地域包括ケアシステムの構成要素と運営主体を正しく理解しよう
看護師国家試験 第115回 午後 第85問
国試問題にチャレンジ
地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1.施設系サービスを含む。
- 2.地域における老人クラブや自治会などの活動を含む。
- 3.おおむね60分以内の日常生活圏域を単位として想定している。
- 4.サービスのコーディネートを担う中核的な機関は都道府県である。
- 5.地域特性に関わらず、同じサービスが受けられることを目指している。
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
地域包括ケアシステムの構成要素(施設サービスや互助活動を含むこと)、日常生活圏域の範囲、中核機関、地域特性に応じた構築という基本理念を問う問題です。
解答・解説
正解は1です
問題文:地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。2つ選べ。
解説:正解は1と2です。地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域の体制を指します。介護保険法第5条第3項に位置づけられ、市町村や都道府県が地域の自主性・主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていくものです。サービスの構成要素として、訪問介護や通所介護といった居宅サービスだけでなく、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護などの施設・居住系サービスも組み込まれているため、選択肢1は正しい内容です。また、自助・互助・共助・公助という4つの支え合いのうち、互助の中心となるのが老人クラブ、自治会、ボランティア、NPOといった地域住民の自発的な活動であり、これらはシステムの不可欠な構成要素として位置づけられているため、選択肢2も正しい内容です。
選択肢考察
- ○1. 施設系サービスを含む。
正しい記述です。地域包括ケアシステムは在宅サービスだけで完結する仕組みではなく、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームといった居住系サービスや施設系サービスも含めて、利用者の状態に応じて切れ目なく提供される体制を目指しています。住まいを基盤として、医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるという考え方の中に、施設や居住系サービスも明確に位置づけられています。
- ○2. 地域における老人クラブや自治会などの活動を含む。
正しい記述です。地域包括ケアシステムは自助・互助・共助・公助の4つで支えられるとされ、その中の「互助」を担うのが老人クラブ、自治会、町内会、ボランティア団体、NPOなどの地域の住民による支え合い活動です。見守り、声かけ、サロン活動、生活支援などを通じて、公的なサービスでは届きにくい部分を補完する重要な役割を果たすため、これらの活動も地域包括ケアシステムの構成要素に明確に含まれます。
- ×3. おおむね60分以内の日常生活圏域を単位として想定している。
誤りです。地域包括ケアシステムが想定する日常生活圏域は、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される範囲であり、具体的には中学校区を基本単位とすることが示されています。60分ではなく30分が正しい基準であり、高齢者が住み慣れた地域で生活し続けられるよう、身近な範囲で医療・介護・生活支援を受けられる体制を整えることが目的です。
- ×4. サービスのコーディネートを担う中核的な機関は都道府県である。
誤りです。地域包括ケアシステムの構築・運営における中核的な役割は市町村が担います。介護保険の保険者である市町村が地域の実情を把握し、地域ケア会議や日常生活圏域ニーズ調査などを通じて計画的に体制を整備します。実際の地域における総合相談や権利擁護、ケアマネジメント支援などのコーディネートは、市町村が設置する地域包括支援センターが中心的に行います。都道府県は市町村を広域的に支援・調整する立場です。
- ×5. 地域特性に関わらず、同じサービスが受けられることを目指している。
誤りです。地域包括ケアシステムは、人口構成、医療・介護資源、地理的条件、歴史的経緯などが地域ごとに大きく異なることを前提に、それぞれの地域の自主性・主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていくものとされています。全国一律のサービス提供を目指すのではなく、都市部、地方都市、中山間地域などそれぞれの実情に合った形で柔軟に構築することが基本理念です。
地域包括ケアシステムは「住まい」「医療」「介護」「介護予防」「生活支援」の5つの構成要素から成り立ち、住まいを植木鉢、生活支援・福祉サービスを土、医療・介護・予防を葉に例えた「植木鉢の図」がよく用いられます。支え手としては自助(自分のことを自分でする、健康管理など)、互助(家族・近隣・ボランティアなどの支え合い)、共助(介護保険・医療保険などの社会保険制度)、公助(生活保護や行政による直接的な支援)の4つに整理されます。中核機関である地域包括支援センターには保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員が配置され、総合相談、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントの4つの機能を担います。
地域包括ケアシステムの構成要素(施設サービスや互助活動を含むこと)、日常生活圏域の範囲、中核機関、地域特性に応じた構築という基本理念を問う問題です。
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