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児童憲章ってなに?日本独自の子どもへの約束

看護師国家試験 第106午後82

国試問題にチャレンジ

106午後82

児童憲章について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 1.児童がよい環境の中で育てられることを定めている。
  2. 2.児童の権利に関する条約を受けて制定された。
  3. 3.児童が人として尊ばれることを定めている。
  4. 4.保護者の責務を定めている。
  5. 5.違反すると罰則規定がある。

対話形式の解説

博士博士
今日は「児童憲章」について学ぶぞ。看護師国試でも頻出のテーマじゃ。
サクラサクラ
児童憲章って聞いたことありますが、法律とは違うんですか?
博士博士
鋭い質問じゃ。児童憲章は1951年5月5日に制定された日本独自の「宣言」であって、法律ではないんじゃよ。だから罰則もないんじゃ。
サクラサクラ
へえ、じゃあ意味がないんですか?
博士博士
そんなことはない。理念を社会全体に示すことで、子どもに対する価値観を形作る重要な文書じゃ。この精神に基づいて児童福祉法などの具体的な法律が作られていくんじゃな。
サクラサクラ
制定日が5月5日って…こどもの日ですね!
博士博士
その通り。覚えやすいじゃろ?児童憲章には三つの原則があるんじゃ。「児童は、人として尊ばれる」「児童は、社会の一員として重んぜられる」「児童は、よい環境の中で育てられる」の三つじゃ。
サクラサクラ
子どもを一人の人格として尊重するという考え方ですね。
博士博士
うむ。戦後まもない混乱の時代に、大人の都合ではなく子どもの視点で権利を社会全体で守ろうと定めたんじゃよ。
サクラサクラ
ところで、「児童の権利に関する条約」っていうのも聞きますが、同じものですか?
博士博士
別物じゃ。「児童の権利に関する条約」は1989年に国連総会で採択された国際条約で、日本は1994年に批准した。児童憲章のほうがずっと先に作られたんじゃよ。
サクラサクラ
え、国際条約より日本のほうが先なんですか?
博士博士
日本のオリジナルじゃからな。ただし国際的な子どもの権利文書の流れでいうと、1924年のジュネーブ宣言が最初。これは国際連盟で採択された世界初の子どもの権利宣言じゃ。
サクラサクラ
なるほど、時系列で覚えると整理しやすいですね。
博士博士
その通り。ジュネーブ宣言(1924)→児童憲章(1951、日本独自)→児童権利宣言(1959、国連)→児童の権利に関する条約(1989)の順じゃ。
サクラサクラ
児童憲章で定められているのは「保護者の責務」ではなく「社会の責務」なんですよね?
博士博士
よく覚えておった!保護者の責務を定めるのは児童福祉法など。児童憲章は社会全体に対して子どもを守る責任を求めている点が重要じゃよ。看護師として地域の小児支援に関わる際、この理念は土台となるんじゃ。
サクラサクラ
単なる暗記ではなく、歴史的な背景を知ることで理解が深まりますね。

POINT

児童憲章の内容と法的位置づけを問う問題。三原則の条文と、罰則のない宣言であること、社会全体の責務であることが判別のポイント。

解答・解説

正解は1です

問題文:児童憲章について正しいのはどれか。2つ選べ。

解説:正解は 1 と 3 です。児童憲章は1951年(昭和26年)5月5日に制定された日本独自の宣言で、日本国憲法の精神に基づき児童の権利と幸福を守ることを目的としています。前文に続き「児童は、人として尊ばれる」「児童は、社会の一員として重んぜられる」「児童は、よい環境の中で育てられる」の三原則が掲げられており、選択肢1と3はいずれもこの条文に対応します。宣言であり法律ではないため罰則規定はなく、保護者ではなく社会全体の責務として規定されている点が重要です。

選択肢考察

  1. 1.  児童がよい環境の中で育てられることを定めている。

    児童憲章の三原則の一つ「児童は、よい環境の中で育てられる」と明記されており正しい。戦後の混乱の中、子どもの健全育成環境を社会が保障する姿勢を示したもの。

  2. ×2.  児童の権利に関する条約を受けて制定された。

    時系列が逆。児童憲章は1951年制定で、児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)は1989年の国連総会採択、日本批准は1994年。児童憲章のほうが先。

  3. 3.  児童が人として尊ばれることを定めている。

    三原則の冒頭に「児童は、人として尊ばれる」と記されている。児童を単なる保護対象ではなく一人の人格として尊重する理念を明文化した条項。

  4. ×4.  保護者の責務を定めている。

    児童憲章が定めるのは保護者ではなく社会全体の責務。保護者の責務について規定するのは児童福祉法などの法律である。

  5. ×5.  違反すると罰則規定がある。

    児童憲章は権利宣言であり、法律ではないため罰則は存在しない。理念を社会に示す啓発文書としての役割を担う。

児童に関連する主要な文書は時系列で整理すると覚えやすい。(1)1924年ジュネーブ宣言(国際連盟、世界初の子どもの権利宣言)、(2)1948年世界人権宣言、(3)1951年児童憲章(日本独自)、(4)1959年児童権利宣言(国連)、(5)1989年児童の権利に関する条約(国連採択、日本批准は1994年)。また国内法としては児童福祉法(1947年)、母子保健法(1965年)、児童虐待防止法(2000年)などが関連する。制定日の5月5日は「こどもの日」でもある点も記憶の手がかりになる。

児童憲章の内容と法的位置づけを問う問題。三原則の条文と、罰則のない宣言であること、社会全体の責務であることが判別のポイント。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。