思春期の『心の親離れ』=心理的離乳とは?
看護師国家試験 第106回 午前 第78問
国試問題にチャレンジ
思春期に、親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立することを示すのはどれか。
- 1.自我同一性の獲得
- 2.心理的離乳
- 3.愛着形成
- 4.探索行動
- 5.母子分離
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
発達心理学の基本概念を問う問題。『思春期+親からの精神的自立』=心理的離乳(ホリングワース)の対応関係を押さえる。愛着・探索行動・母子分離は乳幼児期の概念なので紛らわしいが発達段階で区別可能。
解答・解説
正解は2です
問題文:思春期に、親や家族との関係が依存的な関係から対等な関係に変化し、精神的に自立することを示すのはどれか。
解説:正解は 2 の心理的離乳です。心理的離乳(psychological weaning)とは、アメリカの心理学者ホリングワース(Leta Hollingworth)が提唱した概念で、思春期(12歳前後〜青年期)に子どもが親や家族への精神的依存から離れ、自分で判断し行動する自立した個人になろうとする過程を指します。身体的離乳(乳児期の断乳)に対して精神的な親離れを意味します。この時期には自立への欲求と依存したい気持ちの葛藤、親への反抗(第二次反抗期)、友人関係の重視などが特徴的にみられ、自我同一性(アイデンティティ)確立の土台となります。
選択肢考察
- ×1. 自我同一性の獲得
誤り。自我同一性(アイデンティティ)はエリクソンの発達理論で青年期(思春期後期〜青年期)の発達課題とされる概念。『自分とは何者か』を主観的に確立することで、親との関係性の変化そのものを指す用語ではない。ただし心理的離乳と相互に関連する。
- ○2. 心理的離乳
正しい。ホリングワースの提唱した概念で、思春期に親への精神的依存を脱して対等な関係・自立へ向かう過程。
- ×3. 愛着形成
誤り。愛着(アタッチメント)はボウルビィが提唱した概念で、乳児期(特に生後6〜18か月頃)に母親など特定の養育者との間に築かれる情緒的絆。思春期の親離れの現象とは別概念。
- ×4. 探索行動
誤り。乳幼児期(概ね1歳前後〜)に見られる、周囲の環境に好奇心を持って働きかける行動。愛着の安全基地から出発する行動として知られる。
- ×5. 母子分離
誤り。乳幼児が母親と離れる際に不安を示す『分離不安』と、その後の身体的・情緒的な母親からの離脱過程を指す。思春期の精神的自立とは発達段階が異なる。
発達課題を発達段階ごとに整理すると理解しやすい。【乳児期】愛着形成(ボウルビィ)、基本的信頼vs不信(エリクソン)。【幼児期】探索行動、自律性vs恥・疑惑。【学童期】勤勉性vs劣等感。【思春期】心理的離乳(ホリングワース)、第二次反抗期、自我同一性確立の開始(エリクソン)。【青年期】自我同一性vs役割拡散の解決。【成人期】親密性、世代性。【老年期】統合vs絶望。心理的離乳に伴う情緒不安定・反抗を家族が理解し、見守る姿勢が重要で、看護師は思春期の患者や家族への心理教育を担う。
発達心理学の基本概念を問う問題。『思春期+親からの精神的自立』=心理的離乳(ホリングワース)の対応関係を押さえる。愛着・探索行動・母子分離は乳幼児期の概念なので紛らわしいが発達段階で区別可能。
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