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児童虐待と一時保護の決定権

看護師国家試験 第108午前80

国試問題にチャレンジ

108午前80

ネグレクトを受けている児の一時保護を決定するのはどれか。

  1. 1.家庭裁判所長
  2. 2.児童相談所長
  3. 3.保健所長
  4. 4.警察署長
  5. 5.市町村長

対話形式の解説

博士博士
今日は児童虐待対応の法制度を学ぼう。ネグレクトは虐待の4類型のうちのひとつじゃ。
サクラサクラ
身体的、心理的、性的、ネグレクトですね。
博士博士
よく覚えておる。ネグレクトは養育の放棄、つまり食事を与えない、不衛生、医療を受けさせない、学校に行かせないなどじゃ。
サクラサクラ
疑われた時はどう動きますか。
博士博士
まず通告義務がある。児童虐待防止法第6条で、虐待を疑った場合は市町村・児童相談所・福祉事務所への通告義務を国民全員が負う。
サクラサクラ
看護師も通告しますね。守秘義務より優先ですか。
博士博士
その通り、守秘義務違反にはならんと法律に明記されておる。
サクラサクラ
では一時保護は誰が決めるんですか。
博士博士
児童福祉法第33条で児童相談所長に決定権があるのじゃ。
サクラサクラ
親の同意は要らないんですか。
博士博士
緊急性があれば親権者の同意なしに保護できる。これが非常に重要なポイントじゃ。
サクラサクラ
期間の制限はありますか。
博士博士
原則2か月以内じゃ。それを超える継続や、親権者の意に反する施設入所は家庭裁判所の承認が必要になる。
サクラサクラ
選択肢1の家庭裁判所長は違うんですね。
博士博士
家裁は司法判断を担う機関で、一時保護開始の決定権は持たん。
サクラサクラ
選択肢3の保健所長は。
博士博士
保健所は地域保健や母子保健の拠点じゃが、虐待対応の一時保護は権限外じゃ。
サクラサクラ
警察署長は。
博士博士
警察は臨検・捜索や通告協力は行うが、一時保護の決定は児相じゃ。保護の場として委託されることはある。
サクラサクラ
市町村長も違うんですね。
博士博士
市町村は身近な相談窓口と要保護児童対策地域協議会の運営が役割じゃ。
サクラサクラ
児童相談所は全国にありますか。
博士博士
各都道府県と政令指定都市に設置義務があり、近年は中核市や特別区にも設置が進んでおる。

POINT

児童虐待対応において一時保護の決定権が児童相談所長にあることを理解しているかを問う問題です。

解答・解説

正解は2です

問題文:ネグレクトを受けている児の一時保護を決定するのはどれか。

解説:正解は 2 です。児童福祉法第33条により、児童相談所長は虐待(身体的・心理的・性的・ネグレクト)を受けている児童について、必要と認めるときに独自の判断で一時保護を決定できます。一時保護は原則2か月以内で、親権者の同意は不要です。2か月を超えて継続する場合や親権者の意に反する場合は家庭裁判所の承認が必要になります。

選択肢考察

  1. ×1.  家庭裁判所長

    家庭裁判所は2か月を超える一時保護の継続承認や、施設入所措置の親権者意思に反する承認など、司法判断を担います。一時保護開始の決定権はありません。

  2. 2.  児童相談所長

    児童福祉法第33条により、児童相談所長は一時保護を決定する権限を有します。緊急性がある場合は親権者の同意なしに迅速に保護できます。

  3. ×3.  保健所長

    保健所は地域住民の健康危機管理、感染症対策、母子保健などを担いますが、児童虐待の一時保護は権限外です。

  4. ×4.  警察署長

    警察は臨検・捜索や児童相談所への通告・協力を行いますが、一時保護の決定権は持ちません。児童相談所の委託を受けて保護の場を提供することはあります。

  5. ×5.  市町村長

    市町村は住民に身近な相談窓口や要保護児童対策地域協議会の運営を担いますが、一時保護の決定権は児童相談所長にあります。

児童虐待は身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・ネグレクトの4類型に分類されます。一時保護は児童相談所または委託先(警察、医療機関、里親等)で実施され、原則2か月以内、超過には家庭裁判所承認が必要です。学校・医療機関・地域住民は虐待の疑いがあれば市町村・児童相談所・福祉事務所への通告義務(児童虐待防止法第6条)があります。

児童虐待対応において一時保護の決定権が児童相談所長にあることを理解しているかを問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。