乏尿の正体—1日400mLが分ける「老廃物を捨てきれるか」の境界線
看護師国家試験 第115回 午後 第15問 / 必修問題
国試問題にチャレンジ
成人の乏尿の説明で正しいのはどれか。
- 1.尿線が途切れる。
- 2.尿の勢いが弱い。
- 3.1日の尿量が400mL以下である。
- 4.1日の排尿回数が4回以下である。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
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博士
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サクラ
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サクラ
博士
サクラPOINT
成人の「乏尿」の定義(1日尿量400mL以下)を問う基本問題。尿線途絶や尿勢低下といった排尿障害症状や、排尿回数で表される頻尿との違いを明確に区別できるかがポイント。
解答・解説
正解は3です
問題文:成人の乏尿の説明で正しいのはどれか。
解説:正解は 3 です。乏尿(oliguria)とは、成人において1日尿量がおおむね400mL以下となった状態を指します。健常成人の1日尿量は通常1,000〜1,500mL程度ですが、体内で生じた老廃物(特に尿素・クレアチニン・電解質など)を腎臓が水に溶かして排泄するためには、最低でも1日400mL程度の尿が必要とされており、これを下回ると老廃物が体内に蓄積して尿毒症や電解質異常をきたしやすくなります。そのため400mL/日というラインが「乏尿」の定義として臨床的にも国試的にも重要な数値となっています。なお、AKI(急性腎障害)のKDIGO基準では「0.5mL/kg/時未満が6時間以上持続」という時間単位の指標も用いられます。
選択肢考察
- ×1. 尿線が途切れる。
排尿中に尿の流れが途切れる「尿線途絶」を表す症状で、前立腺肥大症や膀胱結石、神経因性膀胱などでみられる排尿障害(下部尿路症状)の一つ。尿量そのものを示す乏尿の定義とは関係しない。
- ×2. 尿の勢いが弱い。
尿勢低下(weak stream)を指し、前立腺肥大症などによる尿道の通過障害でみられる排尿症状。これも排尿の質に関する所見であり、1日の総尿量で定義される乏尿とは区別される。
- ○3. 1日の尿量が400mL以下である。
成人における乏尿の定義として正しい。体内で生じた老廃物を排泄するために最低限必要な尿量を下回った状態であり、放置すると高窒素血症・高カリウム血症・うっ血性心不全など重篤な合併症を招くため、原因(腎前性・腎性・腎後性)の鑑別と早期介入が必要となる。
- ×4. 1日の排尿回数が4回以下である。
排尿回数は「頻尿(8回以上/日)」「希発尿(少ない)」など回数で評価される指標であり、尿量で定義する乏尿とは別概念。健常成人の排尿回数は1日4〜7回程度であり、4回以下でも尿量が保たれていれば乏尿には該当しない。
尿量に関する主な定義は以下の通り、国試頻出ポイント。 ・無尿:1日尿量100mL以下 ・乏尿:1日尿量400mL以下 ・多尿:1日尿量3,000mL以上 ・頻尿:1日排尿回数8回以上 ・夜間頻尿:夜間に排尿のために1回以上起きる状態 乏尿・無尿の原因は3つに分類して整理する。 1) 腎前性:脱水・出血・心不全・ショックなど腎血流量低下による(最多) 2) 腎性:急性尿細管壊死、急性糸球体腎炎、薬剤性腎障害など腎実質の障害 3) 腎後性:尿路結石、前立腺肥大、腫瘍などによる尿路閉塞 AKI(急性腎障害)のKDIGO診断基準では、①48時間以内に血清Crが0.3mg/dL以上上昇、②7日以内に基礎値の1.5倍以上に上昇、③尿量0.5mL/kg/時未満が6時間以上持続、のいずれかで診断する。看護では尿量を毎時測定し、in-outバランス・体重・浮腫・血圧・電解質を併せて評価することが重要。
成人の「乏尿」の定義(1日尿量400mL以下)を問う基本問題。尿線途絶や尿勢低下といった排尿障害症状や、排尿回数で表される頻尿との違いを明確に区別できるかがポイント。
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