新生児マススクリーニングの基礎
看護師国家試験 第113回 午後 第53問 / 小児看護学 / 健康増進のための小児看護
国試問題にチャレンジ
新生児マススクリーニング検査(先天性代謝異常等検査)で正しいのはどれか。
- 1.対象疾患数は5である。
- 2.唾液を用いた検査である。
- 3.早期新生児期に実施される。
- 4.治療法が確立していない疾患を対象とする。
対話形式の解説
博士
今日は新生児マススクリーニングの話じゃ。
サクラ
先天性代謝異常を早く見つける検査ですよね。
博士
うむ。いつ行うか言えるか?
サクラ
生後4〜6日目くらいと習いました。
博士
その通り、早期新生児期じゃな。
サクラ
どこから採血するのですか。
博士
足底のかかと部分からじゃ。濾紙にしみこませて送るのじゃ。
サクラ
唾液ではないのですね。
博士
血液検体を使うぞ。そこは押さえておくのじゃ。
サクラ
対象疾患はいくつあるのでしょう。
博士
開始時は5疾患だったが、現在はタンデムマス法の導入で20以上に拡大されておる。
サクラ
治療法が確立していない疾患も含まれますか?
博士
いや、治療や食事療法で予後が改善できる疾患に限られるぞ。
サクラ
早く見つけて介入することが大事なのですね。
博士
その通り。フェニルケトン尿症や先天性甲状腺機能低下症などが代表じゃ。
サクラ
公費で実施されているので多くの新生児が受けられますね。
POINT
新生児マススクリーニングは生後4〜6日目の早期新生児期に足底採血で実施され、治療可能な先天性代謝異常や内分泌疾患を症状発現前に発見することを目的とします。タンデムマス法により対象疾患は拡大しており、フェニルケトン尿症や先天性甲状腺機能低下症などが代表例です。早期介入による重症化予防が検査の本質です。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:新生児マススクリーニング検査(先天性代謝異常等検査)で正しいのはどれか。
解説:正解は3の「早期新生児期に実施される」です。新生児マススクリーニング検査は、通常生後4〜6日目に足底からの微量採血(濾紙血)を用いて行われます。治療可能な先天性代謝異常や内分泌疾患を症状発現前に発見し、適切な介入により重症化や知的障害を防ぐことを目的としています。
選択肢考察
-
× 1. 対象疾患数は5である。
1977年に5疾患で開始されましたが、タンデムマス法の導入により対象が拡大し、現在では20疾患以上が全国的にスクリーニングされています。
-
× 2. 唾液を用いた検査である。
新生児の足底を穿刺して得た微量血液を濾紙に染み込ませて検査します。唾液ではなく血液を検体とする点に注意が必要です。
-
○ 3. 早期新生児期に実施される。
生後4〜6日目、すなわち早期新生児期に実施します。この時期に検査することで、症状発現前の早期治療開始につながります。
-
× 4. 治療法が確立していない疾患を対象とする。
治療法または予防法が確立し、早期介入で予後改善が期待できる疾患が対象です。治療手段のない疾患をスクリーニングする意義は乏しいため除外されます。
対象疾患にはフェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症などがあります。タンデムマス法により脂肪酸代謝異常や有機酸代謝異常なども検出可能になっています。
新生児マススクリーニングの実施時期・方法・目的の要点を押さえているかを問う問題です。
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