レスパイトケアって何のためにあるの?
看護師国家試験 第115回 午後 第47問
国試問題にチャレンジ
慢性疾患患者の家族介護者に対するレスパイトケアの目的で正しいのはどれか。
- 1.家族介護者の休養
- 2.家族介護者同士の交流
- 3.居宅サービス料金の補助
- 4.家族介護者への介護方法の指導
対話形式の解説
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士
サクラ
博士POINT
レスパイトケアの目的が「家族介護者の休息・休養」であることを問う問題です。介護者支援の各種サービスの目的を整理して理解しているかが鍵となります。
解答・解説
正解は1です
問題文:慢性疾患患者の家族介護者に対するレスパイトケアの目的で正しいのはどれか。
解説:正解は 1 です。レスパイト(respite)とは英語で「一時的休止」「休息」を意味する言葉であり、レスパイトケアは在宅で介護を担う家族介護者が、心身ともに疲弊しないよう一時的に介護から離れて休養・リフレッシュできるようにするための支援を指します。慢性疾患や障害をもつ療養者の介護は長期にわたることが多く、家族介護者は身体的負担に加えて精神的負担、社会的孤立、経済的困難など多面的なストレスを抱えやすい状況にあります。介護負担が限界に達すると介護うつや高齢者・障害者虐待、介護離職、介護放棄などのリスクが高まり、結果として療養者本人の在宅生活継続が困難になります。そこでショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)、デイサービス、訪問看護、レスパイト入院などを活用し、一定期間ケアを代替することで介護者が休息をとれるよう支えるのがレスパイトケアの本質的な目的です。したがって「家族介護者の休養」を目的とする選択肢1が正解となります。
選択肢考察
- ○1. 家族介護者の休養
レスパイトケアの第一義的な目的は、介護を継続している家族が一時的に介護から離れ、心身の休養をとれるようにすることです。ショートステイやレスパイト入院、デイサービスなどを通じて介護を代替し、介護者の疲労蓄積やバーンアウトを予防することで、結果的に在宅療養の継続を可能にします。
- ×2. 家族介護者同士の交流
家族会や介護者のつどいなどでの介護者同士の交流は精神的支えとして有効ですが、これは「ピアサポート」や「家族支援」と呼ばれる別の枠組みに位置づけられます。交流が副次的に得られる場面はあっても、レスパイトケアの本来の目的ではありません。
- ×3. 居宅サービス料金の補助
サービス利用料の補助は、介護保険制度の保険給付や自治体独自の助成、高額介護サービス費制度などによる経済的支援であり、レスパイトケアそのものとは目的が異なります。レスパイトケアは料金補助ではなく、介護を一時的に代替して家族を休ませるケアを指します。
- ×4. 家族介護者への介護方法の指導
介護技術や手技の指導は訪問看護師やケアマネジャー、地域包括支援センターなどによる教育的支援として重要ですが、これは家族介護指導や介護者教育の領域であり、レスパイトケアとは目的が異なります。レスパイトケアはあくまで「休む」ことを支えるサービスです。
レスパイトケアに活用される代表的なサービスには、介護保険制度では短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護、通所介護、通所リハビリテーション、訪問介護、訪問看護などがあります。医療的ケア児や難病患者、重症心身障害児者を対象とした「レスパイト入院」も医療機関で実施されています。利用にあたっては、ケアマネジャーや相談支援専門員がケアプラン・サービス等利用計画に組み込み、計画的に介護者の休息時間を確保することが重要です。介護者の健康を守ることは療養者本人のQOL維持にも直結するため、看護師は介護者の疲労度や心理状態をアセスメントし、必要に応じてレスパイトサービスの利用を積極的に提案する役割を担います。
レスパイトケアの目的が「家族介護者の休息・休養」であることを問う問題です。介護者支援の各種サービスの目的を整理して理解しているかが鍵となります。
「介護保険・地域包括ケア・権利擁護」の関連問題
ケアプランを作るのは誰?介護支援専門員の役割を完全マスター
介護保険制度における居宅サービス計画(ケアプラン)の作成を独占業務とする職種を問う問題。介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割と他職種との業務範囲の違いを理解しているかが問われている。
115回
在宅高齢者のケアマネジメントを理解しよう
この問題は、ケアマネジメントの基本理念(本人中心・自己決定の尊重)と、サービス担当者会議の構成員、ケアプラン作成主体の違いを正しく理解しているかを問うています。
115回
地域包括ケアシステムの構成要素と運営主体を正しく理解しよう
地域包括ケアシステムの構成要素(施設サービスや互助活動を含むこと)、日常生活圏域の範囲、中核機関、地域特性に応じた構築という基本理念を問う問題です。
115回
地域包括支援センターの4つの仕事—地域包括ケアの司令塔
地域包括支援センターの中核業務を問う問題。「総合相談・権利擁護・包括的ケアマネ支援・介護予防ケアマネ」の4本柱が核。
114回
地域包括ケアシステム——植木鉢で覚える5つの構成要素
地域包括ケアシステムの5構成要素(医療・介護・介護予防・生活支援・住まい)を問う頻出問題。「植木鉢」のイメージで覚える。
114回
