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精神科の5つの入院形態を整理しよう!医療保護入院とは

看護師国家試験 第109回 午後 第69問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策

国試問題にチャレンジ

109回 午後 第69問

医療保護入院で正しいのはどれか。

  1. 1.入院の期間は 72 時間に限られる。
  2. 2.患者の家族等の同意で入院させることができる。
  3. 3.2 人以上の精神保健指定医による診察の結果で入院となる。
  4. 4.精神障害のために他人に害を及ぼすおそれが明らかな者が対象である。

対話形式の解説

博士 博士

今回は精神保健福祉法の入院形態、特に医療保護入院について学ぶぞ。国試頻出のテーマじゃ。

サクラ サクラ

精神科の入院って、普通の入院と何が違うんですか?

博士 博士

精神疾患では本人の判断能力が一時的に低下していることがあり、本人の同意なく入院させる必要がある場合があるのじゃ。そのために法律で厳格に要件を定めておる。

サクラ サクラ

入院形態はいくつあるんですか?

博士 博士

5つじゃ。任意入院、医療保護入院、応急入院、措置入院、緊急措置入院。それぞれ要件と期間制限が異なる。

サクラ サクラ

任意入院はどういうものですか?

博士 博士

本人の同意に基づく入院で、精神科入院の基本形じゃ。原則として本人の申し出で退院できる。

サクラ サクラ

医療保護入院は?

博士 博士

精神保健指定医1名が「医療および保護のため入院が必要」と判断し、家族等の同意があれば、本人の同意がなくても入院させられる。問題の正解はこれじゃな。

サクラ サクラ

家族等って誰を指すんですか?

博士 博士

配偶者、親権者、扶養義務者(親・子・兄弟姉妹)、後見人または保佐人じゃ。該当者がいない、または意思表示できない場合は市町村長の同意で入院可能じゃ。

サクラ サクラ

昔は「保護者制度」があったと聞きました。

博士 博士

そう、平成25年改正までは「保護者の同意」じゃったが、保護者制度は廃止され「家族等の同意」に変わったのじゃ。保護者の負担軽減が目的じゃ。

サクラ サクラ

72時間制限があるのはどの入院ですか?

博士 博士

緊急措置入院と応急入院じゃ。緊急措置は自傷他害のおそれで緊急に措置するが指定医2名揃わない場合、応急は家族等の同意が得られない緊急時、ともに72時間以内。

サクラ サクラ

措置入院は?

博士 博士

自傷他害のおそれが明らかな者を対象とし、精神保健指定医2名の診察結果が一致した場合に、都道府県知事の命令で行う強制入院じゃ。期間制限はないが定期病状報告が必要。

サクラ サクラ

選択肢3の「2人以上の指定医」は措置入院のことなんですね。

博士 博士

その通り。選択肢4の「他人に害を及ぼすおそれ」も措置入院の要件で、医療保護入院の要件ではない。

サクラ サクラ

医療保護入院は期間制限はないんですか?

博士 博士

上限はないが、入院時の届出と以後定期的な病状報告義務がある。平成25年改正では医療保護入院者退院支援委員会の設置も義務化され、長期入院を避ける仕組みが強化されたのじゃ。

サクラ サクラ

権利擁護の仕組みも大事ですね。

博士 博士

うむ。入院患者には書面告知義務、精神医療審査会への退院請求・処遇改善請求の権利が保障されておる。これらも国試で問われるから押さえておくのじゃ。

POINT

医療保護入院は精神保健福祉法第33条に基づく入院形態で、精神保健指定医1名が入院を必要と判断し、かつ家族等(配偶者・親権者・扶養義務者・後見人または保佐人)の同意が得られれば、本人の同意がなくても入院させることができます。72時間の期間制限は応急入院・緊急措置入院、2名の指定医による診察は措置入院、自傷他害のおそれは措置入院・緊急措置入院の要件で、医療保護入院とは区別されます。平成25年改正で保護者制度が廃止され「家族等の同意」となり、医療保護入院者退院支援委員会の設置など権利擁護と地域移行の強化が図られました。入院患者には書面告知、精神医療審査会への退院請求・処遇改善請求の権利が保障されています。5つの入院形態とそれぞれの要件・期間・決定者を対比表で整理しておくことが国試対策と臨床実践の両面で有用です。

解答・解説

正解は 2 です

問題文:医療保護入院で正しいのはどれか。

解説:正解は 2 です。医療保護入院は精神保健福祉法第33条に定められる入院形態で、精神保健指定医が入院を必要と判断し、かつ家族等の同意がある場合、本人の同意がなくても入院させることができる。家族等がいない、または意思表示ができない場合は市町村長の同意で入院可能。平成25年改正で「保護者の同意」から「家族等の同意」に変更された。

選択肢考察

  1. × 1.  入院の期間は 72 時間に限られる。

    72時間に限られるのは緊急措置入院と応急入院。医療保護入院には期間の上限はないが、入院時と以後一定期間ごとに届出と定期病状報告が必要。

  2. 2.  患者の家族等の同意で入院させることができる。

    精神保健指定医の診察結果と家族等(配偶者・親権者・扶養義務者・後見人または保佐人)の同意により、本人の同意がなくても入院させることができる。

  3. × 3.  2 人以上の精神保健指定医による診察の結果で入院となる。

    2人以上の精神保健指定医の診察が必要なのは措置入院(自傷他害のおそれ・都道府県知事命令)。医療保護入院は1人の指定医の診察で足りる。

  4. × 4.  精神障害のために他人に害を及ぼすおそれが明らかな者が対象である。

    自傷他害のおそれが対象となるのは措置入院・緊急措置入院。医療保護入院は「医療および保護のため入院が必要」で本人の同意が得られない場合が対象。

精神保健福祉法に定める入院形態は5つ。①任意入院:本人同意に基づく。②医療保護入院:指定医1名+家族等同意(法33条)。③応急入院:家族等同意が得られない緊急時、指定医1名の診察で72時間以内(法33条の7)。④措置入院:自傷他害のおそれ、指定医2名一致で知事命令(法29条)。⑤緊急措置入院:措置入院要件該当の緊急時、指定医1名で72時間以内(法29条の2)。平成25年改正のポイントは、保護者制度の廃止と「家族等の同意」への変更、医療保護入院者退院支援委員会の設置など、権利擁護と地域移行の強化。入院患者には書面での告知義務、精神医療審査会への退院請求・処遇改善請求の権利が保障されている。

医療保護入院の要件(指定医1名+家族等の同意、期間制限なし、自傷他害は要件外)と、他の入院形態との区別を問う。5つの入院形態と要件を対比表で整理することが有効。