訪問看護の入浴介助 脱水とヒートショックを防ぐ基本原則
看護師国家試験 第106回 午前 第68問
国試問題にチャレンジ
在宅で訪問看護師が行う要介護者の入浴に関する援助で適切なのはどれか。
- 1.入浴前後に水分摂取を促す。
- 2.浴室の換気は入浴直前に行う。
- 3.浴槽に入っている間に更衣の準備をする。
- 4.入浴前の身体状態の観察を家族に依頼する。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
在宅入浴援助の安全管理の原則(脱水予防・ヒートショック予防・転倒溺水防止)から最も基本的な項目を選ぶ問題。
解答・解説
正解は1です
問題文:在宅で訪問看護師が行う要介護者の入浴に関する援助で適切なのはどれか。
解説:正解は 1 の「入浴前後に水分摂取を促す」です。入浴は温熱作用・静水圧・浮力などにより全身の血行を促進し、リラクゼーションや清潔保持に寄与する一方、発汗・血管拡張により脱水・血圧低下・起立性低血圧・意識消失・浴槽内事故のリスクを伴います。特に高齢者は口渇中枢の感度低下で脱水傾向にあるため、入浴前後に水分(コップ1杯程度)を摂取してもらうことが安全管理の基本です。加えて、浴室・脱衣所の温度差を小さくしてヒートショックを防ぐ、入浴は食後1時間以降にする、入浴中は1人にしないといった基本原則も押さえましょう。
選択肢考察
- ○1. 入浴前後に水分摂取を促す。
発汗による脱水予防と循環動態の安定のため、入浴前後の水分摂取は最も基本的で適切な援助。高齢者は口渇を感じにくいため、看護師からの促しが重要。
- ×2. 浴室の換気は入浴直前に行う。
直前に換気すると浴室と脱衣所の温度差が広がり、ヒートショックのリスクが上がる。換気は事前に済ませ、入浴前には浴室と脱衣所を十分に温めておくのが望ましい。
- ×3. 浴槽に入っている間に更衣の準備をする。
浴槽内で意識消失・溺水・転倒が起こり得るため、入浴中は目と手を離してはならない。更衣・タオル・着替えは入浴前に準備しておく。
- ×4. 入浴前の身体状態の観察を家族に依頼する。
バイタルサインや全身状態の観察は専門職である看護師の責務。家族の観察を参考にすることはあっても、看護師自身が必ず観察を行う必要がある。
高齢者の入浴事故は年間約19,000人が死亡する(厚労省推計、ヒートショック関連含む)大きな健康課題で、冬場12〜2月に集中する。予防のポイントは「脱衣所・浴室を20〜25℃程度に温める」「湯温41℃以下」「湯につかる時間10分以内」「食直後や飲酒後は避ける」「一人で入浴させない」「入浴前後の水分補給」など。訪問看護師は入浴介助そのものに加え、こうした環境調整の教育も担う。
在宅入浴援助の安全管理の原則(脱水予防・ヒートショック予防・転倒溺水防止)から最も基本的な項目を選ぶ問題。
「在宅生活支援・その他」の関連問題
在宅療養者の服薬自己管理 〜お薬手帳が主役になる理由〜
在宅療養者の服薬自己管理において、安全性を高める基本行動として「お薬手帳の持参」が果たす役割を問う問題である。自己管理と介助の違い、剤形変更の危険性、薬剤の一元管理の重要性を整理しておくことがポイントとなる。
115回
IADLとBADLの違いを見抜こう!訪問看護のアセスメント
BADL(食事・更衣・入浴・排泄など基本動作)とIADL(家事・買い物・服薬管理など応用動作)の違いを区別できるかを問う基本問題です。洗濯はIADLの代表項目であることを押さえましょう。
115回
Aさんに合う歩行補助具を選ぶ
対象者の身体機能・生活環境・本人の希望を総合して、最適な歩行補助具を選択する臨床判断力を問う問題です。
113回
一人暮らし高齢者の服薬アセスメント
在宅療養者への服薬支援で、問題に気付いた訪問看護師がまず取るべき情報収集の姿勢を問う一問です。
113回
室温30℃の部屋で起こった異変 ― 在宅高齢者の熱中症応急処置
室温30℃の在宅高齢者の熱中症を想定し、医師到着までの応急処置として適切な冷却方法を選ぶ問題。胃瘻造設という背景から経口水分摂取が不適切である点も押さえる。
112回
