精神保健福祉領域の専門職を整理
看護師国家試験 第110回 午前 第60問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策
国試問題にチャレンジ
都道府県知事の任命を受けて、精神保健福祉センターで精神障害者や家族の相談を行うのはどれか。
- 1.ゲートキーパー
- 2.ピアサポーター
- 3.精神保健福祉相談員
- 4.退院後生活環境相談員
対話形式の解説
博士
精神保健福祉センターで相談を担う職員について学ぼう。
アユム
選択肢は4つありますね、どれも聞いたことがあります。
博士
順に整理していこう。まずゲートキーパーは何か知っておるか。
アユム
自殺対策で、自殺のサインに気付き支援につなげる人ですよね。
博士
その通り。特別な資格はなく、市町村が養成研修を行うだけじゃ。
アユム
ピアサポーターはどんな人ですか。
博士
自身も精神疾患などの当事者経験を持ち、仲間を支援する人じゃ。これも国家資格ではないぞ。
アユム
では精神保健福祉相談員はどんな立場ですか。
博士
精神保健福祉法第48条に基づき都道府県または市町村が任命する公的職員で、センターや保健所で相談に応じるのじゃ。
アユム
任命要件はあるのですか。
博士
精神保健福祉士、医師、保健師、社会福祉士などが該当するぞ。
アユム
退院後生活環境相談員との違いは何ですか。
博士
こちらは医療保護入院者のために精神科病院の管理者が選任する院内職員じゃ。法第33条の4に規定されておる。
アユム
勤務場所と任命者が全然違うのですね。
博士
そうじゃ、そこを国試ではよく問うてくる。
アユム
精神保健指定医もセットで覚えたほうがいいですか。
博士
うむ、措置入院や医療保護入院の判定を担う重要な医師資格じゃ。
アユム
法的位置付けを表で整理すれば完璧ですね。
博士
設置根拠、任命者、勤務場所、業務内容の4つを並べるとよい。
POINT
精神保健福祉相談員は精神保健福祉法第48条に基づき都道府県知事または市町村長が任命し、精神保健福祉センターや保健所で精神障害者と家族の相談に応じる公的職員です。ゲートキーパーとピアサポーターは国家資格ではなく、退院後生活環境相談員は病院管理者が選任する院内職員で、いずれも立場が異なります。各専門職の設置根拠・任命者・勤務場所・業務内容をセットで整理しておきましょう。
解答・解説
正解は 3 です
問題文:都道府県知事の任命を受けて、精神保健福祉センターで精神障害者や家族の相談を行うのはどれか。
解説:正解は3です。精神保健福祉相談員は精神保健福祉法第48条に基づき都道府県知事または市町村長が任命する職員で、精神保健福祉センターや保健所で精神障害者とその家族の相談に応じ、訪問指導や関係機関との連絡調整を行います。任命要件は精神保健福祉士などの有資格者です。
選択肢考察
-
× 1. ゲートキーパー
ゲートキーパーは自殺対策基本法に基づき、自殺の危険を示すサインに気付き、必要な支援につなげる役割を担う人材です。特別な国家資格や任命はなく、市町村などが養成研修を行っており、民生委員、教員、医療従事者、家族・友人まで広く含まれます。
-
× 2. ピアサポーター
ピアサポーターは自らも精神疾患や障害の当事者経験を持ち、その経験を活かして同じ立場の仲間を支援する人です。NPOや当事者団体が養成しますが、公的な任命や国家資格ではありません。
-
○ 3. 精神保健福祉相談員
精神保健福祉法第48条に「都道府県及び市町村は、精神保健福祉センターおよび保健所等に、精神保健福祉相談員を置くことができる」と規定されています。精神保健福祉士、医師、保健師、社会福祉士などが任命される公的な職員です。
-
× 4. 退院後生活環境相談員
退院後生活環境相談員は医療保護入院者について精神科病院の管理者が選任する院内職員で、退院支援や地域援助事業者との連携、退院支援委員会の運営を担います。都道府県知事の任命ではなく、勤務場所も精神科病院内です。
精神保健福祉領域の主な専門職と法的位置付け:精神保健指定医(精神保健福祉法、措置入院・医療保護入院の判定)、精神保健福祉相談員(法第48条)、退院後生活環境相談員(法第33条の4、医療保護入院者対象)、ピアサポーター・ゲートキーパー(法定資格なし)。それぞれの設置根拠・任命者・勤務場所・業務内容を表で整理すると試験対策に有効です。
精神保健福祉センターで相談業務を担う公的職員の名称と、法的位置付けを正しく理解しているかを問う精神保健福祉制度の知識問題です。
「精神保健医療福祉の変遷と法・施策」の関連記事
-
精神科病棟の隠れた主役!退院後生活環境相談員ってなにする人?
退院後生活環境相談員の対象(医療保護入院+措置入院)、選任時期(入院後7日以内)、担当できる職種、業務内容(居…
114回
-
自殺対策基本法のポイント
自殺対策基本法の規定内容と、自殺総合対策大綱・労働施策総合推進法など関連制度との役割分担を整理できているかを…
113回
-
精神障害者保健福祉手帳の効果を整理する
精神障害者保健福祉手帳の制度的効果と、障害者総合支援法に基づくサービスとの違いを区別できるかを問う問題です。
113回
-
医療保護入院における退院請求の権利者
医療保護入院中の患者の人権擁護制度、特に退院請求権者を正確に把握しているかを問う法制度問題です。
113回
-
精神科入院形態を判断しよう
精神保健福祉法上の入院形態の要件を整理し、本人同意の有無で任意入院と他形態を鑑別できるかを問う設問です。
113回