StudyNurse

小児のPCA使用の説明

看護師国家試験 第113回 午後 第56問 / 小児看護学 / 急性期・特別な状況下の看護

国試問題にチャレンジ

113回 午後 第56問

下腿の開放骨折(open fracture)のため手術を受けたA君(8歳、男児)に、術後の疼痛管理のため患者自己調節鎮痛法<Patient Controlled Analgesia:PCA>を用いた持続的な静脈内注射を行うことになった。A君は「痛くなるのが怖い」と話している。看護師はA君に鎮痛薬の追加について説明することにした。 A君への説明で適切なのはどれか。

  1. 1.「時間を決めて操作ボタンを押そうね」
  2. 2.「痛くなり始めたら操作ボタンを押そうね」
  3. 3.「痛くなったら何回でも操作ボタンを押してお薬を追加できるよ」
  4. 4.「痛みがどうしても我慢できなくなったら操作ボタンを押そうね」

対話形式の解説

博士 博士

今日は8歳のA君へのPCA説明を考えよう。

アユム アユム

「痛くなるのが怖い」と言っていましたね。

博士 博士

まず不安を受け止め、仕組みを分かりやすく伝えることが大事じゃ。

アユム アユム

PCAは痛みが出たときに自分でボタンを押す装置ですよね。

博士 博士

そうじゃ。ベースの持続投与に加えてボーラスを追加できるのじゃ。

アユム アユム

ボタンを押すタイミングはいつが良いのでしょうか。

博士 博士

痛くなり始めた時が基本じゃ。

アユム アユム

我慢してから押すのではないのですね。

博士 博士

うむ、痛みが強くなってからでは効果発現が遅れるのじゃ。

アユム アユム

何回も押せば追加されるのですか。

博士 博士

ロックアウトタイムが設定されているから、一定時間内は追加されんぞ。

アユム アユム

安全機能があるのは安心です。

博士 博士

そうじゃな。A君には「痛くなり始めたらボタンを押そうね」と伝えるのが良い。

アユム アユム

フェイススケールで痛みを一緒に確認するのも有効ですね。

博士 博士

うむ、評価と再指導を繰り返すのがコツじゃ。

アユム アユム

本人と家族の不安軽減にもつながります。

POINT

PCAは痛みが強くなる前に患者自身がボタンを押すことで効果を発揮し、ロックアウトタイムにより安全性が保たれます。8歳の小児には「痛くなり始めたら押そうね」と具体的に指導し、痛みのスケールで評価しながら使用を支援します。我慢を前提とする説明や誤った頻回使用の説明は避け、子どもが主体的に疼痛管理に参加できる関わりを心がけましょう。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:下腿の開放骨折(open fracture)のため手術を受けたA君(8歳、男児)に、術後の疼痛管理のため患者自己調節鎮痛法<Patient Controlled Analgesia:PCA>を用いた持続的な静脈内注射を行うことになった。A君は「痛くなるのが怖い」と話している。看護師はA君に鎮痛薬の追加について説明することにした。 A君への説明で適切なのはどれか。

解説:正解は2の「痛くなり始めたら操作ボタンを押そうね」です。PCAはベースの持続投与に加え、患者が痛みを感じ始めた時点で自分でボタンを押し、追加量(ボーラス)を投与できる仕組みです。痛みが強くなる前に使用することで効果が得られやすく、ロックアウトタイムにより過量投与が防がれるため、安全かつ効果的な疼痛管理につながります。

選択肢考察

  1. × 1.  「時間を決めて操作ボタンを押そうね」

    PCAは患者の痛みに合わせて使う仕組みであり、定時投与を目的とする装置ではありません。時間を決めて押させる指導は、本来の役割から外れます。

  2. 2.  「痛くなり始めたら操作ボタンを押そうね」

    痛みが強くなる前に追加投与することで鎮痛効果が得られやすく、筋緊張や不安の悪循環を防げます。小児でもタイミングを具体的に示すと理解しやすくなります。

  3. × 3.  「痛くなったら何回でも操作ボタンを押してお薬を追加できるよ」

    PCAにはロックアウトタイムが設定されており、短時間に何度押しても薬は追加投与されません。誤った説明は期待違いや不安を招くため避けます。

  4. × 4.  「痛みがどうしても我慢できなくなったら操作ボタンを押そうね」

    痛みが極限まで強まってから使用しても効果発現が遅れ、十分な鎮痛が得られにくくなります。我慢を前提にする説明はPCAの原則に反します。

小児のPCAでは本人の発達段階や認知力を見極め、必要に応じてNCA(看護師管理)や家族管理を併用します。痛みの評価にはフェイススケールや数値評価スケールを用い、使用回数や鎮痛効果を定期的にアセスメントすることが大切です。

PCAの仕組みと、痛みの早期対応という使用原則を小児に合わせて説明できるかを問う問題です。