COPD患者がインフルにかかった!訪問看護師が最初に見るのは?
看護師国家試験 第106回 午後 第55問
国試問題にチャレンジ
Aさん(65歳、男性)は、肺気腫( pulmonary emphysema )で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ( influenza )にかかりました。今朝から夫も 体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
- 1.喀痰の性状
- 2.胸痛の有無
- 3.関節痛の有無
- 4.経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO 2 〉
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラPOINT
COPD+在宅酸素療法患者の感染症罹患というハイリスク状況でのトリアージ問題。「ABCの優先」「呼吸状態を最優先」という救急看護の基本原則を問う。
解答・解説
正解は4です
問題文:Aさん(65歳、男性)は、肺気腫( pulmonary emphysema )で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ( influenza )にかかりました。今朝から夫も 体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
解説:正解は 4 です。Aさんは肺気腫(COPD)で在宅酸素療法を受けている慢性呼吸器疾患患者であり、インフルエンザ感染は容易にCOPDの急性増悪を引き起こし、生命を脅かす呼吸不全に進展するリスクが極めて高い状態です。訪問看護師が最も優先して確認すべきは呼吸状態、すなわちSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)であり、低下していれば医師への連絡や酸素流量の調整、救急搬送の判断につながります。
選択肢考察
- ×1. 喀痰の性状
感染時には喀痰の量や膿性化など変化が出るため大切な観察項目ではあるが、生命予後に直結する呼吸状態の評価が優先される。喀痰の性状は呼吸状態確認の後に続ける。
- ×2. 胸痛の有無
激しい咳で筋肉痛が生じることや肺炎併発時に胸膜痛が出ることもあるが、呼吸状態評価が先。胸痛の訴えは問診で合わせて確認すればよい項目である。
- ×3. 関節痛の有無
インフルエンザでは全身倦怠感・関節痛・筋肉痛が出るが、生命に直結する症状ではない。Aさんの場合は呼吸不全リスクのほうが優先度がはるかに高い。
- ○4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO 2 〉
COPD+在宅酸素療法中の患者がインフルエンザに罹患した状況では、急性増悪によるII型呼吸不全が最大のリスク。SpO2の確認が最優先となり、低下があれば速やかに医師報告・救急対応を検討する。
COPDの急性増悪はウイルス・細菌感染(特にインフルエンザ、RSウイルス、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌など)で誘発されやすく、呼吸困難増悪・喀痰増量・膿性痰が三徴。普段より低いSpO2値、補助呼吸筋の使用、口すぼめ呼吸の増加、チアノーゼ、傾眠・意識障害(CO2ナルコーシス)に注意する。在宅酸素使用中の増悪時は自己判断で酸素流量を増やすとCO2貯留を悪化させる危険があるため、医師の指示を仰ぐことが原則。予防には毎年のインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンが重要で、家族内感染対策(マスク・手洗い・隔離)も欠かせない。
COPD+在宅酸素療法患者の感染症罹患というハイリスク状況でのトリアージ問題。「ABCの優先」「呼吸状態を最優先」という救急看護の基本原則を問う。
「在宅医療機器管理」の関連問題
在宅胃瘻ケア——家族が知っておくべき4つのポイント
在宅胃瘻管理における家族指導の正誤を問う問題。注入物・瘻孔ケア・カテーテル交換頻度・注入時体位の4要素を整理する。
114回
ALS在宅療養の食事と胃瘻管理
ALS在宅療養における誤嚥予防姿勢と、胃瘻管理・生活リズム尊重の原則を理解しているかを問う設問です。
113回
在宅NPPV、家族にどう伝える
NPPV在宅管理における家族指導の適切性を、安全性と自己判断の範囲から評価できるかが問われています。
113回(状況設定)
人工呼吸器装着者の災害備え、何から始める
人工呼吸器装着者の災害対策における優先順位を、生命維持への直結度から判断できるかが問われています。
113回(状況設定)
在宅人工呼吸器ユーザーの家庭内インフルエンザ対策
人工呼吸器装着の在宅療養児に対する同居家族のインフルエンザ罹患時の感染対策を問う問題で、空間とケア担当の分離による交差感染予防の考え方が核となります。
113回(状況設定)
