StudyNurse

初回訪問の声かけと生活の尊重

看護師国家試験 第110午後65

国試問題にチャレンジ

110午後65

Aさん( 79歳、男性)は、1人暮らし。要介護2の認定を受け、訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、Aさんは敷いたままの布団の上に座っており「便利だから生活に必要なものを手の届くところに置いているんだよ」と話した。 Aさんの生活様式を尊重した訪問看護師のこのときの声かけで適切なのはどれか。

  1. 1.「外に出て気分転換しませんか」
  2. 2.「昼間は布団をたたみましょう」
  3. 3.「介護保険でベッドの貸与を受けましょう」
  4. 4.「必要なものを身近に置いているのですね」

対話形式の解説

博士博士
79歳のAさん、要介護2で一人暮らし。布団の上に必要なものを並べて生活しておる。
サクラサクラ
初回訪問ですね。看護師として何を話すべきでしょうか。
博士博士
設問のキーワードは『生活様式を尊重』じゃよ。
サクラサクラ
それなら本人の言葉を否定せずに受け止めることが大事ですね。
博士博士
その通りじゃ。外出を促すのは適切か?
サクラサクラ
Aさんの意向も体力も把握していないので不適切です。
博士博士
布団をたたみましょうは?
サクラサクラ
本人が便利だと言っているのを否定する形になります。
博士博士
ベッドの貸与は?
サクラサクラ
希望がない段階での提案は一方的ですね。
博士博士
そう、初回訪問でまず行うのは何じゃ?
サクラサクラ
信頼関係の構築と情報収集、そしてADLや環境のアセスメントです。
博士博士
そのために『必要なものを身近に置いているのですね』とリフレクションするのじゃ。
サクラサクラ
本人の工夫を認めつつ状況把握ができるのですね。
博士博士
在宅看護は本人の生活の主体性を尊重する姿勢が鉄則じゃよ。
サクラサクラ
ケアプラン立案は次のステップで進めればよいのですね。

POINT

在宅看護における初回訪問の基本姿勢と、利用者の生活様式・自己決定を尊重する関わり方を問う問題です。

解答・解説

正解は4です

問題文:Aさん( 79歳、男性)は、1人暮らし。要介護2の認定を受け、訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、Aさんは敷いたままの布団の上に座っており「便利だから生活に必要なものを手の届くところに置いているんだよ」と話した。 Aさんの生活様式を尊重した訪問看護師のこのときの声かけで適切なのはどれか。

解説:正解は 4 です。初回訪問は利用者との信頼関係を築く最初の場面であり、まずは本人の生活様式を受け止め尊重する姿勢が大切です。「必要なものを身近に置いているのですね」と言葉を返すことで、Aさんの生活への肯定的な理解を示し、今後のケア計画立案に必要な情報収集につなげられます。

選択肢考察

  1. ×1.  「外に出て気分転換しませんか」

    外出の提案は生活状況や意向を把握していない初回訪問では不適切です。Aさんは現状を「便利だ」と肯定しており、看護師の価値観を押し付けることになり、生活様式の尊重になりません。

  2. ×2.  「昼間は布団をたたみましょう」

    布団を敷いたままの生活はAさんが工夫して選んだ形態です。初回から改善を指示するのは信頼関係を損ね、自立支援の原則にも反します。

  3. ×3.  「介護保険でベッドの貸与を受けましょう」

    要介護2では特殊寝台の貸与は原則として対象外で、また本人がベッドを希望していない時点での提案は不適切です。アセスメントもないまま一方的に福祉用具を勧めるべきではありません。

  4. 4.  「必要なものを身近に置いているのですね」

    Aさんの発言を受容し繰り返す(リフレクション)ことで、相手の生活様式を尊重する姿勢を示せます。初回訪問で信頼関係構築と情報収集を兼ねた適切な声かけです。

介護保険の福祉用具貸与では、特殊寝台・特殊寝台付属品・車椅子・認知症老人徘徊感知機器などは原則要介護2以上でも「軽度者」扱いで対象外の品目があり、特殊寝台は要介護2以上が対象ですが医師の意見書で個別判断されます。在宅看護の基本姿勢は『本人の生活の主体性を尊重しながら、必要な支援を本人と合意のうえで導入する』ことです。

在宅看護における初回訪問の基本姿勢と、利用者の生活様式・自己決定を尊重する関わり方を問う問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。