高齢者の五感はこう変わる!痛みに鈍くなり夜が見えにくくなる理由
看護師国家試験 第114回 午後 第88問
国試問題にチャレンジ
高齢者における感覚器の変化の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.高音域の聴力が保持される。
- 2.痛覚の感受性が低下する。
- 3.味覚の閾値が低下する。
- 4.暗順応が低下する。
- 5.嗅覚は保持される。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
加齢に伴う感覚器(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・痛覚)の変化を正しく理解しているかを問う問題。「保持される」「閾値が低下する」など紛らわしい表現に注意。
解答・解説
正解は2です
問題文:高齢者における感覚器の変化の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は 2 の「痛覚の感受性が低下する。」と 4 の「暗順応が低下する。」です。加齢に伴い、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚痛覚)はいずれも全般的に機能低下します。皮膚の感覚受容器の減少や末梢神経・中枢神経の伝達機能の低下により痛覚閾値は上昇し、痛みを感じにくくなります。また、網膜の杆体細胞機能の低下、瞳孔反射の減弱(老人性縮瞳)、水晶体の混濁などにより、明所から暗所に入ったときに目が慣れる暗順応が遅延・低下します。
選択肢考察
- ×1. 高音域の聴力が保持される。
加齢性難聴では内耳蝸牛の有毛細胞の減少により、まず高音域から聴力が低下する。逆に高音域は最も保持されにくい音域である。
- ○2. 痛覚の感受性が低下する。
皮膚の自由神経終末や脊髄・脳の伝達機能の低下により痛覚閾値が上昇し、痛みを感じにくくなる。熱傷や外傷、心筋梗塞の症状を見逃しやすくなるリスクがあり、客観的な観察が重要となる。
- ×3. 味覚の閾値が低下する。
加齢に伴い味蕾数の減少や唾液分泌の低下により、味を感じにくくなる。すなわち閾値は「上昇」する。特に塩味の感受性低下が顕著で、塩分過多になりやすい。
- ○4. 暗順応が低下する。
網膜の杆体細胞機能低下、瞳孔の縮瞳傾向、水晶体の混濁などにより、暗所に目が慣れるまでの時間が長くなる。夜間転倒のリスク要因となる。
- ×5. 嗅覚は保持される。
嗅上皮の感覚細胞減少や嗅神経機能の低下により、嗅覚も加齢で低下する。食事の楽しみが減るほか、ガス漏れや火災などの危険察知能力の低下にもつながる。
高齢者の感覚器変化は日常生活の安全に直結する。痛覚低下は熱傷・褥瘡・心筋梗塞などの重要徴候を見逃すリスク、暗順応低下は夜間転倒のリスク、味覚低下は塩分過多・低栄養のリスク、嗅覚低下は腐敗食品やガス漏れなどへの危険察知能力低下、聴覚低下はコミュニケーション障害や社会的孤立につながる。看護では本人の自覚的訴えだけに頼らず、客観的観察と環境整備(夜間の足元灯、減塩でも美味しい味付けの工夫、火災警報器など)を組み合わせる視点が必要である。
加齢に伴う感覚器(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・痛覚)の変化を正しく理解しているかを問う問題。「保持される」「閾値が低下する」など紛らわしい表現に注意。
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