高齢者は薬が効きすぎる—老年期の身体変化と薬物動態
看護師国家試験 第114回 午後 第8問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
老年期の身体機能の変化で正しいのはどれか。
- 1.耐糖能は向上する。
- 2.尿濃縮力は向上する。
- 3.薬物代謝は遅延する。
- 4.肺の残気量は減少する。
対話形式の解説
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サクラPOINT
高齢者の薬物動態の特徴を問う問題。「肝・腎機能低下→代謝・排泄遅延→副作用増加」のロジックを押さえる。
解答・解説
正解は3です
問題文:老年期の身体機能の変化で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。老年期では加齢に伴い肝血流量・肝細胞機能が低下し、薬物代謝酵素(特にCYP450系)の活性も低下します。さらに腎機能低下により薬物排泄が遅延するため、薬物の血中濃度が高くなりやすく、作用増強や副作用発現のリスクが高まります。これに加えて体内総水分量の減少と脂肪量の増加が分布容積を変化させ、脂溶性薬物の作用が遷延しやすくなります。
選択肢考察
- ×1. 耐糖能は向上する。
加齢に伴いインスリン分泌の低下、インスリン抵抗性の増大、筋肉量減少による糖取り込み低下が生じ、耐糖能は低下する。高齢者で2型糖尿病が多い理由。
- ×2. 尿濃縮力は向上する。
腎血流量・糸球体濾過量の低下と尿細管機能の低下により尿濃縮力は低下する。脱水を起こしやすい原因。
- ○3. 薬物代謝は遅延する。
肝血流量低下・肝細胞減少・CYP活性低下、腎機能低下による排泄遅延により薬物代謝・排泄が遅延し、副作用リスクが上昇する。
- ×4. 肺の残気量は減少する。
肺胞・気道の弾性低下と呼吸筋力低下により残気量は増加する。一方で肺活量は低下するため、ガス交換効率が悪化する。
老年期の主な生理機能変化を整理すると、循環器系:最大心拍数低下・血管硬化・血圧上昇傾向、呼吸器系:肺活量低下・残気量増加・換気効率低下、腎泌尿器系:糸球体濾過量低下・尿濃縮力低下・夜間尿増加、消化器系:唾液・胃酸分泌低下・腸蠕動低下、内分泌:インスリン抵抗性増加・耐糖能低下、神経系:神経伝導速度低下・短期記憶低下、感覚器:視力・聴力低下、骨格筋:筋肉量・筋力低下(サルコペニア)など。これらは全身に及び、薬物動態・栄養状態・転倒リスクに直結する。
高齢者の薬物動態の特徴を問う問題。「肝・腎機能低下→代謝・排泄遅延→副作用増加」のロジックを押さえる。
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