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小児急性中耳炎の再発を防ぐコツ!鼻のかみ方が鍵

看護師国家試験 第106回 午後 第83問 / 小児看護学 / 慢性疾患・障害のある子どもと家族への看護

国試問題にチャレンジ

106回 午後 第83問

急性中耳炎( acute otitis media )で内服薬による治療を受けた5歳の男児および保護者に対して、治癒後に行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.片側ずつ鼻をかむ。
  2. 2.耳垢は毎日除去する。
  3. 3.入浴時は耳栓を使用する。
  4. 4.大声を出させないようにする。
  5. 5.発熱時は耳漏の有無を確認する。

対話形式の解説

博士 博士

今回は小児の急性中耳炎の生活指導について学ぶぞ。5歳くらいの子に多い疾患じゃな。

サクラ サクラ

中耳炎って、耳から菌が入って起こるんですよね?

博士 博士

おっと、そこが大事なポイントじゃ。実は中耳炎の多くは耳からではなく、鼻やのどから耳管を通じて菌が入って起こるんじゃよ。

サクラ サクラ

えっ、そうなんですか!耳から入るんだと思っていました。

博士 博士

よくある誤解じゃな。中耳は鼓膜で外耳と完全に仕切られている。一方、中耳は耳管というトンネルで上咽頭とつながっていて、風邪をひくと鼻咽腔の細菌が耳管を逆行して中耳炎を起こすんじゃ。

サクラ サクラ

だから風邪の後に中耳炎になる子が多いんですね。

博士 博士

その通り。特に小児は耳管が太く短く水平に近いから、大人より中耳炎になりやすいんじゃよ。

サクラ サクラ

では再発予防には鼻のケアが重要ってことですか?

博士 博士

ばっちりじゃ。鼻をかむときは片側ずつやさしくかむこと。両鼻を同時に強くかむと、鼻汁が耳管に逆流して再発してしまうからの。

サクラ サクラ

なるほど!両方一気にかむと気持ちいいから、子どもはやりがちですよね。

博士 博士

そうじゃ。ほかにも再発徴候の観察が大切じゃ。幼児は耳の痛みをうまく言葉で伝えられないから、発熱時は耳漏の有無を必ずチェックするよう保護者に伝えるんじゃ。

サクラ サクラ

耳漏って膿みたいなものですか?

博士 博士

うむ、鼓膜が破れて中耳に溜まった膿が外耳道に流れ出たものじゃ。発熱+耳を気にする仕草+耳漏が三徴と覚えるとよい。

サクラ サクラ

ところで、耳垢は毎日取ったほうがいいですか?

博士 博士

いや、耳垢と中耳炎は無関係じゃ。むしろ過度な耳掃除は外耳道を傷つけるからおすすめできん。入浴時の耳栓も通常は不要じゃよ。

サクラ サクラ

大声を出させないのはどうですか?

博士 博士

これも医学的根拠はない。子どもの生活を無駄に制限しないことも大事じゃ。

サクラ サクラ

小児の中耳炎の治療ってどうなっているんですか?

博士 博士

軽症は経過観察、中〜重症ではアモキシシリンなどの抗菌薬を用いる。反復例や滲出性中耳炎に移行した場合は鼓膜チューブ留置術も検討する。予防策としては肺炎球菌ワクチンや受動喫煙の回避も重要じゃな。

サクラ サクラ

鼻のかみ方一つでこんなに予防できるなんて、保護者指導の意味は大きいですね。

POINT

急性中耳炎は鼻咽腔の病原体が耳管を逆行して中耳に感染する疾患で、小児は耳管の形状から特に罹患しやすいという特徴があります。再発予防の中心は鼻腔の清潔保持であり、片側ずつ静かに鼻をかむ指導が有効です。また言語表現が未熟な幼児では耳痛を訴えられないことが多く、発熱時に耳漏の有無を観察することが早期発見の鍵となります。耳垢除去や入浴時の耳栓、大声の制限などは医学的根拠がなく、不適切な制限は避けるべきです。肺炎球菌ワクチン接種や受動喫煙回避も合わせた包括的な予防指導が看護師の重要な役割となります。

解答・解説

正解は 1 5 です

問題文:急性中耳炎( acute otitis media )で内服薬による治療を受けた5歳の男児および保護者に対して、治癒後に行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 1(片側ずつ鼻をかむ)と 5(発熱時は耳漏の有無を確認する)です。急性中耳炎は鼻咽腔の細菌・ウイルスが耳管を経由して中耳に感染することで発症するため、鼻腔を清潔に保つことが再発予防の要となります。両鼻を同時に強く擤むと鼻汁が耳管を逆流しやすいため、片側ずつやさしく擤むことが推奨されます。また再発時には発熱と耳漏が主要徴候となるため、発熱時は耳漏の有無を確認することが早期発見につながります。

選択肢考察

  1. 1.  片側ずつ鼻をかむ。

    両鼻を同時に強く擤むと鼻咽腔の圧が上昇し、起炎菌を含む鼻汁が耳管を介して中耳へ逆流しやすい。片側ずつ静かに擤むことで中耳炎や副鼻腔炎の再発を予防できる。

  2. × 2.  耳垢は毎日除去する。

    耳垢は外耳道にたまるもので、中耳とは鼓膜で仕切られている。中耳炎の成因とは無関係であり、過度の耳掃除は外耳道損傷や外耳炎を招くため不適切。

  3. × 3.  入浴時は耳栓を使用する。

    急性中耳炎の感染経路は耳管からであり、外耳道からの水の侵入ではない。通常の入浴で耳栓は不要。鼓膜チューブ留置後など特殊な状況で医師の指示があれば別。

  4. × 4.  大声を出させないようにする。

    発声と中耳炎の発症・再発に医学的な関連はない。児の活動制限として大声を禁じる根拠はなく、不要な生活制限は子どもの発達を妨げる。

  5. 5.  発熱時は耳漏の有無を確認する。

    小児の急性中耳炎は風邪に伴って再発しやすく、主要症状は耳痛・発熱・耳漏。言語表現が未熟な幼児では耳痛を訴えられないこともあり、発熱時に耳漏の有無を確認することが早期発見につながる。

小児急性中耳炎は乳幼児に多く、3歳までに7〜8割が罹患するとされる。耳管が成人より太く短く水平に近いため細菌が侵入しやすいことが背景。主な起炎菌は肺炎球菌・インフルエンザ菌・モラクセラ・カタラーリス。鼓膜が腫脹・発赤し、進行すると膿性耳漏が出る。治療は軽症では経過観察、中〜重症で抗菌薬(アモキシシリンが第一選択)。反復例や滲出性中耳炎に進展した場合には鼓膜換気チューブ留置術が検討される。予防として鼻汁の適切な処理、受動喫煙回避、肺炎球菌ワクチン接種が有効。

急性中耳炎の感染経路(耳管逆行性)と好発年齢の小児の特徴を踏まえた再発予防指導を問う問題。鼻腔の清潔保持と再発時徴候の観察がキーワード。