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腎臓の働きを数値で見る!糸球体濾過機能とクレアチニンクリアランスのキホン

看護師国家試験 第115午後16 / 必修問題

国試問題にチャレンジ

115午後16

糸球体濾過機能を評価する項目はどれか。

  1. 1.アミラーゼ
  2. 2.トロポニン
  3. 3.γ-GTP〈γ-GT〉
  4. 4.クレアチニンクリアランス

対話形式の解説

博士博士
今日は腎臓の「糸球体濾過機能」をどう評価するかについて学ぶぞ。検査項目をただ暗記するだけでなく、なぜその項目で腎機能がわかるのか、仕組みから押さえていこう。
サクラサクラ
糸球体濾過機能って、そもそも何を測っているんですか?
博士博士
良い出発点じゃ。腎臓には糸球体という毛細血管の塊が片腎に約100万個あり、血液をろ過して原尿を作る役割を担っておる。この「単位時間あたりにどれくらいろ過できているか」を量で表したものが糸球体濾過量、つまりGFR(Glomerular Filtration Rate)じゃ。
サクラサクラ
なるほど。GFRが下がると、腎臓のろ過する力が落ちているということですね。
博士博士
その通り。慢性腎臓病〈CKD〉のステージ分類もGFRを基準に決まっておるからの。さて、ではGFRをどうやって測るかが問題になる。理想は、糸球体で完全にろ過されて尿細管で再吸収も分泌もされない物質のクリアランスを測ることじゃ。
サクラサクラ
クリアランス…って何でしたっけ?
博士博士
ある物質を血液中から取り除く能力のことじゃ。「単位時間あたりに、その物質を含む血漿何mLぶんを完全にきれいにできたか」と考えるとよい。理想物質ならクリアランス=GFRになる。
サクラサクラ
その理想物質って、実際にあるんですか?
博士博士
ある。「イヌリン」じゃ。イヌリンクリアランスはGFR測定のゴールドスタンダードじゃが、点滴で投与しながら何度も採血・採尿せねばならず、日常診療には向かん。
サクラサクラ
じゃあ、日常的にはどうしているんですか?
博士博士
そこで使われるのが「クレアチニン」じゃ。クレアチニンは筋肉のクレアチンリン酸が代謝されてできる老廃物で、糸球体で自由にろ過され、尿細管でほぼ再吸収されない。だからクレアチニンクリアランス(Ccr)でGFRを近似できるのじゃ。
サクラサクラ
今回の問題の正解、選択肢4「クレアチニンクリアランス」ですね。他の選択肢はどう考えればいいですか?
博士博士
臓器ごとに整理すると一発じゃ。アミラーゼは膵臓・唾液腺、トロポニンは心筋、γ-GTPは肝・胆道系を反映する。腎臓の糸球体機能を見たいときに使うのはクレアチニン関連の指標だけ、と覚えるのじゃ。
サクラサクラ
Ccrは具体的にどうやって測るんですか?
博士博士
基本は24時間蓄尿じゃ。24時間ぶんの尿を全部ためて尿中クレアチニン濃度と尿量を測り、同時期の血清クレアチニン値と合わせて計算する。看護師としては「蓄尿の開始時刻に膀胱を空にしてもらい、24時間後の最後の尿も必ず採取する」という指導がポイントになる。
サクラサクラ
蓄尿、患者さんにきちんと説明しないと値が狂ってしまいますね。
博士博士
その通り。最近は蓄尿不要の「eGFR(推算糸球体濾過量)」もよく使われる。血清クレアチニン値・年齢・性別から計算式で出すもので、CKDのステージ分類でおなじみじゃな。
サクラサクラ
血清クレアチニンだけだと不十分なんですか?
博士博士
血清クレアチニン値は筋肉量に影響されるため、高齢者ややせた人では「数値は正常」でも実はGFRがかなり落ちている、ということが起こりうる。だから年齢・性別で補正したeGFRや、筋肉量の影響を受けにくいシスタチンCを併用するのじゃ。
サクラサクラ
腎機能を一つの数値で判断せず、組み合わせて見ることが大事なんですね。とても整理できました。

POINT

腎機能のうち特に糸球体での濾過機能を評価する血液・尿検査項目を選ぶ問題。各検査項目がどの臓器の機能を反映しているか(アミラーゼ=膵、トロポニン=心、γ-GTP=肝胆道、クレアチニン関連=腎)を整理できているかが鍵となる。

解答・解説

正解は4です

問題文:糸球体濾過機能を評価する項目はどれか。

解説:正解は 4 です。糸球体濾過機能とは、腎臓の糸球体が単位時間あたりにどれだけの血漿を濾過して原尿を生成しているかを表す働きで、その量的指標を糸球体濾過量(GFR:Glomerular Filtration Rate)と呼ぶ。クレアチニンは骨格筋由来の代謝産物で、糸球体で自由に濾過され、尿細管でほとんど再吸収されないという特性をもつため、その腎クリアランス(クレアチニンクリアランス:Ccr)を測定するとGFRの近似値として腎機能を評価できる。Ccrは通常24時間蓄尿で得た尿中クレアチニン濃度・尿量と、同時期の血清クレアチニン値から算出され、糸球体濾過機能を反映する代表的な検査として臨床で広く用いられている。

選択肢考察

  1. ×1.  アミラーゼ

    アミラーゼは膵臓と唾液腺から分泌されるデンプン分解酵素で、急性膵炎・慢性膵炎・耳下腺炎などで上昇する。膵・唾液腺機能の評価項目であり、糸球体濾過機能とは関連しない。

  2. ×2.  トロポニン

    心筋トロポニン(T・I)は心筋細胞に特異的に存在する収縮タンパクで、急性心筋梗塞をはじめとする心筋障害で血中に逸脱する。心筋傷害マーカーであり、腎機能評価の指標ではない。

  3. ×3.  γ-GTP〈γ-GT〉

    γ-GTP〈γ-GT〉は胆道系酵素のひとつで、アルコール性肝障害・胆汁うっ滞・薬剤性肝障害などで上昇する。肝・胆道系の評価に用いられる項目であり、糸球体濾過機能とは無関係。

  4. 4.  クレアチニンクリアランス

    クレアチニンが糸球体で自由に濾過され尿細管でほぼ再吸収されない性質を利用し、糸球体濾過量(GFR)を近似的に推定する検査。値の低下は糸球体濾過機能の低下を意味し、慢性腎臓病〈CKD〉の評価や薬剤の投与量調節などに用いられる、糸球体濾過機能の代表的な評価項目である。

糸球体濾過機能の指標には複数の手法があり、それぞれ特徴を理解しておきたい。 ・イヌリンクリアランス:糸球体で完全に濾過され尿細管で出入りしない外来物質を用いるGFR測定のゴールドスタンダードだが、点滴投与と頻回採尿・採血が必要で煩雑。 ・クレアチニンクリアランス(Ccr):24時間蓄尿+血清クレアチニン測定で算出。簡便だが、尿細管からのわずかな分泌のためGFRをやや過大評価する傾向がある。 ・推算糸球体濾過量(eGFR):血清クレアチニン値・年齢・性別から推算式で求める。蓄尿不要で日常診療やCKDのステージ分類に用いられる。 ・シスタチンC:筋肉量・食事の影響を受けにくく、高齢者や小児、筋肉量の少ない患者でクレアチニンより精度の高い腎機能指標として使われる。 CKDのステージは eGFR <60mL/分/1.73㎡が3か月以上持続する状態などで定義され、ステージG3以降は心血管イベントや末期腎不全のリスクが高まるため、早期発見・管理が看護の重要課題となる。

腎機能のうち特に糸球体での濾過機能を評価する血液・尿検査項目を選ぶ問題。各検査項目がどの臓器の機能を反映しているか(アミラーゼ=膵、トロポニン=心、γ-GTP=肝胆道、クレアチニン関連=腎)を整理できているかが鍵となる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。