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育児・介護休業法で請求できるのはどれ?混同しやすい母性保護法令を整理

看護師国家試験 第115午後63

国試問題にチャレンジ

115午後63

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉によって労働者が請求できるのはどれか。

  1. 1.育児時間
  2. 2.産後休業
  3. 3.育児休業給付
  4. 4.労働時間の短縮

対話形式の解説

博士博士
今日は115回看護師国家試験から、育児・介護休業法に関する問題を扱うぞ。労働者の権利と母性保護に関わる法律は、似たような制度が複数の法律に分散しておるから、看護師にとっても整理が必要な分野じゃ。
サクラサクラ
はい!「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」って、名前が長くて頭がパンクしそうです…。
博士博士
通称「育児・介護休業法」と呼ぶことが多い。1991年に育児休業法として制定され、1995年に介護休業も加わって今の名前になったのじゃよ。仕事と育児・介護を両立するための法律という位置付けじゃ。
サクラサクラ
今回の選択肢は「育児時間」「産後休業」「育児休業給付」「労働時間の短縮」の4つですね。どれも育児や働き方に関係しそうで、見分けが難しいです。
博士博士
ふむ。一つずつ整理しよう。まず選択肢1の「育児時間」は労働基準法第67条じゃ。生後1年未満の子を育てる女性が、1日2回各30分の育児時間を請求できるという制度。授乳や搾乳のための時間を想定しておる。
サクラサクラ
労働基準法なんですね。育児に関する制度だから育児・介護休業法かと思いました…。
博士博士
ひっかけポイントじゃな。次に選択肢2の「産後休業」も労働基準法、第65条じゃ。産前6週間(多胎は14週)は本人の請求で休めるが、産後8週間は強制休業。特に産後6週間は本人が働きたくても働かせてはいけない、というのが特徴じゃ。
サクラサクラ
母体保護のための強制休業なんですね。じゃあ選択肢3の「育児休業給付」はどうですか?
博士博士
これは雇用保険法に基づく給付じゃ。育児休業を取れる権利は育児・介護休業法に定められておるが、その間の所得保障は雇用保険から支給される。最初の6か月は休業前賃金の67%、その後は50%が支給される仕組みじゃよ。
サクラサクラ
権利を定める法律と、お金を支給する法律が別なんですね。なるほど…。
博士博士
そして正解の選択肢4「労働時間の短縮」が育児・介護休業法第23条に該当する。3歳未満の子を育てる労働者が請求すれば、1日6時間の短時間勤務制度を事業主は提供しなければならない。介護でも同様の所定労働時間短縮措置が義務化されておる。
サクラサクラ
育児・介護休業法と聞くと「休業」のイメージが強かったですが、休業以外の働き方の調整も含まれているんですね。
博士博士
その通り。他にも子の看護等休暇(小学校3年生修了までの子1人年5日)、介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限など、両立支援の選択肢は幅広い。2022年改正では「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設され、男性が産後8週間以内に4週間まで分割取得できるようになったのも注目じゃ。
サクラサクラ
医療現場でも夜勤や残業が多いから、看護師の働き方改革とも関わる重要な法律ですね。
博士博士
まさにその通り。看護職は女性比率が高く、結婚・出産・育児・介護のライフイベントと仕事の両立が長年の課題じゃ。看護管理者として制度を正しく理解し、スタッフが安心して制度を利用できる職場を作ることが、人材定着にも直結する。法律名と制度を結び付けて整理しておこう。

POINT

育児・介護休業法と労働基準法・雇用保険法など類似法令との制度区分を問う問題。各制度の根拠法を正確に区別できるかが鍵となる。

解答・解説

正解は4です

問題文:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉によって労働者が請求できるのはどれか。

解説:正解は 4 です。育児・介護休業法(正式名称:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)は、仕事と育児・介護の両立を支援することを目的に1991年に制定された法律で、育児休業や介護休業のほか、所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)について事業主の義務を定めている。具体的には第23条において、3歳に満たない子を養育する労働者が希望すれば、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務制度を事業主が設けなければならないと規定されている。また、要介護状態の家族を介護する労働者についても、所定労働時間の短縮等の措置を講じることが義務付けられている。これらの「労働時間の短縮」は、労働者が事業主に対して請求できる権利として育児・介護休業法に明記されている。

選択肢考察

  1. ×1.  育児時間

    育児時間は労働基準法第67条に定められた制度であり、育児・介護休業法に基づくものではない。生後満1年に達しない生児を育てる女性労働者は、休憩時間とは別に1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求できると規定されている。授乳や搾乳のための時間を確保することを目的としている。

  2. ×2.  産後休業

    産後休業は労働基準法第65条に規定された母性保護のための制度であり、育児・介護休業法には含まれない。使用者は産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないとされ、産前については本人が請求した場合に6週間(多胎妊娠は14週間)の休業が認められる。産後6週間は本人の請求や医師の判断にかかわらず就業が禁止される強制休業である。

  3. ×3.  育児休業給付

    育児休業給付金は雇用保険法に基づく給付であり、育児・介護休業法の規定ではない。育児・介護休業法は休業を取得する権利そのものを定めるが、休業期間中の所得保障(休業開始時賃金日額の67%、6か月経過後は50%)は雇用保険から支給される仕組みになっている。法律と給付の主体(厚生労働省所管だが根拠法が異なる)を区別して整理する必要がある。

  4. 4.  労働時間の短縮

    労働時間の短縮(短時間勤務制度)は育児・介護休業法第23条に基づき、事業主に義務付けられた制度である。3歳未満の子を養育する労働者は、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務を請求できる。さらに、要介護状態にある家族を介護する労働者についても、利用開始から3年以上の期間で2回以上利用可能な所定労働時間の短縮等の措置が事業主に義務付けられている。

育児・介護休業法に基づき労働者が事業主に請求できる主な制度を整理すると、(1)育児休業(原則として子が1歳に達するまで、保育所に入れない等の事情があれば最長2歳まで延長可)、(2)介護休業(対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割取得可)、(3)子の看護等休暇(小学校3年生修了までの子1人につき年5日、2人以上なら年10日)、(4)介護休暇(対象家族1人につき年5日、2人以上なら年10日)、(5)所定外労働の制限(残業の免除)、(6)時間外労働の制限(月24時間・年150時間まで)、(7)深夜業の制限、(8)所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)などがある。2022年(令和4年)の法改正では「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設され、子の出生後8週間以内に4週間まで2回に分割して取得できるようになり、男性の育児参加が後押しされている。混同しやすい関連法として、労働基準法(産前産後休業・育児時間・母性健康管理)、雇用保険法(育児休業給付金・介護休業給付金)、男女雇用機会均等法(妊産婦の母性健康管理措置・通院休暇)、次世代育成支援対策推進法(事業主行動計画の策定義務)があり、根拠法と内容をセットで覚えることが国試対策のポイントになる。

育児・介護休業法と労働基準法・雇用保険法など類似法令との制度区分を問う問題。各制度の根拠法を正確に区別できるかが鍵となる。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。