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老健入所時の面談とACP

看護師国家試験 第105午前97(状況設定問題)

国試問題にチャレンジ

105午前97

状況設定

Aさん(94歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。

介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。このときの面談内容で適切なのはどれか。

  1. 1.自宅の改修を提案する。
  2. 2.ベッド上安静の必要性を説明する。
  3. 3.急変時の救急搬送の希望を確認する。
  4. 4.通所リハビリテーションの利用を提案する。

対話形式の解説

博士博士
94歳のAさんが肺炎治療後に妻と老健面談じゃ。看護師として入所時に何を話すべきか問われておる。
サクラサクラ
介護老人保健施設は在宅復帰を目指すリハビリ施設ですよね。
博士博士
その通り。原則3〜6か月の短期入所で、医師・看護師・PT・OTが連携して自宅復帰を支援する中間施設じゃ。医療ニーズにも対応可能で、近年は看取り対応も増えておる。
サクラサクラ
入所時の面談で何を確認すべきでしょうか。
博士博士
正解は3の急変時の救急搬送希望の確認じゃ。94歳で肺炎の既往もあるAさんは急変リスクが高い。ACP(人生会議)の第一歩として、本人と家族の意向を早い段階で確認しておくことが大切じゃ。
サクラサクラ
1の自宅改修の提案はどうですか。在宅復帰を目指すのですよね。
博士博士
方向性は正しいが、入所したばかりの面談ではまだ早い。リハビリの進捗を見ながら退所時期が見えてきた段階で、ケアマネジャーやPT・OTと連携して提案するのが通常じゃ。
サクラサクラ
2のベッド上安静の説明は。
博士博士
ランクB-2は座位を保ち介助で車椅子移乗できる状態じゃ。老健は積極的離床が方針で、ベッド上安静は廃用症候群を進行させるから不適切じゃな。
サクラサクラ
4の通所リハの利用提案も退所後の話ですよね。
博士博士
その通り。退所準備期に検討する内容で、入所時面談の優先事項ではない。
サクラサクラ
ACPについてもう少し教えてください。
博士博士
ACPはAdvance Care Planningの略で、人生の最終段階における医療・ケアについて本人・家族・医療者が繰り返し話し合うプロセスじゃ。厚労省は「人生会議」の愛称で啓発しておる。
サクラサクラ
具体的に何を確認するのですか。
博士博士
急変時の心肺蘇生の希望、搬送先病院、治療の範囲(延命か苦痛緩和か)、胃瘻や人工呼吸器の可否、看取りの場所などじゃ。一度で決めきれないものも多く、繰り返し話し合うことが大事じゃな。
サクラサクラ
94歳の本人と84歳の妻では、意思決定の負担も大きいですね。
博士博士
だからこそ医療者が寄り添い、何度も話し合う姿勢が重要じゃ。書面化して家族・施設・医療機関で共有することも推奨されておる。
サクラサクラ
入所時は本人と家族の価値観を知る貴重な機会でもあるのですね。
博士博士
その通り。価値観・生活歴・希望を丁寧に聞き取ることが、その後のケアの質を決めるのじゃよ。

POINT

老健の役割と入所時面談で優先すべき内容、特にACPの観点を理解しているかを問うています。

解答・解説

正解は3です

問題文:介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。このときの面談内容で適切なのはどれか。

解説:正解は 3 です。Aさんは94歳と高齢で肺炎の既往があり、介護老人保健施設では医療的な急変が起こる可能性があります。本人と家族の意思を事前に確認するアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の一環として、入所時に急変時の救急搬送希望を確認しておくことが最も適切です。

選択肢考察

  1. ×1.  自宅の改修を提案する。

    介護老人保健施設は在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設ですが、自宅改修の提案は退所時期が近づいた段階でケアマネジャー・理学療法士・作業療法士と連携して行うもので、入所時の看護面談の内容としては優先度が低いです。

  2. ×2.  ベッド上安静の必要性を説明する。

    ランクB-2は「座位を保てる・介助で車椅子移乗」で、老健のリハビリ方針は積極的離床です。ベッド上安静はかえって廃用症候群を進行させるため不適切です。

  3. 3.  急変時の救急搬送の希望を確認する。

    高齢かつ肺炎既往のAさんは急変リスクが高く、ACP(人生会議)の観点から入所時に本人・家族の意向を確認しておくことが適切です。老健では看取りに対応するケースも増えており、意思確認は医療倫理上も重要です。

  4. ×4.  通所リハビリテーションの利用を提案する。

    現在入所したばかりであり、退所後のサービス検討は退所準備期に行います。入所時面談の優先事項とはなりません。

介護老人保健施設(老健)は、要介護者が在宅復帰を目指してリハビリ・医療・介護を受ける中間施設で、原則3〜6か月の短期入所で在宅復帰支援を行います。医師・看護師が常勤し医療ニーズにも対応可能で、近年は看取り対応も増加しています。ACP(Advance Care Planning)は人生の最終段階における医療・ケアについて本人・家族・医療者が繰り返し話し合うプロセスで、厚生労働省は「人生会議」の愛称で啓発しています。入所時はその第一歩として、急変時の蘇生の希望・搬送先・医療の範囲などを確認します。

老健の役割と入所時面談で優先すべき内容、特にACPの観点を理解しているかを問うています。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。