精神障害者保健福祉手帳のポイント
看護師国家試験 第110回 午後 第63問 / 精神看護学 / 精神保健医療福祉の変遷と法・施策
国試問題にチャレンジ
精神障害者保健福祉手帳で正しいのはどれか。
- 1.知的障害( intellectual disability )も交付対象である。
- 2.取得すると住民税の控除対象となる。
- 3.交付によって生活保護費の支給が開始される。
- 4.疾病によって障害が永続する人が対象である。
対話形式の解説
博士
3種類ある障害者手帳、区別はできておるか?
サクラ
身体は身体障害者手帳、知的は療育手帳、精神は精神障害者保健福祉手帳ですね。
博士
正解じゃ。精神の手帳の法律は何じゃ?
サクラ
精神保健福祉法です。
博士
よくできた。申請の条件は?
サクラ
初診日から6か月以上経過していることでしたね。
博士
そうじゃ。有効期間は?
サクラ
2年ごとに更新が必要です。
博士
等級は1級から3級まで、日常生活の制限度に応じて決まるぞい。
サクラ
手帳を持つメリットは何ですか。
博士
税金の控除、公共料金の割引、雇用促進法上の算定対象などがあるのじゃ。
サクラ
生活保護はどうですか。
博士
生活保護は別制度で、手帳を取っても自動的には支給されんよ。
サクラ
知的障害との関係は?
博士
知的のみは療育手帳、精神疾患併存なら精神手帳も取得可能じゃ。
サクラ
永続性は問われないのですね。
博士
その通り、状態が改善すれば返納となる点がポイントじゃ。
POINT
精神障害者保健福祉手帳は精神保健福祉法に基づく手帳で、初診日から6か月経過後に申請でき、2年ごとの更新が必要です。取得により住民税・所得税の障害者控除、公共料金の割引、雇用促進法上の算定などが受けられます。知的障害のみは療育手帳、身体障害は身体障害者手帳と使い分けが必要です。生活保護は別制度で、手帳による自動支給はありません。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:精神障害者保健福祉手帳で正しいのはどれか。
解説:正解は 2 です。精神障害者保健福祉手帳を取得すると、所得税・住民税の障害者控除、相続税や自動車税の軽減などの税制優遇が受けられます。公共料金や交通機関の割引、NHK受信料の減免なども利用できるため、経済的支援の大きな柱となります。
選択肢考察
-
× 1. 知的障害( intellectual disability )も交付対象である。
知的障害のみの場合は精神障害者保健福祉手帳ではなく療育手帳の対象です。ただし知的障害を伴う統合失調症や発達障害など精神疾患が併存する場合は本手帳の対象となります。
-
○ 2. 取得すると住民税の控除対象となる。
手帳所持者は障害者控除として住民税・所得税の軽減を受けられます。等級(1〜3級)に応じて控除額や各種割引の範囲が変わり、1級は特別障害者控除の対象となります。
-
× 3. 交付によって生活保護費の支給が開始される。
生活保護は生活保護法に基づき資産・収入・扶養状況を審査した上で決定される別制度です。手帳取得とは無関係で、手帳所持により生活保護費が自動的に支給されることはありません。
-
× 4. 疾病によって障害が永続する人が対象である。
本手帳は2年ごとに更新が必要で永続性は要件ではありません。初診日から6か月以上経過していれば申請でき、状態が改善すれば返納・等級変更となります。
障害者手帳は3種類あり、身体障害は身体障害者手帳(身体障害者福祉法)、知的障害は療育手帳(通知に基づく制度)、精神障害は精神障害者保健福祉手帳(精神保健福祉法)と対応します。精神障害者保健福祉手帳は都道府県知事・指定都市市長が交付し、等級は1〜3級で初診から6か月以上・2年ごとの更新が必要です。
精神障害者保健福祉手帳の対象者・有効期間・取得によって受けられる支援内容を正確に理解しているかを問う問題です。
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