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骨格筋線維はなぜ多核?細胞融合と分葉核のちがいを整理しよう

看護師国家試験 第115午後75

国試問題にチャレンジ

115午後75

2つ以上の核を持つ細胞はどれか。

  1. 1.単球
  2. 2.好中球
  3. 3.神経細胞
  4. 4.卵母細胞
  5. 5.骨格筋細胞

対話形式の解説

博士博士
今日は『2つ以上の核を持つ細胞はどれか』という問題じゃ。選択肢は単球、好中球、神経細胞、卵母細胞、骨格筋細胞の5つ。学生さん、どれだと思う?
サクラサクラ
えっと…好中球って核が分かれてますよね?だから多核細胞かなって思ったんですけど…
博士博士
おお、よくあるひっかけポイントに気づいたのう。だが残念、好中球は『分葉核』であって『多核』ではないんじゃ。
サクラサクラ
えっ、核が分かれてるのに多核じゃないんですか?
博士博士
そうなんじゃ。分葉核というのは、1つの核がくびれて2〜5葉に分かれた形態のこと。核そのものは1個で、核膜も連続しておる。一方『多核細胞』は文字通り独立した核が複数個ある細胞のことを指すんじゃ。
サクラサクラ
なるほど!全然意味が違うんですね。じゃあ正解は…骨格筋細胞ですか?
博士博士
正解じゃ!骨格筋線維、つまり骨格筋細胞は胎生期に多数の筋芽細胞が融合してできるんじゃ。これを合胞体(シンシチウム)と呼ぶ。1本の筋線維の中に数百から数千個もの核が並んでおるんじゃよ。
サクラサクラ
すごい数ですね!その核ってどこにあるんですか?
博士博士
ふむ、よい質問じゃ。骨格筋細胞の核は細胞膜の直下、つまり辺縁部に並んでおる。中央はアクチンとミオシンの収縮装置でぎっしり埋まっておるからのう。組織標本でもこの『辺縁核』が骨格筋の見分けポイントになるんじゃ。
サクラサクラ
他の選択肢も確認したいです。単球と神経細胞、卵母細胞はどうですか?
博士博士
単球は白血球の一種で核は1つ。組織に出るとマクロファージや樹状細胞になる細胞じゃな。神経細胞も大きな核が1個。卵母細胞も核は1個で、減数分裂の途中で停止しておる状態じゃ。
サクラサクラ
ちなみに心筋細胞は多核なんですか?心臓も筋肉ですよね?
博士博士
おお、鋭い質問じゃ!心筋細胞は通常1核か2核で、骨格筋のような多核ではないんじゃ。ただし介在板(インターカレイテッドディスク)で隣の細胞と電気的につながり、機能的には合胞体として動く。構造的合胞体(骨格筋)と機能的合胞体(心筋)の違いとして整理しておくとよいぞ。
サクラサクラ
他にヒトの体で多核細胞ってありますか?
博士博士
代表的なのは破骨細胞じゃな。単球系の前駆細胞が複数融合してできる巨大な多核細胞で、骨を吸収する役割を持つ。あとは肝細胞の一部が2核だったり、巨核球は『核内倍加』で1個の核が巨大化したもので、これは厳密には多核とは言わんが多倍体細胞として有名じゃ。
サクラサクラ
いろんなパターンがあるんですね。国試ではどう問われやすいですか?
博士博士
やはり骨格筋=多核という基本知識と、好中球の分葉核との区別がド定番じゃ。『細胞融合』『辺縁核』『合胞体』というキーワードもセットで覚えておくとよい。組織学の問題でも頻出じゃぞ。
サクラサクラ
分葉核と多核は別物、骨格筋は融合してできた多核細胞、しっかり覚えました!

POINT

多核細胞(細胞融合により1つの細胞内に複数の核を持つ)と分葉核(1個の核がくびれて分かれた形態)の違いを理解し、骨格筋線維が代表的な多核細胞であることを問う基礎解剖・組織学の問題です。

解答・解説

正解は5です

問題文:2つ以上の核を持つ細胞はどれか。

解説:正解は5の骨格筋細胞です。骨格筋線維(骨格筋細胞)は、発生過程で複数の筋芽細胞(myoblast)が細胞融合(fusion)して長大な多核体(合胞体/syncytium)を形成するため、1つの細胞内に数百から数千個の核を有する代表的な多核細胞です。核は通常、筋線維の辺縁(細胞膜直下)に並んで位置するのが特徴で、これは中央が収縮装置(サルコメア/アクチン・ミオシン)で占められているためです。再生時にも、衛星細胞(satellite cell)が活性化して融合することで筋線維の修復・肥大が行われます。なお、心筋細胞は通常1〜2核(多くは1核)で分岐構造を持ち介在板で連結された機能的合胞体、平滑筋細胞は単核紡錘形であり、両者は骨格筋細胞とは構造が大きく異なります。

選択肢考察

  1. ×1.  単球

    単球は白血球の一種で、円形または腎臓形(馬蹄形)の単一の核を持つ単核細胞です。組織に遊走するとマクロファージや樹状細胞へ分化しますが、核は1つのままです。

  2. ×2.  好中球

    好中球は2〜5葉に分かれた『分葉核』を持ちますが、これは1つの核がくびれて分かれているだけで、細胞自体は単核細胞に分類されます。多核細胞(multinucleated cell)と分葉核(segmented nucleus)は明確に区別する必要があります。

  3. ×3.  神経細胞

    神経細胞(ニューロン)は通常1個の大きな核を細胞体に持つ単核細胞です。軸索や樹状突起を多数伸ばしますが、核の数は1つです。

  4. ×4.  卵母細胞

    卵母細胞は減数分裂の途中で停止している生殖細胞で、核(卵核胞/germinal vesicle)は1つです。減数分裂の進行に伴い染色体数(n)は変化しますが、核そのものは1個です。

  5. 5.  骨格筋細胞

    骨格筋線維は胎生期に多数の筋芽細胞が融合してできる多核細胞で、1つの細胞内に多数の核を持ちます。核は筋線維の辺縁部に並ぶのが組織学的な特徴で、強い収縮力を生み出す合胞体構造を形成しています。

ヒトの体で『多核細胞』として代表的なのは、骨格筋線維のほか、破骨細胞(複数の単球系前駆細胞が融合)、肝細胞(一部が2核)、巨核球(核内倍加による多倍体核を持つ巨大細胞)などです。一方、好中球の『分葉核』は1個の核がくびれた形態であり多核ではないこと、心筋細胞は1〜2核で介在板を介して機能的合胞体を作るが構造的には別個の細胞である点を整理しておくと、紛らわしい選択肢で迷いません。覚え方は『骨格筋=融合=多核=辺縁核』『好中球=分葉核=単核』のセットで押さえるのが鉄則です。

多核細胞(細胞融合により1つの細胞内に複数の核を持つ)と分葉核(1個の核がくびれて分かれた形態)の違いを理解し、骨格筋線維が代表的な多核細胞であることを問う基礎解剖・組織学の問題です。

※公式問題・正答は厚生労働省公開資料をもとに整理しています。