じゃ。60回では循環を維持できない。

アユム アユム

圧迫と換気の比は?

博士 博士

救助者1人なら30:2、救助者2人以上なら小児(幼児含む)は15:2が標準。成人は常に30:2じゃ。

アユム アユム

選択肢4の「人工呼吸1回につき3回」は正しい比が存在しない組み合わせですね。

博士 博士

その通り、誤答じゃ。

アユム アユム

となると正解は1の「胸骨中央下部を圧迫」ですね。

博士 博士

うむ。圧迫部位は胸骨の下半分、剣状突起は避ける。基本は成人と同じ考え方じゃ。

アユム アユム

AEDも使えるんですか?

博士 博士

使える。未就学児(およそ6歳未満)には小児用パッド(エネルギー減衰付き)を推奨するが、なければ成人用でも使用可じゃ。

アユム アユム

現場で救助者1人のとき、まず何をすればいいでしょう?

博士 博士

反応確認→応援要請とAED手配→呼吸確認→普段通りの呼吸がなければ胸骨圧迫開始、の流れじゃ。小児では「まず助けを呼ぶより、まずCPRを1分間」と言われた時代もあったが、現行ガイドラインでは応援要請とAED手配を早めに行う。

アユム アユム

圧迫解除時のポイントは?

博士 博士

完全に胸が戻るまで解除する。不完全な解除は心拍出量低下を招くのじゃ。

アユム アユム

中断は最小限ですね。

博士 博士

その通り。ノーフローフラクション(圧迫していない時間の割合)を減らすことが救命率を上げる鍵じゃ。

POINT

幼児(1歳〜思春期前)の心肺蘇生では、胸骨の下半分を片手または両手の手掌基部で圧迫し、胸の厚さの約3分の1(約5cm)沈み込ませるのが標準です。圧迫テンポは100〜120回/分、救助者1人では30:2、2人以上では15:2の圧迫換気比で行います。乳児(1歳未満)の示指と中指の二指法や両母指圧迫法と区別し、年齢ごとの手技を正確に使い分けることが求められます。AEDは小児用パッドを優先しつつなければ成人用でも使用でき、反応確認・応援要請・呼吸確認の初動から圧迫中断最小化まで、JRC蘇生ガイドラインに沿った系統的対応が救命率向上に直結します。

解答・解説

正解は 1 です

問題文:幼児の心肺蘇生における胸骨圧迫の方法で正しいのはどれか。

解説:正解は 1 です。JRC蘇生ガイドラインでは幼児(1歳〜思春期前)の胸骨圧迫は、胸骨の下半分(胸骨中央下部)を、片手または両手の手掌基部で圧迫し、胸の厚さの約3分の1(約5cm)を目安に沈み込ませる。圧迫テンポは100〜120回/分、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を交互に行う(救助者1人の場合)。救助者2人以上では15対2で行う。

選択肢考察

  1. 1.  胸骨中央下部を圧迫する。

    幼児では胸骨の下半分(胸骨中央下部)を片手または両手の手掌基部で圧迫する。部位は成人と同じ考え方で、胸骨剣状突起は避ける。

  2. × 2.  実施者の示指と中指とで行う。

    示指と中指の二指圧迫法は乳児(1歳未満)の方法。幼児では片手または両手の手掌基部を用いる。

  3. × 3.  1 分間に 60 回を目安に行う。

    胸骨圧迫のテンポは成人・小児・乳児すべて共通で100〜120回/分。60回では不十分で循環維持できない。

  4. × 4.  1 回の人工呼吸につき 3 回行う。

    救助者1人の場合は胸骨圧迫30回に対し人工呼吸2回(30:2)を交互に行う。救助者2人以上の小児では15:2が標準。

JRC蘇生ガイドライン(2020)における小児BLSの要点:圧迫部位は胸骨下半分、深さは胸の厚さの約3分の1(幼児で約5cm、乳児で約4cm)、テンポ100〜120回/分、圧迫解除時は完全に戻す、中断は最小限に。乳児の圧迫は二指法(救助者1人)または両母指圧迫法(救助者2人以上)、幼児は片手もしくは両手の手掌基部。AEDは未就学児用パッドを推奨(なければ成人用でも使用可)。

小児一次救命処置(小児BLS)の胸骨圧迫手技を乳児と幼児で区別して理解する問題。部位・手技・テンポ・圧迫換気比を整理する。