統合失調症患者の就労支援、どのサービスを選ぶ?
看護師国家試験 第111回 午前 第67問 / 精神看護学 / 精神疾患・障害がある者への看護
国試問題にチャレンジ
Aさん(22歳、統合失調症(schizophrenia))は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。 看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。
- 1.行動援護
- 2.就労移行支援
- 3.自立生活援助
- 4.地域定着支援
対話形式の解説
博士
今日は事例問題じゃ。22歳統合失調症のAさんの退院後支援について考えるぞ。
サクラ
博士、Aさんは家族4人暮らしで、退院後に一般企業で働きたいと希望しているんですね。
博士
その通り。初めての精神科入院で、高校卒業後はアルバイトもしていた経過じゃ。一般就労を目指すなら適切な障害福祉サービスを選ぶ必要があるのう。
サクラ
選択肢1の「行動援護」はどうですか?
博士
行動援護は知的障害や精神障害で単独行動が著しく困難な人への外出時援護サービスじゃ。Aさんはアルバイト経験もあり単独行動可能じゃから適さないな。
サクラ
選択肢2の「就労移行支援」は?
博士
これが正解じゃ。一般企業への就職を希望する65歳未満の障害者に対し、原則2年間、就労に必要な知識・能力習得訓練や職場体験、求職活動支援を提供するサービスじゃ。
サクラ
Aさんの希望にぴったりですね。
博士
うむ、22歳で一般就労希望という状況に最も合致する。
サクラ
選択肢3の「自立生活援助」は?
博士
自立生活援助は施設や病院から地域に移行する単身生活者が対象で、Aさんは家族と同居するから対象外じゃ。
サクラ
選択肢4の「地域定着支援」は?
博士
地域定着支援は単身等で暮らす障害者に常時連絡体制と緊急時対応を提供するサービスで、就労希望には対応しないのう。
サクラ
就労支援サービスは他にどんな種類がありますか?
博士
3種類あってな、就労移行支援(一般就労を目指す訓練)、就労継続支援A型(雇用契約あり、最低賃金保証)、就労継続支援B型(雇用契約なし、工賃支給)じゃ。
サクラ
最近新しいサービスもできたと聞きました。
博士
2025年度から「就労選択支援」が新設され、本人の希望に沿ったサービス選択を支援するようになったぞ。
サクラ
精神障害者の就労では他にどんな制度がありますか?
博士
ジョブコーチ支援や障害者雇用促進法に基づく合理的配慮、障害者トライアル雇用制度なども活用できるんじゃ。
サクラ
看護師として退院支援で大事なことは?
博士
本人の希望を尊重し、多職種連携で継続的な支援体制を整えることじゃ。精神保健福祉士や相談支援専門員との連携が鍵じゃな。
POINT
就労移行支援は一般企業への就職を目指す障害者への訓練・就職支援サービスで、Aさんのニーズに合致します。行動援護・自立生活援助・地域定着支援はそれぞれ対象者が限定され、同居家族があり就労希望のAさんには適しません。障害者総合支援法の就労支援体系と各サービスの対象要件を整理して理解することが重要です。
解答・解説
正解は 2 です
問題文:Aさん(22歳、統合失調症(schizophrenia))は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。 看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。
解説:正解は 2 です。Aさんは22歳で統合失調症の初回入院、家族と同居中で退院後に一般企業での就労を希望しています。このニーズに合致するのは障害者総合支援法に基づく「就労移行支援」です。就労移行支援は、一般企業への就職を希望する65歳未満の障害者に対し、原則2年間、就労に必要な知識・能力の習得訓練、職場体験、求職活動支援、職場定着支援などを提供するサービスです。Aさんの「一般企業で働きたい」という希望に最も適合します。
選択肢考察
-
× 1. 行動援護
行動援護は知的障害や精神障害により単独行動が著しく困難な人に対する外出時の援護サービスで、アルバイト経験もあるAさんには適しません。
-
○ 2. 就労移行支援
一般企業への就職を目指す障害者に対し、知識・能力習得訓練や就職活動支援を行うサービスで、Aさんの希望に合致します。
-
× 3. 自立生活援助
自立生活援助は施設や病院から地域に移行する単身生活者を対象とし、Aさんは家族と同居するため対象ではありません。
-
× 4. 地域定着支援
地域定着支援は単身等で生活する障害者に常時連絡体制と緊急時対応を提供するサービスで、Aさんの就労希望には対応しません。
障害福祉サービスの就労支援は3種類:就労移行支援(一般就労を目指す訓練、原則2年)、就労継続支援A型(雇用契約あり、最低賃金保証)、就労継続支援B型(雇用契約なし、工賃支給)。さらに2025年度からは「就労選択支援」が新設され、本人の希望に沿ったサービス選択を支援します。精神障害者の就労では、ジョブコーチ支援や障害者雇用促進法に基づく合理的配慮も重要です。
障害者総合支援法の障害福祉サービスの種類と適応を、患者の状況(同居・就労希望)と照らし合わせて判断できるかを問う事例問題です。
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